経済なんでも研究会

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最低賃金引き上げの 賭け (下)

2022-08-04 07:39:03 | 賃金
◇ 経済に及ぼす影響は予測不能 = 政府は安倍内閣の時代から「全国平均の時給1000円」を目指してきた。その意味では、今回の改定は一歩前進。だが国際的にみると、日本の最低賃金はまだまだ低い。たとえばドイツやフランスは1400円を超えている。またアメリカは州によってさまざまだが、カリフォルニア州は2000円に近い。中国や東南アジア諸国の賃金も上昇しており、出稼ぎに来る国としての日本の魅力は低下したといわれる。

最低賃金が上がれば、働く人が増えるかもしれない。所得の増加が消費の拡大につながり、景気は上向く。企業は人件費の増大を消化するため、生産性の向上にいっそう努力するだろう。その結果、設備投資も増える。こんなに、いいことはない--これが政府の思惑だろう。安倍元首相がしばしば口にした‟好循環”の始まりでもある。

だが時給の増加に対処するため、企業は労働時間の短縮を図るかもしれない。人員を減らすかもしれない。また結局は倒産してしまうかもしれない。そうなると働く人の数は減少し、所得も減ってしまう。その結果、景気は下降する。‟好循環”とは全く逆の現象が起きうるわけだ。現に韓国では18-19年に最低賃金を30%も引き上げた結果、失業者が急増してしまった。

雇用が増大して消費が増え、景気が上向く。その結果がさらに雇用を増やし、消費を拡大する。これが最善のケース。一方、物価が3.3%以上も上がって、最低賃金の上昇分を食い尽くす。これが最悪のケース。実際のケースは、この2つの間のどこかに落ち着くはずだ。その着地点を決めるのは、まずインフレの度合。さらにGDP成長率を、平均3%に近づけられるかどうかだろう。

        ≪3日の日経平均 = 上げ +147.17円≫

        ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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