まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

新潟邸宅三昧 北方文化博物館(豪農の館)再訪2

2020-02-12 23:16:42 | ディテール
2019年夏の新潟の続き。



北方文化博物館(豪農の館/旧伊藤文吉邸)を再訪したのは、やっぱりここをもう一度見たかったから。


湯殿の廊下!!通常は非公開だが、3年前に訪れたとき、たまたま話の流れで見せて頂けることになり、当時WEB上にも
ほとんど全く上がっていなかった敷瓦パラダイスの思いもかけない「発見」に驚愕したのだった。
そのとき案内して下さった学芸員の伊里さんが前回のことを覚えていて下さりふたたびのお願いにも快く応じて頂けた。
※ブログ掲載承諾済






踏み石代わりの敷き瓦は湯殿と、その奥の便所まで導くように敷かれている。
これは瀬戸の本業敷瓦、本業タイル。これほどの枚数、種類の敷瓦が1ヶ所で使われている物件は知らないし、
手描き、異形の敷瓦は貴重である。


雪輪型が2枚、扇型が16枚。小動物や鳥の絵が多く描かれ、童話の挿絵のようにかわいらしい。


四角い銅板転写の本業タイルも比較的古いタイプの模様だな。銅板転写の本業タイルは明治20年頃以降、手描きに代わり
作られ始める。リーフレットによるとこの伊藤文吉邸は明治15年から8年がかりで建てられたというので、時期的にはぴったりだ。


ただし湯殿は増築かもしれないし、タイルは腐らないので寝かしておいたタイルをあとから使うこともできる。
リバイバルで作られたりもしたようだし、後年に補修された可能性もあるので貼られた年代を特定するのは難しい。。。


この正面の脱衣所から浴室に続く。


残念ながら浴室にタイルはない(笑)


脱衣所と浴室の間のガラスも雪輪模様入り。素敵~~




吹きつけでグラデーションをつける技法が流行ったのかな。これらの手描き模様は全て呉須(青)と鉄(茶)の2色で描かれて
いるにも関わらず、それぞれの色の濃淡がうまく組み合わされまるでフルカラーのように思えてしまうから不思議だ。






雪輪型の敷瓦は、瀬戸の窯垣の小径資料館に1枚展示されている。あちらのは銘が入っているが・・・
前回新潟の大棟山でも見つけた。しかしそれらに比べてここのは反りがなく表面も滑らかなので、時代が少し新しい感じがする。






あぁ何て楽しい、トイレまでの道中(笑)。しかしもったいなくて踏めないよ!!
いったいどんなVIPが使ったのだろうか。。。


この雀のデザインは、もう1ヶ所ほぼ同じものがあったな。




これらの異形の敷瓦はみっしり敷き詰めるために作られたものでないことは明白だろうが、茶道具でもなさそうだし
このように飛び石状に土間に敷くのが果たして本来の使い方なのだろうか。。。あぁ、作った人に聞いてみたい(笑)


続く

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