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F & F嫁の “FFree World”

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K-Ballet 「白鳥の湖」 オディール・デビュー前編

2008年05月16日 | Ballet

F log


東京文化会館に K-Ballrt の 「 白鳥の湖 」 を F 嫁と観に行った。
今回の白鳥は、今までの K-Ballet の演出とは違い、オデット/オディールをひとりのダンサーが踊る
一般的な形だそうだ。今まではゲストプリンシパルの中村祥子さんが例外的にひとりで踊った。

この夜の主役はもちろん、浅川紫織ちゃん
F & F 嫁ともに昔から密かに応援している。
以前に松岡さんと組んでオデットの経験はあるので、今回初オディールということになる。
ふた役の踊り分けが楽しみだ。


と思ったら何故か 16 日の東京と、20 日の鹿児島だけは再び分離させることに変更。
それぞれのダンサーは別の日程で通して踊るので、怪我ということではないだろうが・・・
演出の二重化は混乱を招かないだろうか心配である。




さてふたりとも仕事を終えて文化会館で待ち合わせ。
ここのところずっと 5 月にしては気温が低く、とくに夜は上着が欲しくなる気温だ。
上野公園内の緑も・・・・・・・





って、ちっとも話が進みませんがな





いや、今回はあるプレッシャーの中で書くことになったのだ。
いつもならタイトルも 「 紫織ちゃん、祝オディール・デビュー!! やったね!! 」 くらいは書くところ(笑)
その理由は後編で・・・・・









14 列と久しぶりの平地。
8 倍の双眼鏡だと人間の背丈ぴったり。ただアン・オーすると手が見切れる。
1 階は壁際両サイドを除きほぼ満席。しかし 3 階以上はかなり空席が目立つ。
C/P から考えても、K-Ballet 初体験にはもってこいの舞台なんだけどな。もったいない。




第 1 幕


恒例のようにオケが、オケが、と某掲示板。
指揮はウチが勝手に名付けた、福田 “ モンチッチ ” 一雄先生。
福田先生はバレエ伴奏のスペシャリストで、先生の日は大丈夫との説もあり期待。
短い序奏が終わり、いよいよ幕が開く。


緞帳が上がった瞬間、K-Ballet の色彩世界に連れて行かれる。
あいかわらず壮麗だ。
ここで目を引くのはもちろん上手から下手へ大きくジュッテする王子の友人ベンノである。
以前にも書いたが、K-Ballet 版は道化が存在しないので、ベンノの出来が 1 幕を左右する。
王子はそもそもほとんど踊らないしね。


ベンノ役のビャンバ・バットボルトさんは長い手足を充分に使った端正な踊り。
しかしながらジャンプして着地したとき、軸でない足が乱れる場面が多々あり少し気になる。
K のベンノを初めて観たのは橋本直樹君だったな。あの溌剌とした踊りが今でも忘れられない。
先日、軽めの役で白鳥の舞台に復帰したようだが、療養経過は順調だろうか。


主役のひとり、ジークフリード王子の清水健太さん登場。
彼の王子のイメージは、とにかく生真面目。
高貴な身分に生まれた邪心の無い王子を自然に演じる。
1 幕最初はワルツの一部しか踊らず、好不調は分からない。


1 幕のワルツといえば、白鳥の湖の中でもとくに大好きな曲だが、昨今様々な公演では
無残にカットされきた。
K-Ballet はフルバージョンではないものの、F の大好きな展開部を残してあるので好印象。
そこは弦の素晴らしい旋律に乗ってジークフリード王子がソロで踊る場面。
脚を90度に蹴り上げてジャンプしながら回転。
うむむ、ちょっと緊張気味なのかな?
第 1 幕終了直前に、空を舞う白鳥を見つけて狩りに行くことを決断する件の演技は絶品だった。


家庭教師のデイビット・スケルトンさんもお馴染みの踊り。
もちろん長いキャリアに裏打ちされた見事な踊りと最後の決めポーズだが、この旋律が流れると、
どうしてもマリインスキーの道化、アンドレイ・イワーノフの超絶回転を思い出してしまう。
腕にフラップをつけたらタケコプターの様に舞い上がるだろうと思われるスピード。
興味のある方は、ロパ様の白鳥 DVD をご覧いただきたい。


