まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

ヒュッテとアルファ

2017-11-12 02:12:05 | 
今日の洋風建築めぐり講座は神戸方面だったので、mayumamaさんとランチしてから行こうと
前日にネットで調べたお店で待ち合わせ。私はJR元町駅から坂道を上り、ちょろちょろ寄り道しながら花隈へ。
あっ、ここだ。


喫茶ヒュッテ。ごく普通なまちなかに突如として現れた、青いアルプス山脈。うわぁ~~いいなぁ!!


「山小屋」に入ると、、、おぉ、中も期待通りのかわいさ。かなり奥行が長く、意外に大バコだな。
手前のエリアには先客がいたので写真を撮れていないが、長年地元の人々に愛されてきたお店ならではの
気安い空気が流れている。


私たちは一番奥の席に落ち着いてサービスランチを注文。
COFFEE&GRILLと書かれている通り洋食メニューが豊富で、しかも安い!
手作りのハンバーグとカレイのフリッターはとてもおいしかった。これにライス、サラダと味噌汁とお漬物が
ついて570円って!!そりゃ、地元の人や周辺で働く人たちに愛されるはずだわ。


こんな安いランチで長居するのは申し訳ないので食後のお茶も。
ロゴ入りのカップが素敵~!


ガラスドアに彫られた山小屋の絵もかわいいなぁ。いいお店を見つけてよかった!


実はつい最近カメラを買い替えて、今日始めて外へ持ち出した。ミラーレスと悩んだが結局コンパクトデジカメに
した。mayumamaさんは一眼レフからミラーレスに買い替えたので、どんな感じか見せ合いしたのだった。
その後の建物見学で使ってみたが、やはり使い慣れた以前のカメラと違い、何か思うようにいかない。
センサーサイズが大きくなったのでボケが大きく出るようになったが、絞りの設定とかちょっと戸惑っている。。。

その後講座が湊川神社で解散したあと、皆でお茶するところを探して元町商店街のアーケードに入ると、
素敵な純喫茶を発見!


TEAROOMアルファ。
うわぁ~~、照明、椅子、すべてが昭和の古きよき喫茶店。ここにしよう~~


ちょっと大人数なんですが、、、と言ったら嫌がられるかなと思ったら、
どうぞどうぞ、テーブルくっつけて用意しましょう、と、ご主人も奥さんも笑顔で対応して下さり、
皆でまったり楽しいひとときを過ごすことができた。


mayumamaさんが頼んだホットオレンジはみかんが浮いてる!!かなり甘かったようで、これも昭和の味!?
私のココアはそれほど甘すぎずおいしかった。


壁の一部はタイル貼りに。元は他の壁も全部タイル貼りだったのかな。


入口付近にぶら下がっていたこの照明も、雪の結晶型で素敵だなぁx。


神戸は商店街を歩くだけでも魅力的な純喫茶がたくさんあって目移りする。いくつか入った店もあるが、
また機会があったら片っ端から入ってみよう(笑)
コメント (2)
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地下鉄名古屋駅のモザイク 東口

2017-11-10 23:32:37 | ディテール
こないだ名古屋に行ってきたときに、地下鉄桜通線の名古屋駅のコンコースのモザイクをもう一度見てきた。
前回たまたま見つけた西改札口のモザイク。ナチュラルながらもカラフルな天然石の色合いと、
名古屋名物を描いたレトロな駅弁の包み紙みたいなデザインが、この壁画が完成した昭和42年という
時代のイメージにぴったりで、とても気に入ったのだった。


モザイクの作者は矢橋六郎で、以前「大垣市役所のモザイク」の記事にも書いたが、彼は矢橋大理石の創業者の息子であり、
世界中の大理石を自由自在に使えたのだ。近くで見るとそれぞれの石の美しさに魅了される。
染料をしみこませたのではないかと思わせる、この黄色の鮮やかさ。

目地の部分には細かい石のくずを混ぜたモルタルが詰められている。一種のテラゾーだな。

黄みを帯びたものから青みを帯びたものまで、緑色のバリエーションの広さには驚く!


