F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

Living Music 再訪

2009年06月03日 | Audio

F log





何でもエイヤッ!! と思い切りのよい F 嫁。
CD トレイが不調なるもなんとか聴くことは出来ていた SONY 製ミニコンポを家電製品回収業者に持って行かせた。


そうなるといわゆるリビングでは音楽が聴けなくなってしまう。
前回訪問以来 棚上げとなっていた我が家のオーディオ問題が再びクローズアップされる時が来た。





天気の良い火曜日。
久しぶりに休みのタイミングが合い、F & F 嫁は揃って秋葉原駅に降り立った。
そこから歩いて 7~8 分。千代田区岩本町に再びやって来た。


Living Music


予約の 13 時少し前に到着。
代表の広瀬さんに挨拶して F 嫁を紹介。
F 嫁はオーディオショップらしからぬ自然な佇まいに興味津々。
さっそく正面のソファーに腰を下ろす。




本日持参の CD は・・・

  ○ K.リヒター / MBO 「バッハ管弦楽組曲」 Archiv
  ○ 鈴木雅明 / BCJ 「バッハロ短調ミサ曲」 BIS
  ○ H.グリモー(p)・V.ユロフスキ / SD 「ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第5番 」 DG
  ○ パット・モラン・トリオ 「ディス イズ パット・モラン」 AF
  ○ シヴィル・シェパード(vo) 「マッド アバウト ザ ボーイ」 LDC
  ○ 増尾好秋(g) 「グッド モーニング」 EB
  ○ 菊池祐介(p) 「バッハ トランスクリプションズ フォー ピアノ」 DENON

微妙に前回と被るものあり、新たな録音ありである。





目的のひとつは前回叶わなかった tangent の Evo-MHT をメインのシステムで聴くことである。
-MHT とは 「ミューズハート·チューニング」 の略であり、このショップ独自のチューニングを施してあるということ。
電気的な改造ではなく、アコースティックなチューニングだという。

 








D SUMMILUX 25mm F1.4



出口である tangent の Evo はこれがほとんど実物大であるほどコンパクトな密閉 2 ウェイだ。
ウーハーは 10 cm コーン、ツイーターは 2.5cm のソフトドームである。
スペース的にも予算的にも非常に我が家向きなスピーカーだ(笑)










D SUMMILUX 25mm F1.4



入口は大好きな CEC のベルトドライブ CD プレイヤー TL51XR-MHT である。
前回も書いたがトップローディングで CD をセットした後、スタビライザーを乗せるというアナログライクな行為がたまらん。
ベルトドライブでありながら、音楽の立ち上がりスピードなど通常の DD と遜色ない。
ただ停止ボタンを押して回転が止まるまでは少々間がある。
もっともトレイタイプのプレイヤーならイジェクトラグがあるのでトータルな時間は同じであろう。


このふたつを秘密のアンプで鳴らしてもらう。









Evo は好きなスピーカーなので、自然とかばう行為になったのかもしれない。
聴いたのは女性ヴォーカル、ピアノ・トリオ、ソロ・ピアノなど小編成中心。
シヴィル・シェパードの声は艶めかしいし、菊池祐介のシチリアーノも優しく響く。


しかし・・・


ウッドベースのリファレンスとして聴く、パット・モラン・トリオのスコット・ラファロ。
彼の超絶ランニングベースがアタック音を除いて極細なのはウーハーの口径上やむを得ないか。


ここで意を決してグリモー (イザベル・アジャーニ以来、好きになった二人目のフランス人女性だ) の 「皇帝」 にスタビライザーを乗せる。
聴くのはもちろん冒頭トゥッティだ。





・・・いや、サイズにしては頑張っている。
と、定番のモノ言いになってしまうが、やはり大編成オケはつらい。
そしてグリモーの左手も「捻挫してるのか?」と思わせるほど弱い。


Evo は良いスピーカーだと思うが、その Evo を置く台になっている MUSEHEART S-2C-GSX を聴きたくてしょうがなくなる。









11-22mm F2.8-3.5



MUSEHEART S-2C-GSX (再掲)


高さ 30cm 弱。ウーハー 14cm、2.8cm ソフトドームツイーターのリアバスレフ。
典型的な小型ブックシェルフだが、重量は一本 9kg とずっしり。


CDP、AMP はそのまま、音の出口だけを S-2C-GSX に変更してもらう。
Living Music は普通のオーディオショップのような配線切換器は使用していない。
機材を変えるにはその都度取り外し再結線するのだ。





オーディオ機器はすべて「楽器」だと広瀬さんは仰る。
木製のキャビネットで物理的にもいちばん楽器に近く、さらに音の出口であるスピーカーを変えた効果はまさに 劇的




ドレスデン・シュターツカペレの総奏が激しく心を揺さぶる。
そして体重を乗せて奏でるグリモーの左手が凄まじい。
ピアノが目の前で弾かれているようにコロコロと粒立つ。
ピアノは弦楽器であり、打楽器なのだ・・・ということが体感として分かる。


う~ん、いいな。困ったことに(笑)


