◇ 原油価格の高騰はない = OPEC(石油輸出国機構)は30日の総会で、約8年ぶりに減産することを決めた。加盟14か国全体の1日当たり生産量を、10月の実績だった3364万バレルから120万バレル減らす。OPECは9月の臨時総会で、全体の生産量を日量3250万ー3300万バレルに落とすことでは合意していた。しかし加盟国ごとの生産量を決める交渉では、サウジアラビアとイランが激しく対立。30日の総会直前まで、紛糾していたという。
それが一転して合意に至ったのは、サウジアラビアが大幅に譲歩したためと伝えられる。原油価格の低落で、サウジの財政事情は急激に悪化。公務員の給与カットなどで、国民の不満が高まった。そこで減産分の大部分を引き受ける形で、合意に漕ぎ着けた模様だ。このニュースを受けて、ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物価格は49ドル台半ばまで急騰。1日の日経平均は200円を超す値上がりとなった。
しかし原油の国際価格が、1バレル=60ドルまで高騰する可能性は小さい。原油の供給量が本当に減るかどうかには、疑問が多いからだ。まずOPEC加盟国のなかで、合意が守られるかどうか。サウジと宗教的に対立するイランやイラクが、サウジとの約束を順守する保証は全くない。またOPECに加盟していないロシアは減産に応じるとはいっても、OPECに査察権はない。。
さらに大きいのは、アメリカのシェール石油が確実に増産されることである。これまでの経験から言っても、シェール石油は国際価格が50ドルを超えると産出量が増え、60ドルになると急増する。そのうえトランプ次期大統領は、オバマ政権が環境保護の見地から実施してきたシェール油田への規制を見直す方針。だから原油の国際価格が60ドルを上回る可能性は、ほとんどないだろう。日本のような輸入大国にとっては、朗報なのだが。
≪1日の日経平均 = 上げ +204.64円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
それが一転して合意に至ったのは、サウジアラビアが大幅に譲歩したためと伝えられる。原油価格の低落で、サウジの財政事情は急激に悪化。公務員の給与カットなどで、国民の不満が高まった。そこで減産分の大部分を引き受ける形で、合意に漕ぎ着けた模様だ。このニュースを受けて、ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物価格は49ドル台半ばまで急騰。1日の日経平均は200円を超す値上がりとなった。
しかし原油の国際価格が、1バレル=60ドルまで高騰する可能性は小さい。原油の供給量が本当に減るかどうかには、疑問が多いからだ。まずOPEC加盟国のなかで、合意が守られるかどうか。サウジと宗教的に対立するイランやイラクが、サウジとの約束を順守する保証は全くない。またOPECに加盟していないロシアは減産に応じるとはいっても、OPECに査察権はない。。
さらに大きいのは、アメリカのシェール石油が確実に増産されることである。これまでの経験から言っても、シェール石油は国際価格が50ドルを超えると産出量が増え、60ドルになると急増する。そのうえトランプ次期大統領は、オバマ政権が環境保護の見地から実施してきたシェール油田への規制を見直す方針。だから原油の国際価格が60ドルを上回る可能性は、ほとんどないだろう。日本のような輸入大国にとっては、朗報なのだが。
≪1日の日経平均 = 上げ +204.64円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