まるで宝石サンゴのような、マットなサーモンピンク、濃いオレンジピンク。アイボリー色だって多彩なのだ。
こうやって見ていると「石」というよりもはや宝石。
これらの多彩な大理石のカケラを自由自在に組み合わせて、陰影のある壁画を作り出す矢橋六郎はやはり天才だなぁ!


ところで、名古屋駅の壁画はもう一ヶ所、東改札口にもあったことを、前回帰ってから知った。


こちらは地下鉄工事中の様子。
前に置いてあるフラワーポットの広告部分は撤去してほしいなぁ。。。


地下で掘り出した土を手押し車に乗せてせっせと運ぶ人。かわいい~
つるべで土を運び出していたら地下鉄開通までいったい何十年何百年かかるの!?(笑)
遊び心ある壁画にほっこり。


そして出来上がった地下鉄。地下街は人でにぎわい、地上には車やバスが走る。


動物たちは、東山動物園の住人だな。シマウマの引き締まったお尻の筋肉!
名古屋駅で東山線に乗り換えれば動物園へ行ける。


この注連縄の張られた巨木は何だろう。
ネットで検索してみると、名古屋市の木はクスノキであり、御神木と呼ばれる巨木はいくつかあるようだが
二股に分かれた幹の形から見て、弘法大師のお手植えと言われる樹齢千年の熱田神宮の大楠だな。
名古屋駅でJRに乗り換えて熱田まで行くことができる。


この鳥居も調べてみると、1929(昭和4)年に建造された「中村の大鳥居」ということが分かった。
中村が名古屋市に合併されたことを記念して地元住民たちが建てた、高さ24mのコンクリート製の鳥居で、
当時は日本一の高さだったとか。大鳥居のある中村公園駅へも東山線に乗り換えて。

当時はこの絵のようにまだ木造の町家ばかりを見下ろしていただろうが、1軒ビルディングがあるな!?
これは何だろう。。。気になる。いろいろ見てみるとどうやら「大鳥居ビル」という、もともとジャスコの
入っていたビルのようだ。しか~し、西改札のモザイクに描かれた若い太陽の塔や地下鉄名港線と同様、
このビルも1969(昭和44)年にできている。こうなるとやっぱり「寄贈 昭和四十二年十一月」という
プレートの方が違うのかもしれないな。先に寄贈することを発表して、その後から製作を始めたとか??
ん~、謎。


ひんやりした石の表面を手ですりすり撫でながら30分ぐらい壁画を堪能したけど、帰ってからも楽しめた。
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函館の建築めぐり 旧イギリス領事館

2017-11-08 23:03:26 | ディテール
函館の続き。

相馬邸待ち(理由は前記事参照)の間、付近の建物をふらふら見て歩いていたが、、、
そうだ、旧イギリス領事館のティールームでランチ代わりにアフタヌーンティを楽しもう。
ここも前回は閉館間際に滑り込んで外観をささっと撮らせてもらっただけだった。


控えめな入口。

函館のイギリス領事館は、箱館が国際貿易港として開港した1859(安政6)年に設置された。
火事の多い函館、何度も焼けては建て直され、現在の建物は1913(大正2)年に再建されたもの。
領事館が閉鎖後函館市がイギリスから建物を買い取り、1979年まで市立函館病院の施設として
使っていたとか。

二階の見学には500円要るというがどんなもんかな?階段は緩やかな勾配で木製の手すりが
いい感じだが、Tさんが改修済みでそれほどと言ってたし、カフェになってる1階部分だけでいいや。


部屋に入る前の廊下に暖炉があり、焚口のまわりと床に深い青緑色の無地のタイルが貼られていた。
鮮やかな色の透明釉のムラが古そうに見えるが、大正時代のものかどうかよく分からない。


部屋に入ると・・・おお、いい感じ。どこに座ろうかとちょっと迷うが、明るい窓辺の席に陣取った。
この部屋にも暖炉があるな。注文して待っている間にちょっとフロアをうろうろ。写真撮影もOKをもらった。