ピアノついでに菊池祐介のバッハを。
先程は封印していたパルティータ第 2 番から、ベタな短調野郎である F が好きなのはもちろんシャコンヌ (ブゾーニ編) 。


さいたま芸術劇場音楽ホールの残響が美しい。
ピアニッシモは限りなく繊細。
2 分半過ぎからの細かく刻む左手がキレイに分解する。
トゥッティの音圧も凄い。
30 の変奏すべてを聴きたくなるが、時間の関係もあり次に行く。






前回感激した鈴木雅明 / BCJ のロ短調ミサ。
これは聴きなれた F 嫁にもよく分かるだろう。
最初の Kyrie が鳴ってふたりともオオッと乗り出したのだが、広瀬さんはすかさず曲を止め例のクリーニング作業に入る。


帯電している CD を魔法の水(笑)でクリーニングするのだ。
レーベル面も行うのがミソ。
ほとんどが純水で残り数パーセントがチチンプイプイらしい。


そしてキレイになった CD を再びセットし、小編成の合唱と古楽のオケが Kyrie を奏でた瞬間 F 嫁ビックリ。
単純に言えば、ソプラノが縦に伸びた?? 明らかに音の純度が上がる。
清掃前に聴いた音も良いと思ったが、後ではひとつひとつの音が美しくなるのだ。


F は以前の経験があってニヤリ・・で済んだが、F 嫁はかなり驚いた様子。
BCJ の透明度が高い演奏は、これくらいキレイなディスクで聴きたいよねぇ。
( ってかちゃんとディスクをクリーニングしろって話 )










D SUMMILUX 25mm F1.4



S-2C-GSX が鳴らす美音に身を乗り出して聴き入る F 嫁。


おっとテーブルの上には広瀬さんが淹れてくれたコーヒーが。
トップ写真にあるようにこちらのコーヒー、下手な喫茶店より美味しい。
緊張しいの F 嫁が友人の家を訪ねたようにリラックスできたのはそのせいもあろう。




再び聴いた シヴィル・シェパード もひと味もふた味も違う。
P の発音で上下の唇が離れる瞬間の音が快楽。


いやしかし、I Can't Get Started のヴァースの美しさといったらどうだ。
つづくスタン・ゲッツのハスキーな音。
しかし高音部ではシェパードの声と重なり艶っぽくなる。それは・・・
I'm Falling in Love Again で長く伸ばした声にヴィブラートがかかる瞬間、ゲッツのサックスが同時に鳴るところで顕著。
ゾクゾクゾク。


このアルバム、Cybill Getz Better とタイトル名を変えて CD 化されている。
絶対のオススメ。







あちこちに脱線してなかなか話が進まないが、要するにイイ物を聴いてしまったら戻れないということ
CDP はオーバークォリティ覚悟でベルドライブと心中するつもり(笑)だったが、音の出口といういちばん分かりやすいところで
たいへんな事態に・・・


こうなるとなんだか F が計画的に罠に嵌めたようだが、そんなことはない・・・たぶん
もちろん耳の良い F 嫁のことだから S-2C-GSX の素晴らしさはよく分かっていると思うが、なんといっても予算あっての話。


おそらく予算委員会は紛糾し、翌日にまたがるのではないか。ガクガクブルブル






毎回そうなのだがここに来て自分の好きな音楽を次から次へと聴いていると、時間の経つのを忘れる。
この日も気づけば 1 時間半を超えていた。


やはり良い音と暮らすのは素晴らしい。
そう思わせる Living Music 再訪だった。













この後、F & F 嫁は秋葉原駅方向へと歩いて向かった。
もう二週間で無くなってしまう老舗へ最後のリラックスをしに・・・である。



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12 コメント

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もしかして? (AP1)
2009-06-03 00:27:07
最後に向かわれたのは古炉奈でしょうか?w

それにしてもliving musicさんは行ってみたいです><
まぁ現在のシステムに大きな文句があるわけじゃぁないんですが・・・
というよりクラシックよりR&BやRock、はたまたtranceなどを聞くことが多いんですが、持参するCDがその系統でもだいじょうぶなのでしょーか(笑)
返信する
正解 ( F)
2009-06-04 07:51:05
AP1くん、おはよう!


この S-2C-GSX という SP ですが、やはり得意なのはアコースティック系だと思います。
同じくらいのサイズで S-1 シリーズがありますが、ポピュラーなどはそちらの方が相性が良いかも。
S-1 は試聴していないので確証はありませんが・・・

