2020年3月の岩手旅の続き。
岩手銀行旧本店(元盛岡銀行本店)のほんの近くに建つ、旧第九十銀行本店本館は、赤レンガの華やかな
盛岡銀行とまた全然違った趣で、花崗岩とベージュ色のタイルをまとったおとなしい色合いの建物であるが、
構造はレンガ造で、ロマネスクリバイバル様式の外観はやはり銀行建築らしく重厚で威厳が感じられる。
現在は「もりおか啄木・賢治青春館」として公開、盛岡市保存建造物に指定されている。
それにしても電柱と電線がじゃまだな・・・
ライバルの盛岡銀行に対抗して、盛岡出身の若き建築家、横濱勉に設計を依頼し、盛岡銀行より5か月早い、
1910(明治43)年に竣工。
あまり知らなかったが、横濱勉という人は司法省営繕技官を務め、大阪控訴院、大阪監獄、奥多摩監獄、
東京区裁判所などを設計した。そして、愛日小学校もこの人の設計だったのか!
窓台と水切りを兼ねたボリュームのある花崗岩の部材。盛岡市内、川目産の石が使われている。
中に入ると元営業室も天井は高いが吹抜けではない。館内各部屋には石川啄木と宮沢賢治という二人の偉大な
文学者に関するさまざまな資料が展示されている。
天井に桜のマークのレリーフ。
内部は比較的すっきりしており、セセッションの影響も見られるという。
この旧第九十銀行本店では暖炉にビクトリアンタイルが使われている。日本タイル博物誌の本に載っているのを
ずっと見ていて、今回こそはとタイルを見るのを楽しみにしていた。
説明書きによると暖炉は5ヶ所あり、今でも火を入れて使えるようになっているという。順に見て行こう。
まずは喫茶室にあるこちら。木製のマントルピースに茶褐色のレリーフタイルが、コの字型に貼られている。
時々見かけるもので、人の立ち姿のようにも見え、花と葉のようにも見える、アールヌーボーのデザイン。
暖炉の前の床にはあめ色の無地タイルが敷かれている。
そしてこちら。部屋の角に作られた少し小ぶりな暖炉だが、グリーンのタイルがはっと目を引く。
描かれているのは植物模様?チューブライニングの線が白く浮き上がり、3つの円の部分はレリーフに
なっていて球体のようなグラデーションがついている。
見たことのないデザインで、これもアールヌーボーのビクトリアンタイルだ。
床には黒い無地タイル。
こちらの部屋の暖炉は壁にはタイルが貼られていなかった。
球を埋め込んだような美しい木部の彫刻。
床の無地タイルのみだが、ローズピンクというかピンクがかった茶色というか、何とも言えず深く品のある色合い。
2階へ上ろう。
階段の手すりが壁に突き当たる部分のデザインが素晴らしい!アカンサスの葉だろうか。
2階には広い総会室があるが、ホワイエのようなところからさらに階段を6段ほど上って入口があるという、
ちょっと変わったつくりになっている。
たきぎのようなデザインの持ち送り。
総会室に入ると講堂のような広い空間で、ここにもいろいろと展示されている。そして・・・暖炉があった!
1階で見たものよりもずっと大きく豪華で凝ったデザインである。
しかしこの真ん前に、カウンター机や椅子やファンヒーターが置かれ係の方が座っていた・・・(汗)
あのー、ちょっと暖炉のタイルを見たいんですが・・・おずおずと声をかけると、はい、と言って脇へ避けて
くれたが、立って待ってもらっているので申し訳なくて、ファンヒータを退かす勇気もなく、ささっと数枚だけ
写真を撮った。カウンターを暖炉の真ん前でなくちょっとずらしておいてくれたらなぁ。。
ここはタイルも他とは違い、多色使いのタイルが使われている。睡蓮をモチーフにした、チューブライニングと
レリーフ併用のいわゆる「マジョリカタイル」。おそらくこれも外国製、英国製か、ドイツ製かな?
水色がとても鮮やかできれい!
あと一つは・・・館内を何度も探して回ったが見つからない。なんで!?
2階に一部屋、締め切りの部屋があった。スタッフルームのようだが・・・もしやここに!?