さっきの廊下の暖炉は小さくて簡素だったけど、さすがこちらのマントルピースは時計やオブジェも飾れ
インテリアの一部になっている。


ここのタイルは黄みがかった明るい緑色。二丁掛サイズのタイルが縦長に貼られている。
釉薬のかかり具合にムラがあり、色が均質でないのがいいね!
ちなみにフードは後から新しく作られたものと見える。


きれいな色だなぁ!!壁面のタイルは状態がいいが床面は割れていたり欠けていたりするのでやはり
古いものではあるんだろうな。


暖炉は隣の部屋にもう1ヶ所、合計で3ヶ所あった。華やかに飾られたこちらの暖炉はタイルの色が赤!!


赤というか、スカーレット色かな。こちらは一枚一枚の色ムラが少ないのは色の特性なのかもしれない。


しかし、無地タイルばかりだな。イギリス領事館なのだからビクトリアンタイルがあっても良さそうなのに、
暖炉の色無地タイルしか見当たらなかった。

あとからネットで見ると、2階の部屋にも同じような暖炉があるらしい。しかし部屋はきれいすぎるほどに
改装されて展示室になっているようだった。

あいかわらず止む気配すらない雨を窓の外に見ながら、優雅にアフタヌーンティ。


しばしまったりとくつろいだあと、オールドローズの花咲くお庭を散策。
マーブルのように色が混じった花は不思議だなぁ~


風が強くてピントを合わせるのもひと苦労・・・(汗)



さて、そろそろ相馬邸へ行くか。。。あのカップルもさすがに見終わっただろう(笑)。

続く。
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函館の建築めぐり 元町配水場

2017-11-07 23:55:59 | 建物・まちなみ
函館の続き。

函館山の山麓、まちのいちばん上手にある元町配水場、今日は門が開いていたので入ってみよう。
前に柵越しに覗いていたレンガ造の小さな事務所も間近で見れる。

1889(明治22)年に完成した、日本人による設計としては初の近代水道施設である。今も現役。

小さい建物だが装飾はなかなか凝っている。「水」の文字など部分的に白いレンガをポイント的に使って。


広々した公園のような場内は、晴れていたら気持ちいい散策ができるだろうが、この雨風ではなぁ・・・
これは地下の貯水槽へ下りる階段かな。


ここにも、ドアの上のらんま部分に流水文様と「水」の文字のマーク入りの面格子。日本人らしいデザイン。
あっ、「水」と思ったら「函」だ。


配水場の前の道端の石垣もいいな。赤みを帯びざくざくした質感の石が谷積みにされ、その上に自然な
感じで草花が生えている。北海道では雑草もなんだか可憐に見える(笑)


函館ハリストス正教会も今日は開いている。夏休み中の連休とあってこの雨にもかかわらず観光客が
次々やってくる。しかも外国人ばかり。中国系、アジア系もいれば欧米人も。さすが観光都市だな!

入口がごった返してるので、先に外観写真を撮ろう。・・・しかし斜めのアングルで引きが取れない。
植込みに半ば体を突っ込みながら、傘をさしながら人が途切れるのを待つが、、、入る人、出る人が
入れ替わり立ち代わりで全く途切れない(汗)。しばらくしてちょっと動きが落ち着いたと思ったら、
ドアの横でひとりの女性が突っ立って動かない。連れを待っているのか・・・多分中国系の外人さんだ。
ちょっと~、空気を読んでよ(苦)。私がカメラを構えているのは見えているはず。
10分以上粘り強く待って、ようやく人が途切れたのでささっと撮り、内部へ。はぁーっ 

ロシア風ビザンチン様式の聖堂は、1916(大正5)年に完成した2代目。
この場所は日本正教会の発祥の地である。
聖堂の内部はあまり広くなく、正面には屏風のような巨大なイコノスタシスが立ちはだかっている。
内部は撮影禁止で残念だが、救世主イイスス・ハリストス(イエス・キリストのこと)の復活を描いた
イコンはゾクッとするような存在感だ。
イコノスタシスの中央にはドアがあり、それより奥は限られた人しか入れないとのことだった。

