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プロヴァンスを巡ろう 25 <エックス・アン・プロヴァンス は 100の噴水の街と呼ばれてきた>

2020-12-14 00:34:02 | 素晴らしき世界/フランス/プロヴァンス
『Fontaine de la Rotonde  ロトンドの噴水』夜景



『エックス・アン・プロヴァンス』
という街は
フランスにおいて
パリに次いで二番目に「文化財」が多く集まっている街

そして
「100の噴水の街』
とも呼ばれてきた

そこで
エックスの街の主だった噴水を
順次ご紹介しておこう

まず最初に理解していただきたいことは
「噴水」と訳すと観賞用の装飾に思えるが
昔は
各町内各村々の住民たちの生活用水の汲み取り場所
つまり
「共同井戸」みたいな生活に欠かせない公共施設だった
ということなのです


もちろん
「いの一番」は『苔むした噴水』

まず古い絵はがきから


1930年の姿
今と違って「お湯」がたくさん流れ落ちている

1666年 建築家ジャック・フォッセ作
当初は海神ネプチューンの子トリトンの彫刻で飾られ
のちに
4頭のイルカに置き換えられた

今は全く痕跡もわからない


次に


これは2004年の姿

そして


2014年当時

そして


2018年

なぜこの様なご紹介をしているかというと
「苔」という
自然の植物を身に纏っている以上
いつも同じ表情ではない
という事をわかって頂きたいのです


2017年に撮影した表面の一部ですが
と一言で言っても
葉っぱのあるタイプや無い様に見えるタイプなど
様々なのです
天候も大きく左右します

この
『苔むした噴水』
と同じタイプの噴水が他に幾つかあります

まず例の
同じ『クール・ミラボー』に有るもう一つ


実はこの噴水は
『Fontaine des Neuf Canons 9門の大砲の噴水』
という名前が付いています
1691年 建築家ローラン・ヴァロン作
重要文化財

当初は九箇所から水を吹き出していたことから
この名がついたらしい


そして
南国プロヴァンスといえども
冬季にはこういう光景も見られます


もう一つ同じタイプを



『Fontaine Amado / des Cardeurs  アマドの噴水(カルダーの噴水)』
1963年
新たに「カルダー広場」を建設した際
彫刻家アマドにより製作

新しい噴水ですが
年と季節によりしっかり苔が付いきます






『Fontaine des deux canons  2門の大砲(2出水口)の噴水』
1532年
当初は繊細なヒトの頭部の彫刻だったらしい
それがいつしか蛇口に変わって
今の名になった




『Fontaine des Trois Ormeaux  3個のアワビの噴水』
1632年
皆様のご期待に背きますが
この噴水に「アワビ」はどこにもいません
作られた場所が「3個のアワビ通り」だったから
作った背景には歴史的な逸話があるが
長くなるので割愛



『Fontaine d'Espéluque  エスペリュックの噴水』
1618年



当時その場所にあった修道院の回廊の角に置く聖水盤として作られた
その後1750年に第三者に譲られて場所を変え
交通に邪魔にならぬよう
ローマ時代の壁際に設置された
引いてきた水の水源の所有者の名前が付けられたらしい




『Fontaine de l'Hotel du Valori  ヴァローリ館の噴水』
1750年
重要文化財
チーズで名高い「ロックフォール」の領主が建てた館
のちに
エックスの大司教となった息子が相続し
その後
ヴァローリ家に譲られた




『Fontaine des Augustins  オーギュスタンの噴水』
1620年
その200年後1820年に完全に作り変えられた
その際
プロヴァンス伯の宮殿(現裁判所)にあった
ローマ時代の円柱を使用し
天辺に12針のブロンズ製の星が乗せられた
重要文化財



『Fontaine des Bagniers  バニエールの噴水』
1687年
その後1758年に元の場所から数メートル移動された
最初は温泉水で温水だったが
水量が減少していたので地中に暗渠を掘って全て『苔むした噴水』に回し
移動の際に市が供給する普通水に変えられた
さらに1926年に
ルノワール製作になる『ポール・セザンヌ』の青銅製のレリーフが
オリジナルの装飾を失っていた壁面にはめ込まれた
重要文化財




『Fontaine des Pecheurs  漁師の噴水』
1758年 ジャン=パンクラス・シャテル作
バロックの装飾
「Place des Pecheurs 漁師の広場」にあるためこの名
重要文化財




『Fontaine des Quatre Dauphins  四頭のイルカの噴水』
1667年 彫刻家ジャン=クロード・ランボー作


バロックの傑作
「四頭のイルカ広場」にある
重要文化財




『Fontaine de l'Hôtel de Ville  市役所の噴水』
1756年
貯水槽は建築家ジョルジュ・ヴァロン
出水柱は彫刻家ジャン=パンクラス・シャテル
写っていないが上に立つ柱は
ローマ時代の遺跡に建つプロヴァンス伯の宮殿から
重要文化財




『Fontaine du cours Sextis / de Pascal  セクスティス広場の噴水』
「パスカルの噴水」
とも呼ばれる
1713年
もともと水源の水量が十分ではなく
異常気象の夏に住民への給水が不可能になった際に
新たにもっと深い井戸を掘り直し
噴水も作り直した
1833年
建築家リュウトー設計
彫刻家バイユ製作
重要文化財





『Fontaine d'Argent / de la Mule Noire  銀の噴水』
お金がとってもかかる噴水だったから
いつしかこう呼ばれるようになったとか
ミュール・ノワール通りにあるので別称「ミュール・ノワールの噴水」
1758年
全体設計はジョルジュ・ヴァロン


18世紀大流行していた「トルコ人」の顔の彫刻はシャテル
重要文化財




『Fontaine des Neuf Puits  新しい井戸の噴水』
「新しい井戸通り」と「ミニエ通り」の角
何も言われの伝わっていない
ただ古い噴水




『Fontaine de Boulegon  ブウルゴンの噴水』
1532年
「ブゥルゴン通り」にある




『Fontaine de Saint-Jean de Malte  マルタ騎士団十字の噴水』
起源は1759年
「マルタ島の聖ヨハネ教会」の前に設置
ヴァロン製作
その後1862年に壊して現在のものに作り替えられた
当時は2匹の「魔物」の口から水を出していた
マルタ島騎士団の十字架は確認できる
グラネ美術館の前




『Fontaine des tanneurs  鞣し革職人の噴水』
六本の通りが集まる広場
そのうちの一つが「鞣し革職人通り」
皮なめしの職人たちはその一角に集まって住んでいた
1761年
ジョルジュ・ヴァロン設計
陶器製の総帥パイプが水藻でつまり
行き交う馬車の振動でパイプが壊れ
1861年に改修
現在のデザインで作り直された
重要文化財


まだまだ有るがキリがないので
最後に
もう一度『クール・ミラボー』に戻って閉めよう



『Fontaine du Roi René  ルネ王の噴水』
1822年
「クール・ミラボー」の一番奥にある

ピエール・レヴォワル設計
ダヴィッド・ダンジェ彫刻
正方形の基礎石の二カ所から水を出す
王が立つ縦長の四角柱は白大理石

ルネ王生誕600周年を記念して
需要文化財協会が
2009年に大々的な修復工事を行った


フランス王家カペー王朝の権威に抵抗し続けた
ロワール河下流域の「アンジュー家」の殿様は
アンジューの首都「アンジェ」でも『Bon Roi René(善き王ルネ)』と呼ばれて
同じ様に愛され続けている
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