F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

Living Music part 3

2009年04月12日 | Audio
 
F log



part 2 より続く




Living Music 代表の広瀬さんに促されるままソファーに腰を降ろし、正面のメインシステムに向き合う。




  アナログプレイヤー MUSEHEART BRU-357改(RW)

  フォノ・イコライザー SOUND PE50  

  CD プレイヤー CEC TL51XR 

  コントロール/パワーアンプ CEC AMP53 

  スピーカー MUSEHEART S-2C-GSX




というシステム。
最上段のアナログコンビを除けば、CDP AMP SP で約 50 万円。
もちろん手の届かない価格だが、雑誌で何十万、何百万というハイエンド機器を見た後ではさほどに感じないことが怖い。


オーディオ現役時代、アナログプレイヤーは CEC 製だった。
馴染みのあるメーカーはそれだけで他はよく分からない。
MUSEHEART というのはオリジナルブランドらしい。






11-22mm F2.8-3.5



興味を引かれたのは CEC の CD プレイヤー TL51XR だ。
なんといってもこのプレイヤー、ベルトドライブ なのだ。


天板の扉をスッとスライドさせ、CD をセットする。
そしてその上に 300g のスタビライザーを乗せるのだ。
こういう儀式めいた事は大好き。
ベルトドライブだからというだけでなく雰囲気がアナログライクである。


置かれたディスクの中心から 7.5cm 離れた場所に存在するモーターからベルトを介して駆動する。
メーカーの解説は こちら をご覧あれ。
なんと超弩級のトップモデルはピックアップまでベルトドライブだ!!





下段に置かれた AMP53 はコンパクトな純 A 級のプリメインだ。
幅はハーフサイズだが奥行きは普通にある。
形は小さいが内部の温度管理を自動で行うなどこだわったモデル。
同サイズのベルトドライブ CD プレイヤーもあり、並べたらベストマッチだろう。
高いけど・・・(泣)






11-22mm F2.8-3.5



スピーカー S−2C−GSX はオリジナルブランドである MuseHeart のモデル。
14cm のコーンウーハー、2.8cm ソフトドームツィーター、2 ウェイバスレフの典型的なブックシェルフである。
実質トップモデルの S-2CX の内部配線を特別仕様のスピーカーケーブルに変更したスペシャルモデルである。


チェリー板のエンクロージャーはキレイだが、正直見た目は地味な印象だった。
鈴木雅明指揮/バッハ・コレギウム・ジャパンのロ短調ミサ Kyrie が鳴り響くまでは・・・




なんじゃこりゃああああああ~




驚いたのなんの。
神戸松陰女子学院大学のチャペルが急に現れたように感じた。
天井の高さを感じたのだ。


今までミニコンポやカーステレオで聴いていたこの録音は何だったのだろう。
ひと言で表せば、それは音のだんごに過ぎなかった。


合唱団のハーモニーがきちんと聴きとれる。
冒頭 Ky-ri-e の直後、ソプラノⅡが e で三音上げる。ゾクゾク。
受け取ったソプラノⅠが続けて Ky-Ri-e の後 e を更に高みへと三つ上げる。ゾクゾクゾクゾク。
鳥肌が立った。


とくに大好きな 藤崎美苗先生 を含むたった三人のソプラノⅠ の透き通る美しさは格別。
その美しさに耳を奪われがちがだが、すぐ下のソプラノⅡの動きをこんなに感じたのも初めて。


唖然茫然でひたすら聴く。


上手く表現する語彙に乏しいのが恨めしい。
とにかく本当に驚いた。この ( SA ) CD にはこんなに情報が入っていたのかと・・・
大好きな第二 Kyrie を聴いても印象は変わらず。
いやどんどん良くなっていく。


ティンパニが活躍する Gloria in excelsis Deo も迫力いっぱいに響いてくる。
そして Et in terra pax ~ 嗚呼、至福。
このまま聴いていると二枚組のミサ曲を通してしまいそうだ。





ハッと気づくと目の前のローテープルにコーヒーが置かれていた。
ありがたくいただき、良い香りに包まれながら次のディスクへ。




ベヴァリー・ケニーの声は艶めかしい。
いやミニコンポで聴いてもそうなのだが、ただでさえ美人の女っぷりが二段も三段も上がった感じ。


と、ここで広瀬さんがおもむろに立ち上がり、ディスクを回収。
「こんな程度ではないはず・・・」 と仰ってディクスの掃除を始めた。
純水で記録面のみならず、レーベル面も丁寧にクリーニング。
「レーベル側をキレイにするのが大事なんです」とのこと。


