経済なんでも研究会

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錆びた 宝刀 : 政府の為替介入 (上)

2022-09-27 07:43:38 | 円相場
◇ 群がる投機筋をぶった切れるのか = 政府は先週22日の夕方、円買い・ドル売りの為替介入を断行した。FRBが政策金利の引き上げを決めたために日米間の金利差が拡大、円の対ドル相場が146円前後にまで下落したためである。為替介入は1998年以来24年ぶりのこと。市場では円相場が、すぐに5円ほど上昇した。鈴木財務相は「投機による過度な変動は見逃せない」と説明している。

一部のマスコミは「政府が伝家の宝刀を抜いた」と書いているが、鈴木財務相も言うようにその相手は投機筋。これからしばらくは、切るか切られるかの死闘が続く。ひとくちに投機筋と言っても、その内容は千差万別。一日で何十億ドルを使うファンドもあれば、円を売ってドル預金に乗り換える日本の主婦もいる。だから、これらの投機筋が結集すると、資金力は膨大なものとなりかねない。

為替介入は政府が決定し、日銀が実際の売買を行う。ドル売りの原資は外貨準備だが、すぐに使える外貨預金は1361億ドル(19兆円)しかない。これで投機筋の円売り・ドル買いに立ち向かえるのか、いささか心許ない。しかも世界中を探しても、ゼロ金利政策に固執しているのは日本だけ。投機筋は、それだけマトを絞りやすくなっている。

その一方、介入に踏み切った政府の側には弱点も多い。まずアメリカとの協調介入ができなかったこと。アメリカはドル安になれば、インフレの促進要因になってしまうからだ。これで宝刀の切れ味は、半分以下に落ちてしまった。言うなれば、錆び付いた宝刀である。それでも振り上げられれば怖いから、円相場はいったん上昇した。だが投機筋もすぐに気を取り直し、今週明けには144円前後にまで売り返している。

                     (続きは明日)

        ≪26日の日経平均 = 下げ -722.28円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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