F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

Living Music part 2

2009年04月11日 | Audio
 
F log





part 1 より続く





約束の 11 時少し前に Living Music のドアを開ける。
HP トップにもお写真が載っている代表の広瀬勝治さんがにこやかに迎えてくれる。


ドアを入るとすぐに事務机。そして左奥に写真で見たリスニングルームが広がる。
量販店のようにスピーカーが鈴生りはなっていず、すっきりとした空間である。
そういえば多数の機材を切り替えるスイッチ BOX は無く、交換の際には配線し直すそうだ。


愛聴しているソフトを・・・と言われ、調子に乗って持ち込んだのは CD 9 タイトル 10 枚。




  ○ J.E.ガーディナー / EBS 「バッハ管弦楽組曲第2番・第3番」 ERATO
  ○ 鈴木雅明 / BCJ 「バッハロ短調ミサ曲」 BIS
  ○ R.ノリントン / SWR 「シューマン交響曲第2番・第4番」 hanssler
  ○ 江藤勝己(p) 「バレエレッスン CD ドン・キホーテ 2 」 IM
  ○ パット・モラントリオ 「ディス イズ パット・モラン」 AF
  ○ ベヴァリー・ケニー(vo) 「ライク イエスタデイ」 DECCA
  ○ シヴィル・シェパード(vo) 「マッド アバウト ザ ボーイ」 LDC
  ○ 増尾好秋(g) 「グッド モーニング」 EB
  ○ アラン・パーソンズ プロジェクト 「アイ イン ザ スカイ」 BMG






クラシックとジャズ、女性ヴォーカル、ポピュラーまでひと通り。
広瀬さんと自身のオーディオ的バックグラウンドなどお話ししつつ、荷物をソファーに置く。
小さめのカメラバッグには桜を撮った ZD 11-22mm F2.8-3.5 を装着した E-3 のみ。
残りのスペースに CD を詰め込んできたのだ。


最も興味のあった 10 万円台システムについて尋ねる。
「 じゃあ、まずこれで聴いてください 」 と広瀬さん。









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トップ写真のメインシステムから見て右手前の壁に普通のパソコン机。
ディスプレイの横に小型のスピーカー。
右側に横起きされたデスクトップ PC 。そしてその上に見慣れぬ機械ふたつ。





促され半信半疑のまま CD ソフトを選ぶ。まずはガーディナーの「管弦楽組曲」から。
いちばん上の頼りなくも薄いのはなんと DVD プレイヤーだった。
それも超廉価版 だって価格.com の最安値は 3,000 円だ。
なぜ DVD プレイヤーなのかは分からない。


そしてパソコンと間に挟まれているお弁当箱のようなのがアンプらしい。
オレンジのパイロットランプ。隣に電源スイッチ。そしてヴォリュームコントロール。それですべて。
あ、あの~入力切り替えは??? 1 系統のみ? なるほど。
大丈夫か? このプリアンプ・・・・・ え? これプリメインですか??? へぇ~







手作り感あふれる筐体、スイッチ回り。
シャッツ・グレーバー というメーカーらしい。価格はリンク先をご覧あれ。


唯一メジャーなのはタンジェントのスピーカー EVO
ウーハー 10 cm の小型スピーカー。なんとこのクラスでは珍しく密閉型だ。
こちらもペアで 40,000 円程度。


つまり CDP AMP SP で10万円台どころか大きく割り込んでいる。


半信半疑で超薄いトレイに CD を載せ DVD プレイヤーのリモコンでスタートさせる。
長めのタイムラグ後、流れてきたバッハの管弦楽組曲第 2 番の序曲には心底驚いた。


良い音なのだ。


いや四半世紀以上のブランクがある耳があてになるかどうかは別として、その再生音には感心した。
明らかにミニコンポとは一線も二線も画す音だ。
EBS の各楽器が鮮やかに分離し、フラウト・トラベルソの臨場感たるや尋常ではない。
フーガに入っても複雑な音の絡み合いが手に取るように分かる。