係の人に聞いてみると、やっぱりその部屋にあと1つの暖炉があるらしい。暖炉を見れないですか、と尋ねたが
非公開の場所なので、と。ええーっ、残念。。。しかも一番かわいいタイルなのに(涙)
せっかくだから暖炉のある部屋は公開してほしいなぁ。。。
ということで、コンプリートはできなかったけど、4ヶ所の暖炉のタイルを見ることができた。
床下の換気口。
続く。
岩手銀行旧本店(元盛岡銀行本店)のほんの近くに建つ、旧第九十銀行本店本館は、赤レンガの華やかな
盛岡銀行とまた全然違った趣で、花崗岩とベージュ色のタイルをまとったおとなしい色合いの建物であるが、
構造はレンガ造で、ロマネスクリバイバル様式の外観はやはり銀行建築らしく重厚で威厳が感じられる。
現在は「もりおか啄木・賢治青春館」として公開、盛岡市保存建造物に指定されている。
それにしても電柱と電線がじゃまだな・・・
ライバルの盛岡銀行に対抗して、盛岡出身の若き建築家、横濱勉に設計を依頼し、盛岡銀行より5か月早い、
1910(明治43)年に竣工。
あまり知らなかったが、横濱勉という人は司法省営繕技官を務め、大阪控訴院、大阪監獄、奥多摩監獄、
東京区裁判所などを設計した。そして、愛日小学校もこの人の設計だったのか!
窓台と水切りを兼ねたボリュームのある花崗岩の部材。盛岡市内、川目産の石が使われている。
中に入ると元営業室も天井は高いが吹抜けではない。館内各部屋には石川啄木と宮沢賢治という二人の偉大な
文学者に関するさまざまな資料が展示されている。
天井に桜のマークのレリーフ。
内部は比較的すっきりしており、セセッションの影響も見られるという。
この旧第九十銀行本店では暖炉にビクトリアンタイルが使われている。日本タイル博物誌の本に載っているのを
ずっと見ていて、今回こそはとタイルを見るのを楽しみにしていた。
説明書きによると暖炉は5ヶ所あり、今でも火を入れて使えるようになっているという。順に見て行こう。
まずは喫茶室にあるこちら。木製のマントルピースに茶褐色のレリーフタイルが、コの字型に貼られている。
時々見かけるもので、人の立ち姿のようにも見え、花と葉のようにも見える、アールヌーボーのデザイン。
暖炉の前の床にはあめ色の無地タイルが敷かれている。
そしてこちら。部屋の角に作られた少し小ぶりな暖炉だが、グリーンのタイルがはっと目を引く。
描かれているのは植物模様?チューブライニングの線が白く浮き上がり、3つの円の部分はレリーフに
なっていて球体のようなグラデーションがついている。
見たことのないデザインで、これもアールヌーボーのビクトリアンタイルだ。
床には黒い無地タイル。
こちらの部屋の暖炉は壁にはタイルが貼られていなかった。
球を埋め込んだような美しい木部の彫刻。
床の無地タイルのみだが、ローズピンクというかピンクがかった茶色というか、何とも言えず深く品のある色合い。
2階へ上ろう。
階段の手すりが壁に突き当たる部分のデザインが素晴らしい!アカンサスの葉だろうか。
2階には広い総会室があるが、ホワイエのようなところからさらに階段を6段ほど上って入口があるという、
ちょっと変わったつくりになっている。
たきぎのようなデザインの持ち送り。
総会室に入ると講堂のような広い空間で、ここにもいろいろと展示されている。そして・・・暖炉があった!
1階で見たものよりもずっと大きく豪華で凝ったデザインである。
しかしこの真ん前に、カウンター机や椅子やファンヒーターが置かれ係の方が座っていた・・・(汗)
あのー、ちょっと暖炉のタイルを見たいんですが・・・おずおずと声をかけると、はい、と言って脇へ避けて
くれたが、立って待ってもらっているので申し訳なくて、ファンヒータを退かす勇気もなく、ささっと数枚だけ
写真を撮った。カウンターを暖炉の真ん前でなくちょっとずらしておいてくれたらなぁ。。
ここはタイルも他とは違い、多色使いのタイルが使われている。睡蓮をモチーフにした、チューブライニングと
レリーフ併用のいわゆる「マジョリカタイル」。おそらくこれも外国製、英国製か、ドイツ製かな?
水色がとても鮮やかできれい!
あと一つは・・・館内を何度も探して回ったが見つからない。なんで!?
2階に一部屋、締め切りの部屋があった。スタッフルームのようだが・・・もしやここに!?
係の人に聞いてみると、やっぱりその部屋にあと1つの暖炉があるらしい。暖炉を見れないですか、と尋ねたが
非公開の場所なので、と。ええーっ、残念。。。しかも一番かわいいタイルなのに(涙)
せっかくだから暖炉のある部屋は公開してほしいなぁ。。。
ということで、コンプリートはできなかったけど、4ヶ所の暖炉のタイルを見ることができた。
床下の換気口。
続く。
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