こちらは遺愛幼稚園。


ピンク色のかわいい建物は、明治40年の大火で初代園舎が焼けたあと米国の篤志家の寄付により
1913(大正2)年に建造されたもの。


全体的にはシンプルだが、玄関周りはかわいらしい雰囲気。

相変わらずザーザー降りの雨。気が滅入るなぁ・・・

前回見れなかった相馬邸も今日は開いている。外観と玄関周りの写真を撮ったあと、入ろうと思ったら
2人連れの観光客がやって来た。・・・げげっ、さっきの空気読めないやつだ。
一緒になってしまったらまたストレスが溜まりそう・・・ちょっと時間をずらすことに(苦笑)

近くにあったこちらの建物は「天使寮」と書かれていた。教会関係者の寮だろうか?
薄めの茶色の壁に白にペイントされた柱や窓縁がくっきりして素敵だな。


窓まわりは新しい感じだが壁に取り付けられた照明器具や看板は古そうだ。
1階と2階で外壁の板の張り方が変わっていて、挟まれた帯の部分には丸太の外側の端材が使われている。




大阪にひとつあったらぐぐっと目を引くような洋風意匠の住宅がいくつも並び、ごく自然なまちなみを作っている。


こちらは洋室付住宅。


1階は和風、2階は洋風のミックス住宅。
鮮やかなパステルカラーもなぜかなじんでしまうから不思議。


続く
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函館の建築めぐり 聖ヨハネ教会

2017-11-06 23:08:39 | 建物・まちなみ
江差からの続き。

道の駅でのんびりソフトクリームなぞ食べていたら、あれ?時間がない??江差から函館空港まで、グーグルでは
1時間20分だったのに、ナビが2時間かかると言っているのだ。Tさんの飛行機に間に合わないじゃないの!!
えぇ~っ???慌てて出発、山道を必死に走り、何とか搭乗手続き〆切ギリギリに空港にたどり着いた(大汗)

Tさんを見送って車を返し、駅近くの宿へ入ったときにはもう薄暗くなっていた。
雨も降っているが、荷物を置いてひと息ついたら外へ出よう。
大きな傘の方がいいでしょうと、宿のおばちゃんがしっかりしたビニール傘を貸してくれたので
市場でご飯を食べたあと雨にも負けずまち歩き。フラフラ歩いているともう十字街まで来た。Tさんが言っていた
お屋敷街を見に行って、そのまま谷地頭まで下る。宿のお風呂は小さく交代制なので、谷地頭温泉でゆったり
浸かっていこう。


前回は朝っぱらだったのでパスしたのだったが、満車近い駐車場を見てもわかる通り、やっぱりすごくいい
温泉なのだ!濃厚でまったりしたお湯がなみなみ。そして露天風呂もある。これがすごく気に入った!
清々しい外気にあたりながら浸かっては冷まし、浸かっては冷まし、、、あぁ極楽!


翌日も朝から雨で風も結構強い。
朝市で産直の野菜やとうもろこしやお土産などを物色して楽しんだあと喫茶店でモーニング。
ほんとは今日は日帰りで青森県の大間に渡ろうともくろんでいたのだが、天候が悪いので中止したのだった。
まぁ、まだ函館のまちなかでゆっくりお茶を飲んだり内部見学したいところもあったので、ちょうど
よかったかもしれない。

前に来た時もかなり見たと思っていたが、見ていなかった(忘れてるだけかも?)建物もちょくちょくあり、
また何度見ても惚れ惚れするような建物もあり、2回目でも全然退屈しない。
前に通ってなかったと思う道を選んで進むと、やっぱりあるある、惹かれるものが。
そうか、前は夜歩きしたところが多かったからだな。

この石垣は東本願寺函館別院。熊本の馬門石のように赤やピンクの石だ。これもやはり火山系の石だろうか。


現在地に移転したのは1879(明治12)年。その後大火で焼け、現在の本堂は1915(大正2)年に
耐火建築で再建されたもの。今ではどこにでもある鉄筋コンクリート造の寺院だが、日本で最初に造られたのがここで、
10年前に重要文化財に指定されている。
コンクリートなどわけのわからないもので造ることに不安の声があがり、寄付金がなかなか集まらなかったとか。