再びセットされたベヴァリーの声はより艶やかで若返った感じ。
へぇ~これまた目から鱗。
ホコリがつけばフゥ~ッと吹くが、アナログレコードよりクリーニングに気を使っていたとは言い難い。
クオリティの高いシステムだとそこまで差が分かるのだなぁ。




気がつけばもう約束の 1 時間が経過しようとしている。




これも大好きなアルバム増尾好秋(g)の GOOD MORNING からタイトルチューンを聴く。
アコギのイントロの後、コーン!! と鳴るハーモニックスの響きが美し過ぎる。
聴いてる人間の身体じゅうに染み渡る感じがする。


エレピが弾いたテーマをギターで再現するところが好き。歪んでいるけど美しい。
重量感あるリズム隊の音も素晴らしく鳴っている。
ミニコンポではうるさくなり過ぎる場合もあるハイハットやシンバルの音もすんなり聴こえる。
ヴォリュームはかなり上げているのだが。


ラストの Little Bit More では、絶妙な音色のギターとともにリムショットの音に感銘を受ける。
今までこんなに聴こえてこなかったな~
エンディングのキラキラ音まで堪能した。あらためてイイ曲だわ、これは。









三つの器械・・・いや楽器が協力しあって素晴らしい音を聞かせてもらった。
価格的には普及帯ということになろうが、充分過ぎる高音質。


ベルドライブのプレイヤーにはその所作も含めて惚れてしまった。
そして元々ブックシェルフのスピーカー好きなので音の出口にも好感。


デスク上のシステムも充分に高音質だったが、やはり こちらを聴くんじゃなかった・・・ との感想になるのは仕方あるまい。
ま、慰めとしては、自宅では絶対にこの音量では聴けないということかな。はぁ~


すでに 1 時間半経過。
予約試聴は 1 時間とのことだったのでそろそろお暇を言うと、広瀬さんは一枚の CD を取り出した。
「この後の予約はないのでリファレンスにしているディスクを聴いていってください」と。


中国で録音され手間暇をかけてレコーディングエンジニアが仕上げたその盤。
民族音楽というのか地域の楽器と素晴らしい女性の声。


ものすごく優秀な録音で、ダイナミックレンジは広大。
某オーディオフェアではこのディスクでのデモばっかりだったとか。


今までで聴いてきたシステムの優秀さを更に高い次元で再確認す。
ホントに降伏です(笑)








ここで仕事で山手線沿線を移動中の F 嫁から電話が入る。
秋葉原でランチの約束をして電話を切る。


「奥様は嫌な予感がしたのでしょうね(笑)」 と広瀬さん。








予想外に3回にも渡ってしまった出戻りオーディオレポ。
高級外車が買えるほど金をかけなくとも、良い音には巡り合えるということが分かった。
そしてなにがしかのこだわりを持った製品たち。


メインシステムは非常に魅力的だが、現実問題としてはデスクトップシステム(笑)が中心になろう。
シャッツ・グレーバーのアンプ、タンジェントのスピーカー、そして CD プレイヤーを何か。


う~んここでベルトドライブを持ってきたい。あまりのアンバランスに笑えるだろうが…ね。
いずれにしても情報を集めつつ、もうしばらく考えよう。


時間を延長してしまったが、たいへん楽しく有意義な時間だった。
広瀬さん、ありがとうございました。





     後日、F 嫁とともに再訪














この後、アキバまでテクテク歩いて F 嫁と合流。ヨドの上で洋食を食べた。



11-22mm F2.8-3.5



神田グリルの「目玉焼きを添えたハンバーグランチ L (240g)」。もちろんポテトのヴァターは抜きだ(爆)
試聴でエネルギーを使って空腹だったことを差し引いてもたいへん美味しかった。








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10 コメント

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また~ (kpfw)
2009-04-12 12:59:17
また危険なものを書いちゃって
BOSE M3で満足してたのに・・・
返信する
ありがとうございます (macdin)
2009-04-12 19:16:04
広瀬勝治です 素晴らしいレポートをまとめられて、掲載していただき、まことに恐縮です。こんなにも音楽に対して、造詣の深い方だとも思わず、今更ながら、冷や汗三斗の思いです。

ありがとうございました。

ところで、こちらの F さんのブログを、当店のHPにリンクさせていただくわけに行きませんでしょうか。

私が、前のめりになって、いくらHP上で、語っても、なかなか信じていただけないのですが、第三者である F さんのレポートであれば、だいぶ信用していただけると思うのですが、いかがでしょうか。

