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ブルターニュ紀行 56 < ル・クロワジック  バッツ・シュー・メール> ゲランド半島に向かう

2021-06-11 00:24:59 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ/ホテル
巻頭写真 : バッツの『ミューリエの聖母礼拝堂』の遺構

海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を巡ろう
56



塩田が広がる湾のような湿地帯の南の縁を取り囲む腕が
『Presqu'ile de Guérande ゲランド半島』
付け根の位置は南ブルターニュ一番の海浜リゾート『La Baule ラ・ボール』
西の先端が『Le Croisic ル・クロワジック』

その半島の中間点に
『Batz-sur-Mer バッツ・シュー・メール』という小さな町があって
そこにユニークな姿の礼拝堂あり


『Chapelle Notre-Dame de Mûrier』

その名も「ノートル・ダム・ド・ミュリエ (ミュリエの聖母礼拝堂)」
何がユニークな姿なのかというと
壁と柱しか残っておらず屋根も天井もステントグラスも無いから

左側面

15世紀
ペストの大流行に地元民は
当時廃墟になっていた古の聖母に捧げられていた礼拝堂を立て直そうと考えた

正面上部 向かって右斜めから

当時この土地は既に製塩で多いに潤っていたが
礼拝堂の建造は手に余った

正面 上半分

時のブルターニュ公爵ジャン5世がローマ法王ウージェーヌ4世に直訴し
再建なった暁に
礼拝堂に参る信者たちからの献金を「建設費」の償還に向ける許しを得て起工し
1496年に完成した



1819年の大嵐で
屋根と天井が崩壊した

正面下部

以後
そのまま廃墟として今日まで続いている





内部



左側面 後部から斜めに


文化財登録は廃墟になってから半世紀後
1862年の事

実はこの礼拝堂と
道一本隔てた隣のブロックに「まともな」教会があります
その鐘楼に上ると

この礼拝堂の
屋根も天井もないことが明確に見て取れます
「まともな」というのは壊れていないからですが

『Eglise Saint-Guénolé 聖ゲノレ教会』

西側正面の方から前半分を見る限りごく普通
でも
十字架形の頭の方(東側)半分はかなり変わっている


翼廊(十字架形の横軸)の手前
つまり内陣のある左右に礼拝室が二つ飛び出しており

十字架形の頭を外部(外陣)から見ると


先端が二つに分かれてそれぞれに破風(三角部分)を持ち
その外側に
軸線がずれるがさらに二つの礼拝室のような破風を持つ屋根が出っ張っている

鐘楼下の西側正面玄関口


内部で
身廊から内陣方向を見ても軸線がゆがんでいることがわかる


振り返ると西側正面玄関口の上にパイプオルガン
天井がそれほど高くないので設置位置が非常に低いのは
ブルターニュの教会の特徴

内陣の主祭壇
祭壇衝立(Retable)の左側の柱に

Saint-Guénoré (聖ゲノレ)
この教会の名前となっている守護成人『聖ゲノレ』の彩色木像があります

身廊と内陣とは古式豊かな木造天井だが
左右の側廊はゴシックの石組の天井で
一部のアーチ交差部の要石の装飾が非常に興味深い


7匹の悪魔の眷属に食われつつある「地獄落ち」した罪人
こわっ


こちらは「聖骸布」

先ほどの鐘楼にもう一度登ってみると


狭い半島なので海まで見張らせる

それからこの町には
『Musée des Maraiss salants 塩田博物館』
なるものがある

建物外観

白壁に「塩田」の図面がレリーフされて
その前に
採れた塩の入ったザルを頭に乗せた地元女性の銅像が


所狭しと並ぶ展示物の合間に
壁と床とに
塩田地帯の空撮写真の映像が


昔の製塩業従事者の衣装の展示


製塩の歴史から
世界中の製塩の中心地の紹介
製塩方法の違いと素fレゾfれの塩の実部tr巣の展示など
興味は尽きない


採取した塩に混じるゴミや砂などを取り除くための
塩洗い機
ザブザブ洗っても
体積は減ってもそうそう溶けけなかったらしい


洗塩機の前には塩を運んだ馬車


子供達に熱心に説明する親子連れも多い
学校からの見学も絶えないそうだ
部屋数も多く
展示方法も工夫が凝らされ
子供達が手にとって触って感じる事が出来るようにしたものも多い


「バッツ」から岬の先端に向かおう

※  ※

ゲランド半島の西端「ル・クロワジック岬」は
地図の左端の楕円形の部分


港は他の町のように河口というわけではなく
陸側をえぐったように入り込んでいるのですが



引き潮に成ると


当然こうなってしまいます



港越しに教会が見える



『Eglise Notre-Dame de Pitié 慈愛の聖母教会』

海の町なので
19世紀以来の魚取引市場がある


かつては
この中で毎日「せり」が行われていた


今では新しい建物ができてそちらに移り
特別展示会場に使われている


現在の魚市場

内部(イメージ)

この楕円形の岬の周囲の海岸は
造山活動で地形ができた頃にのままで
その環境を活かして
小さくて行き届いたサービスと快適さとを満喫できる
素敵なホテルがあります


『Hôtel Le Fort de l'Océan ル・フォー・ド・ロセアン』


小さいです
地面の高さが微妙に違うので



この右にやや下がってレセプションに入ります

共用空間

二階客室 1

二階客室 2

ジャグジー付きのバスルーム

三階客室

レストラン




テラス


プール




サンデッキ

キオスク

飲み物がオーダーできます


野生の海岸は徒歩30秒

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