広瀬さんは驚く F を横でニコニコと見ている。
う~ん、ホントにこのシステムで鳴っているのかまだ信じられん。


それならばとパット・モラントリオ(1956)を取り出す。
曲はもちろん “I Could Have Danced All Night” である。
ゆったりと始まるイントロは三拍子。
モランのピアノ、そして名手スコット・ラファロがアルコで弾く伴奏。
そして突然演奏は超快速に突っ走る。
右チャンネルから鳴るラファロのランニングベースが聴きたいのだ。


あらら、これもいいなぁ~


当然 SP サイズなりの制約はあるが、終わりがないかのように繰り出されるベース音の洪水を破綻なく鳴らしていく。
いやリスニングポジションが近いため、音圧を感じられると言ってもいい。
ウーハーのコーンは盛大に前後している。


確信を得るために隠し玉を繰り出す。
バレエレッスン CD ドン・キホーテ 2 から、28.グラン・ワルツ である。
レッスンの伴奏としてのピアノを収録した CD 。音楽として聴く目的で作られたものではないが愛聴盤である。
江藤勝己氏の熱い演奏、低域に比重を置いた録音。
たとえばクルマのオーディオではうっかりすると低音が割れる。これを再生させてもらうと・・・


参りました。


サイズを忘れるとは言わないが、やはりピアノの低音部がしっかりと鳴っている。
ウチのリビング環境を考えると、これで充分過ぎると思わせる。


これはベヴァリー・ケニーの “I Had The Craziest Dream” で、彼女の可憐な声が目の前で像を結んだ事でダメ押し。


惚れました、このアンプ。


聞けばエンジニアの方が非常にこだわってひとつひとつ造ってらっしゃるとのこと。
スピーカーも見事な鳴りっぷり。このお店独自のチューニングがされているらしい。


さすがにオケはあかんだろうとトライしたノリントンのシューマン交響曲第 2 番。
第 4 楽章終盤の木管が第 1 楽章の主題をトゥッティで再現する箇所。
いいね。好きな音である。木管のメンツが目の前に並んでいるような臨場感。
さすがにスケール感はないが。


ただディスプレイが無くレスポンスの悪いディスクプレイヤーは、楽章が長いクラシックではたいへん困る。
ここだけはこのシステムの不満な点。




ここで広瀬さんから大艦巨砲主義に陥っているオーディオ界についてレクチャーを受ける。
ベストバイのトップが 1,000,000円 では若者はついてこられない。
安くともよい音を鳴らすことは出来る、とのコンセプト。


安価な DVD プレイヤーはデモの側面もあるだろうが、実際に良い音を確認してしまったので・・・
CD プレイヤーに数万円を費やしても、トータル 15 万程度で収まる。
ハイエンドのミニコンポ(笑)と同等である。


広瀬さんのお話は目と耳から鱗が落ちまくる興味深いものだった。
気がつけば 30 分をとうに過ぎている。
まだまだ聴きたいソフトばかりだが・・・広瀬さんから、



「せっかくですからこっち (メインのシステム) も聴いてみますか?」



という悪魔の誘い(笑) さぁどうなる、どうなる、どうなる?






という訳で、part 3 へ ( いいかげんシャーマン作れよな~ )







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2 コメント

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眼毒耳毒 (hirorin330)
2009-04-13 18:53:55
ああ、責めないでください。

若いころは、
サンスイにデンオンにKEFにナカミチに・・・。

もう、忘れてしまった世界のはずだったのに。
Fさんったら、酷い。




20年愛用のBOSEが、引退したがっているのです。
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小さな巨人 (F)
2009-04-13 20:26:05
hirorinさん、こんばんわ。


もう幾人にも恨まれてます。寝た子を起こすなと

ナカミチのデッキに憧れた中坊時代が懐かしいです。
hirorinさんのアナログディスクコレクションも一度拝見してみたいものです。

20年、それも愛用と表現できれば元は取ったということですね(悪魔)


返信する

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