おっと話がズレた。
不動の王妃、天野さんを迎えて滞りなく進む舞台だが、1 幕最大の問題はパ・ド・トロワだろう。
唯一の男性は荒井英之さんだったが、彼は不調だったのか精彩を欠いていた。
アントルラッセの繰り返しで 3 回目、4 回目では明らかに高度が落ちたし、サポートもいまひとつ
不安を感じさせるものだった。
当初 8 月 3 日の 「 海賊 」 ( 紫織ちゃんのメドーラ・デビューなので当然観る予定 ) で、
アリにキャスティングされたが、どういう理由か変更になってしまった。
初々しいアリを観られると楽しみにしていたのに残念。
また一層の精進を期待したい。


ここで F 嫁がアッパー貴族の中に輪島拓也さんと宮尾俊太郎君を発見。
余談だが、どうして他は「さん」づけなのに、橋本君と宮尾君だけ「君」なのだろう。
自分で書いていてよく分からないが、なんとなくそれがしっくりくるのだ。
失礼な話であり、まさに余談。


宮尾君は長い腕と大きな手(コレ、すごく重要)を生かし、ゆったりと演じる。
意外にもなかなかの存在感。以外にもは更に失礼か。いやホントにいいよ。
輪島さんも含め、長身の男性が核になると締まるね。


またまた長くなり過ぎなので、端折って次から次へ。





第 2 幕


さて湖に場面は移って第 2 幕。
もちろん紫織ちゃんのオデットもだが、遅沢さんのロットバルトが楽しみ。
そしてロットバルト登場のシーンだが、ここは全体的に照明が暗く、身体にまとわりつくマントを
着用しているので、踊りもそうだが誰なのかすらよく分からない。
不気味さの演出だろうが、もう少し照明を考えてもよいのではないか。
遅沢さんはその長身を生かしたダイナミックな踊りであるが、身を伏して腕を後に上げて
目をギョロつかせる迫力は、いまだキャシディはんに一日の長あり。


そしていよいよ紫織ちゃん@オデットの登場シーンである。
ここ、上手く伝わるかどうか分からないのだが、上手から登場するときに普段と違うような気がした。


つまり・・・


舞い降りてきた白鳥が人間の姿に変ったことに驚いた王子が下手に隠れ、誰もいなくなった舞台に
上手から静かにパ・ド・ブレで羽ばたきながら現れ、曲に合せて数歩トウで歩きジュッテもしくは
アラベスクしてポーズ、というのが一般的だと思う。
出の羽ばたきは白鳥、歩んで人間に変るというイメージだった。
K-Ballet の演出がどうだったか、白鳥の DVD は持っていないし過去の舞台でも忘れてしまったが、
紫織ちゃんは、最初から歩んで登場したのだ。


その瞬間は上手に双眼鏡のピントを合せて観ていたのだか、今だッ!! というタイミングで現れず、
アレ? と双眼鏡を外したらもう歩んでいた。
うむむ、オーチャードではどうだったかなぁ。自分の不甲斐ない記憶が恨めしい。


とにもかくにも王子の前に現れた紫織ちゃん@オデット。
どうしたことか、この夜はとっても緊張しているように見えた。
同じ清水さんと組んでオデットは経験済みだが、第 3 幕のオディールがプレッシャーとなっているのか。


素人目にもガチガチに見えたのがマイム。
例えば、私はとある国の王女で・・・・・・と手を立てて頭の上で 3 回動かすマイムがあるが、
チャッチャッチャとアクションが早い。音楽のテンポが速いせいか?
しかし見ず知らずの男性にいきなり出合った緊張を表現するのは良いが、観客に緊張を強いるのは・・・
音楽の流れには乗っているのに、王子との感情の交差が少ないような気がしてしまう。


とはいえアラベスクなどポーズは大きく決まり気持ちが良い。
ポーズの大きさって、表現し難いが同じダンサーが同じポーズをしても鍛練によって違うのだ。
ホントのトップダンサーになると、ただ佇んでいるだけでウットリさせるものだ。








第 2 幕最大の見せ場については、グラン・アダージョ評論家 F 嫁にバトンタッチしたい。
ではよろしく!!