持参の CD はなんでも大丈夫ですよ。
機会があれば予約の上、訪ねてみてください。
日曜、月曜定休です。



バレたか・・・ 次の記事で up します。
返信する
私もお世話になっています。 (pipi)
2009-06-21 21:01:09

私もliving musicさんにはお世話になっています。
広瀬様にチューニングして頂いた日野市のAです。
若い頃少しオーディオに凝りました。それから約40年ご無沙汰で、還暦を過ぎてからまた興味を持ちだし
オーディオの本を買いに行きびっくりしました。
FSKのケーブルを探していたら、living musicさんに出会いました。早速店を訪ねてみると、広瀬さん、渡辺さんがいらっしゃいました。オーディオは金をかけなくともいい音が出ることを教えて頂き、我が家のオーディオを早速チューニングして頂きました。
本当にいい音になりました。living musicさんには本当に感謝しています。CD→アンプ→スピーカーで聴くよりも、ハードディスクにCopyしてから聞いた方が
いい音が出るということも知りました。現在はパソコンから飛ばして聞いています。最近のオーディオ雑誌の通り購入していたら金がいくらあってもたりません。でも講談社から「大人のための新オーディオ鑑賞術」という本がでました。living musicの広瀬さん、渡辺さんが言うことと同じようなことが書いてありました。
返信する
ありがとうございます (F)
2009-06-21 23:28:19
pipiさん、こんばんは。


コメントいただきありがとうございます。
(勝手ながら若干加工させていただきました)

私も数十年のブランクから復帰しようとしています。
当時からハイエンドには縁も所縁もなかったですが、今も変わりません(笑)
Living Musicさんのコンセプトには共感するところが多いです。

pipiさんのMHT出張記も興味深く拝見しました。
私はこの夏を目標に最低限のシステム導入を考えています。
(PC Audio はまた次の課題とします)
講談社の本、ぜひ読んでみたいです


返信する
明日living musicに行きます。 (pipi)
2009-06-22 22:44:23
明日(23日)また仕事で秋葉原に行く予定がありますので、広瀬さんと話をしてくるつもりです。いろいろ
教えて頂いています。
音楽も土曜、日曜以外は時間がなく平日はあまり聴きません。でも聴く以上いい音で聴きたいものです。
 living musicでカリンニコフのCDを持って試聴させて頂いたときの感動は今でも鮮明に覚えています。我がスピーカーは、チューニングのおかげでいい音に成りつつあります。また、PCから流れる音楽もいい音を奏でてくれています。本当にliving musicさんに
出会えて良かったと思います。
これからも時々投稿させて頂きますのでよろしくお願い致します。
pipi
返信する
カリンニコフ (F)
2009-06-23 08:12:15
pipiさん、おはようございます。


私もなかなか落ち着いて聴く時間が無いのが悩みです。
いちばん音楽を聴いているのは通勤のクルマだったりします

カリンニコフ、私も大好きです!!
特に第一交響曲はかなりツボで、一時期ヤルヴィ/ RSNO の録音を聴きまくってました。
あのSPはオケを堂々と鳴らすのに驚かされます。
代表によろしくお伝えください。
私も来月あたりお世話になる予定です

Audio 関連の話題はあまり多くないとは思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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Unknown (pipi)
2009-06-23 23:22:41
今日living musicに行き持参したカリンニコフ交響曲第一番の一楽章を聴きました。今は持っているCDを
懸命になってハードディスクにインストールしています。アイチューンも良いですが、いまいちです。
ご紹介した本に載っていたソフトを試してみます。
しかしFさんは多趣味ですね。写真、プラモデル、
バレイ、食通、音楽鑑賞、絵画の鑑賞。
うらやましい限りです。私も静の部分では音楽鑑賞、動の部分で写真をやってみたいと思っていますがどうなることやら。家内に内緒でカメラを買いたいと思っていますがすぐばれるので、やるなら慎重に事を運びたいと考えています。
話は変わりますがFさんが話していた魔法の水living musicで本日手に入れました。使ってみると
クリヤーな音が出ます。私が購入者第一号なそうです。
これからもこのサイトに訪問しますので宜しく。
pipi
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ありがとうございます (F)
2009-06-24 06:44:48
pipiさん、おはようございます。


LMで楽しまれたようでよかったですね。
魔法の水、販売になったのですね。
私も使ってみたいです。

ウチはシステム設置予定場所とPC部屋が離れているので(豪邸じゃありませんが)、
PC Audio には工夫が必要です。
次のステップとして諸先輩方を参考にさせていただきますね。


多趣味であるとは思いますが、そのどれもが中途半端であるとも自覚してます(笑)
写真も特に奥が深いので、永遠に修業中です。
新しいカメラですか・・・女性は鋭いのですぐにバレます
しかし奥様の理解を得られて、pipi さんの写真ライフが充実するようお祈りします。

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普通の音 (o)
2009-12-26 09:50:13
S-2C-GSXは私も使用しています。
実に普通の音です。
私はこの普通の音を出すのに数百万円の投資をしました。

オーディオ趣味復活でこれを選んだのは素晴らしいセンスですね。
返信する
偶然の出会い (F)
2009-12-27 08:01:11
oさん、おはようございます。


コメントいただき、ありがとうございます

当初は10万円オーディオという言葉に惹かれてLiving Musicに伺ったのです。
2ウェイの小型SPが好きだったこともあり、S-2C-GSXは一聴にしてやられました。
半年近く経った今でも惚れ込んでいます。
oさんが仰るように、久しぶりのオーディオにおいて、このSPに出会えたことは幸せでした。
末長く大切にしたいと思います。

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