どうか、ご賢察の上、ご許可願えれば、幸いです。

広瀬
返信する
行きたくなってくるのが・・・w (AP1-F22C)
2009-04-12 23:12:14
長いレポートお疲れ様でした!
メインシステムは正直マンション住まいには厳しいものがありますよね・・・上はともかく下を出すと一発で苦情が来るのは目に見えてますし・・・
しかも聞く時間帯も若干夜寄りになるとなるともうもう(涙

でもデスクシステムという枠の中で音を探っていく・・・というのもまたオツなものかと思ったりも。
自分もまだまだオーディオを始めたばかりですし、是非今度東京に出かけるときは(GWかな?)必ず行ってみたいと思います!
返信する
眼毒耳毒 2 (hirorin330)
2009-04-13 19:15:23
ちょっと安心しました。
やはり、私なんかのかかわれる世界ではない、と。

ベルトドライブに悶絶し、
300gのスタビライザーに失神です。

神戸松蔭のマルクガルニエオルガンは、
弾かせていただいたことがあります。
現代の名器ですね。
返信する
すみません (F)
2009-04-13 20:08:24
kpfwさん、こんばんわ。


いや~たった1時間半の出来事を3回に分けて書いてるようじゃ、シャーマンが進まんわけです(笑)
オーディオ界は危険がいっぱいですが、こちらは比較的安全圏です。
F 嫁に言わせれば何処も同じ・・でしょうが
返信する
お世話になりました (F)
2009-04-13 20:16:32
macdinさん、こんばんわ。


先日はたいへんお世話になりました。
久しぶりに良い音に包まれて楽しかったです。

リンクの件ですが、こんな記事でかえって恐縮です。
出戻り初心者の雑感ということでよろしければ、どうぞリンクしてください。
でも心配だなぁ・・・マニアの方々に読まれたら(笑)

頭の中は様々な組み合わせが渦巻いています。
今しばらく検討の時間をいただきたいと思います。
コメントありがとうございました

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Unknown (F)
2009-04-13 20:21:28
AP1-F22Cくん、こんばんわ。


そうなんだよね。
マンション住まいは常にその問題がつきまといますな。
オーディオが金食い虫なのは、凝りだすと部屋や家の問題になるからだよね。

ウチの場合、置き場所が決まっているのでコンパクトにまとめなくてはならないのです。
まぁデスクトップシステムなら間違いないのだけど・・・
嗚呼、また悪い考えが頭に

こちらのメインシステムは一聴の価値あり。
GWは秋葉原オーディオめぐりでもしますか!!
DAにも連れてってください~



返信する
流石です (F)
2009-04-13 20:38:51
hirorinさん、再びありがとうございます。


一度送ったコメントが外から削除修正できないのは goo blog 最大の欠点です。
いつもご迷惑をおかけしております


さてベルトドライブですが・・・これ最高なんですよ。
もちろん動作としての面白さもあるんですが、デジタル臭くない音といいましょうか。
ぜひどこかで聴いてほしいものです。
私はかなり惚れました(予算オーバーも甚だしいですが)

レコーディングデータを見ながら適当に書きましたが、まさか現地でそれも備え付けのオルガンを弾かれた事があるとは・・・
BCJが録音場所に選ぶくらいですから、素晴らしいチャペルでしょうね。
こちらも訪ねてみたい所に登録です(笑)

返信する
Dark side・・・ (PAISUKE)
2009-04-13 21:46:34
Fさん
オーデイオ3連発拝見しました。普段はPC用のスピーカーにIpodを繋げている身(しかももうちょっとなんとかならんのか?と思っている身)として興味深いですねー。ハイエンド・・・カメラでも、XXX万円でコレかよ?と思うと堕ちませんが、さすがxxx万円!やっぱり違うワ!と思うと・・・いつかはソコに逝ってしまう悪寒がしませんか?
返信する
危険・・ですね (F)
2009-04-13 23:46:38
PAISUKEさん、こんばんわ。


いやダラダラ長くてお恥ずかしいです・・
今回紹介していないものの、こちらのお店はCDやアナログレコードにこだわるばかりではなく、
iPodなどのシリコンオーディオ音源を美しく再生するシステムもあります。それもなんと真空管で・・
私はポータブルオーディオは使用していないのですが、デザインも美しいし面白い製品だなと思いました。

ハイエンド・・・
クルマでいえばポルシェだのフェラーリだのと同列と考えますのでまったく無縁ですが、
せっせと宝くじを買っているのもまた事実です(爆)

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