立派な大屋根の妻壁には、銅板を立体的に張り合わせた見事な鳳凰や雲の装飾がついている。

雨が激しくて雨粒が写りこんでしまう・・・(苦)

この住宅は妻壁の端がフリフリになっているのがかわいいな。玉石を埋め込んだ門柱も素敵。


出窓の下がこんな柔らかい段々になっていた。


さて山の手の教会エリア。以前夜歩きしたときにライトアップで美しく浮かび上がっていた函館聖ヨハネ教会
明るいときに見てもなかなかシンボリックでいいね。


ドアが開いている。中を覗いてみよう・・・おお・・・
包みこまれるような丸い天井に、細いスリットから差し込む光。


壁は木材によって陰影のある表面となっている。




入口の上だけ2階があって、階段が壁に沿うように取り付けられている。


外から見ると白い壁に十字が刻まれただけに見えたが、ステンドグラスだった。これは昼間にしか見られない。


壁から持ち出した階段も軽やかでいいね!
1979(昭和54)年築で比較的新しいが、RC造ならではの伸びやかな建物だ。


続く
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檜山爾志郡役所

2017-11-03 23:41:03 | 建物・まちなみ
江差の続き。

江差の高台に建つ木造洋風建築は、1887(明治20)年築の元檜山爾志郡役所。
開拓史時代の建物で、北海道で唯一現存する郡役所だとか。


ここの見所は、部屋ごとに違う壁紙。壁紙といっても、ウィリアムモリスとかではなく、また唐紙でもなく、
綿のプリント布である。和更紗やヨーロッパ更紗と言われる布だ。
明治時代の建物で内装に布が貼られた建物は例がないとか。確かに、見たことがないな。
これが、全面修復工事のときにベニヤの下から出てきたというのだから、作業員も研究者も驚いたことだろう。


そしてそれが、壁だけでなく天井にも貼られていて、しかも部屋ごとに違う柄なのである。すごいな!
誰が、なぜ、これを思いついたのだろう。この布も北前船で運ばれてきたのだろうか。


今貼られているのはもちろん復刻されたものだが、壁紙は電子顕微鏡で化学分析され、元の壁紙から正確に
トレースした図柄を手捺染で多色刷りしたという。ガラスケース内の展示を見ると、細部まで忠実に
再現されていることがわかる。


中にはこんなかわいい柄も。桃太郎(笑)。右半分がオリジナル、左半分が復刻。完成度は高い。


ところでこの建物は2階建てなのだが、階段がちょっと妙。
廊下に平行する形で階段がついているのだが、なんだこの窮屈さは!?


普通90度曲りの部分は全体で1段の踊り場になっているのがベスト、多くても2~3段だろう。
そうでないと踏み面が細くなりすぎて踏み外しそうで危ない。
ところがここでは、90度で6段も取っている!!単純計算で1段あたり15度。。。ひぃ~


上の曲り部分は7段もある!1段あたり約13度。踏み面が細いということはすなわち急ということ。
まるで螺旋階段か、町家の隠し階段ばりだ。コワイコワイ(苦笑)。
手すりを見ても、大工さんが納まりに苦労したことがひしひしと伝わってくる。


2階も壁紙の貼りめぐらされていた。
展示は、建物の改修工事の様子や、桧山地方の昔の様子や、郡役所の変遷などがあってなかなか興味深い。、


そして江差駅の駅名標も!