  突然すみません。F嫁です。

  「よろしく」されてしまいましたが・・・・・
  私がグラン・アダージョに求めるものは「うっとりしたい」それだけです。
  美しい音楽がゆったりと流れる中、ゆったりと踊る二人。
  観客は夢うつつ。
  実際あまりの心地良さに寝てしまう方も。

  この情景は夢か幻か・・・
  と思う私の心をドキドキさせてくれるのは、踊り手の緩急。
  音楽に忠実ながらも、音をたっぷり使う部分と早目に取る部分を分ける・・・
  その動きでオデットが心を開いていく様が表現されるように思うのです。


  オーチャードでの浅川オデットはこの部分を表現していて、もちろん受けの清水ジークフリードも絶妙。
  見ている私はウルウルし感動の嵐でした。


  でも、今回は浅川オデットは絶えずインテンポ。悪くないのですが良くもない。
  双眼鏡で表情を見ると、彼女なりの表現したいオデット像を感じるのですが・・・


  緊張しているのだろうな・・・やはり三幕次第かしらん・・・

  浅川オデットと清水ジークフリード、とても美しい二人なので、次回の「白鳥の湖」の
  グラン・アダージオに期待します







・・・って、おいっ!! オレの立場は・・・
 

まぁ F の何倍もグラン・アダージョを観ている F 嫁が言うのだから、ウチ的基準ではそうなのだろう。
しかし・・・
確かに体力的にはキツそうに見えた。
しかし事実上の白鳥全幕デビューだからといって、このままで終わる紫織ちゃんではないはず。

25分の休憩を挟んで、次は第 3 幕、第 4 幕である。黒い紫織ちゃんがもうすぐ観られる。ワクワク






K-Ballet 「白鳥の湖」 オディール・デビュー後編 につづく。




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4 コメント

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いや~ん♪ (yol)
2008-05-17 00:33:29
本当に!!!!

夫婦揃ってこの小出しにするという、このやり方は一体何なんですか!?

早くどうだったのか知りたいです。
早く早く早く~っ

私も今晩行ってきたばかりですが、昨夜からクリックを続けてレポのUPをお待ちしてます

(自分はなかなかUPしないくせにね
返信する
レポだ♪レポ~☆ (都魅恵)
2008-05-17 02:18:22
レポ読まさせていただきました☆
ありがとーございますm(_ _)m

…ってか行きたかった。。(T^T)
仕事が……
「人いないから休まないで」の一言に……
職場にあるグラス……投げ割っちゃった。。^^;

それにしても、紫織さんのオディールデビュー観れたF夫婦様が、とてつもなく羨ましい…、、。(T^T)
イジイジ……__(_ _;)
レポ読んだら、もう戦闘モード突入だわ。。(^^ゞ
何がどうなってでも、来月は、ずぇったいに行くっ!!!!職場崩壊させてでも行くっ!!(をぃっ!/自爆)
返信する
これは失礼!! (F)
2008-05-17 21:42:47
yolさん、こんばんわ。


Madokakip師匠も①と②に分けてましたよねぇ。
あら、師匠は同時 up でしたっけ

いや~yolさんには申し訳ありませんが、楽しかったッス。
詳しくは後半に書いてあります。
6/18のオーチャードはマジで行こうかと考えてます。
いろいろな疑問点も解消したいし・・・

yolさんも16日はご覧になれて良かったです。
情念の詰まったレポお待ちしています(笑)




返信する
お先に失礼しました (F)
2008-05-17 21:48:12
都魅恵さん、こんばんわ。


お仕事では仕方ないですが残念でした。
我々も別々の仕事ですが、状況によっては急に行けなくなる可能性もありました。
無事に紫織ちゃんのオディールデビューを見守ることが出来て職場の方々には感謝しています。

都魅恵さんの当日の顛末を記されてブログも拝見しました。
ホントにがっかりで悔しくて・・・というお気持ちがビンビン伝わってきました。
来月こそは無事に観賞できますように
返信する

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