全面改修ですっかりきれいになってしまっているが、結構楽しめた。


最後に車で少し走り、旧関川家別荘もちょろっと見に行く。中心部から外れた静かな場所にぽつんと建っていた。
関川家は多くの北前船を所有していた廻船問屋で、松前藩第一の豪商と言われた。
こちらは長屋門のように一部通り抜けられるようになった2階建ての蔵。そこには江差の豪商の栄華を
彷彿とさせる調度品の数々が大量に保存されている。


別荘母屋はあまり華美な装飾はなく、お庭を静かに眺められるお座敷である。
隣接するえぞだて公園(1万1千㎡)はもともと関川家の庭園であった。
関川家の当主は俳人として名の通った人物もおり、来遊の文人たちと俳句を楽しんでいた風流な暮らしが
しのばれる。


続く
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江差のニシン御殿

2017-11-02 22:57:04 | 建物・まちなみ
江差の続き。

まずは横山家住宅を見学しよう。
その昔、ニシンが山ほど獲れた時代があって、松前藩はニシンとアスナロヒノキの交易で繁栄した。
特に江差港は北前船の終点として、「江差の五月は江戸にもない」と言われたほどの栄華を極めた。
横山家は200年以上にも渡り江差で漁業、商業、廻船問屋を営んでいた旧家である。
この建物は約160年前に建てられたものという。


道路側に帳場のある母屋が建ち、土間がのれんの奥へと続く。
奥に向かって下り坂になった通り庭に面して、1番蔵から4番蔵までが並ぶうなぎの寝床型の建物。
裏はかつて海辺に直接面していたというが、戦後埋め立てられ海側に道路ができてしまった。


いちばん奥の蔵はハネダシと呼ばれる海に向かって2階が張り出した形状になっているのが特徴だ。
船から直接荷おろしをしたり、倉庫、作業場などとして便利に使われたらしい。
展示されている昔の写真を見ると、浜辺の端から端までこれと同じような建物がギュウギュウとひしめき
合うように建ち並んでいる。すごい数だな!!今では全く想像もつかない。

江差のニシン漁は前浜漁業といい近くの漁場で行う刺網漁が1673年頃から行われてきた。
また北海道沿岸各地で行われる出稼ぎ漁の基地としての役割もあった。

以前余市の福原漁場を見たことがあるが、あちらは出稼ぎ漁夫が親方と共に寝起きして作業する現場であった。
横山家は漁師ではなく商家であったので、蔵の中には帳簿や荷印をつける道具などの商売関係の資料や
北前船で京都や大阪から運び込まれた美術品などが展示されていた。
ニシン漁は3月~5月頃、その期間だけで1年間暮らせる利益を得られるため、オフシーズンには
関西へ遊びに出かけたりしていたので、意外にも情報は早く文化的な暮らしをしていたのだとか。


200年もの間、毎年回遊してくるニシンの群れによって江差の経済は支えられていたが、
1913(大正2)年を最後にニシンはピタリと来なくなる。いったいニシンに何があったのか。。。
それについてはいろんな説があるようだが正確なことはわかっていない。
商売ができなくなった人々は江差を離れて行ったのである。


今では全く、まちなかで魚の匂いすらしないのは不思議な気がする。


今度は廻船問屋であった旧中村家住宅を見学。これを建てた近江商人の大橋宇兵衛は、日本海沿岸各地の
海産物の仲買商を営んでいた。


北前船で運んできたという越前石が積まれた建物の基礎。


ここもいちばん表に帳場があり、通り庭に面して部屋が並ぶ。床の間や建具の普請は手の込んだものと
なっている。


囲炉裏の自在かぎは松竹梅と太陽をデザインしてあってカワイイな!


灰ならしもまた秀逸なデザイン!!「心」って何だろうと思ったら、「火の用心」か!


地の底へ下りていくような通り庭。


文庫蔵の土台の石積みはこんなふっくら仕上げになっていた。外部の人に見せるわけでもないのに、
凝っているなぁ!


こちらもニシン漁全盛期の熱気が伝わってくる写真がいろいろ展示されていた。
明治10年の江差のまちなみ。海岸線が見えないほどにハネダシがひしめき、背後の山の上にまで
建物が建っている。あぁ、あれからニシンはどこへ行ったやら、、、


檜山郡役所を見たあとお昼ごはんを食べようとチェックしていたところへ行ってみたらお祭りのため
ランチが休みで、横山家に戻り併設のお蕎麦屋で食べる。


もちろんニシンそばを。ほっとひと息。。。




続く。
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