巻頭写真 : 山国で海の里「カルゲーゼ」Photo by ⒸMairie-Cargese
地中海からいきなり屹立する高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期以来の野生の自然が多く残るゆえに「美の島」と呼ばれてきた
コルシカ全体の首都「アジャクシゥ」を発って北上
最初の半分は岬横断の山道残る半分は複雑な海岸線に沿って北行40Kmで
『カルギェージェ/カルゲーゼ』に至る
Map by ⒸGoogle Map
山の尾根が小さな岬となって海に突き出る
その先端あたりの高地の上に町があり両側は海に落ち込んで港がある
『Carghjese / cargèse』
町は高地の平らな部分にあるが端はそのまま海まで斜面になる
南側の斜面の下が港
町の南端の崖縁の東西に教会が向き合ってたっている
海に出て陸から離れるほどに高さを感じなくなってゆくがこの村は山国なのです
そして東西に向き合って建つ二軒の教会
西側(写真左)に聖スピリドン・ギリシア教会
東側(同右)が聖母被昇天ローマン教会
『Ghjesgia graca San Spiridon』
『Ghjesgia latina Santa Maria Assunta』
『聖スピリドン・ギリシア教会』
『被昇天の聖母ローマン教会』
ギリシア教会
ローマ教会
内部の様子をもう少し詳しく見ておこう
「聖スピリドン」の横には「ギリシア教会」という表示が立つ
17世紀半ばすぎ
支配国オスマン帝国の圧政を逃れたギリシア人が600名
コルシカの宗主国ジェノヴァ共和国の承認を得て島の西海岸のこの辺りに亡命してきた
「山の民」は哀れなギリシア人亡命者たちに物心共に援助を惜しまず
「アジャクシゥ」に既にあったギリシア人コミュニティーの全面的後押しもあって
ここ「カルゲージェ」にギリシア人入植地が開かれた
そこでギリシア人たちのための礼拝堂が建立され
18世紀に拡張され19世紀革命の後に現在の教会に立て直される
今日の内部のフレスコは20世紀のもの
内部奥の祭壇のある空間は「ジュベ(衝壁)」で仕切られている
なお「ジュベ」に関しては拙ブログの「プロヴァンス編」と「ブルターニュ編」に
詳しく出てきますのでご参照のほどを
「ジュベ」の上の縁から見上げた後陣祭壇上部の壁のフレスコ
内部の身廊からジュベと内陣方向を望むとこう
逆に正面扉口を振り返ると
こう見える
この「ギリシャ教会」は「東方教会(ギリシャ正教)」の教会ではなく
あくまでギリシア人が帰依するローマン・カトリックの教会であり
キプロズの教区の管轄下にある
フレスコの一部
同
なお17世紀後半にギリシア人たちが逃れてきて住み着いた時
彼らがもたらした12世紀と16世紀の見事な「イコン』を10数点所蔵している
正面ポルタイユ(扉口)
正面はまるで砦のよう
次に「ローマン教会」
「ラテン(ローマン)教会」という表示
内装は19世紀の復古主義バロック
ここ「カルギエージェ」の復活祭の行進では
山の国コルシカの象徴的な要素である銃も登場する
村自体の標高はそれほど高くないとはいえ
背後に少し登るとこんな感じになって山国であることを再認識することになる
そして大小いくつもある岬の一つ『オミーニャ岬』の先端には
ジェノヴァの塔が残っている
『La Tour d'Omigna』
では「カルギェージェ」を発ちさらに北上しよう
海と付かず離れずながら山道を20kmいけば
『ピアーナ』に至る
Map by ⒸGoogle Map
道中はこんな景色の連続となる
道路は対面1車線なのだがカーブでは左回りの車は必ず対向車線にはみ出してくる
もちろんカーブミラーなどないところがほとんど
そして徐行もせずに突っ込んでくる
相手がバスだったら完全に逃げ場を失うことになる
気をつけよう
気をつけようといえば
コルシカの牧畜は牛も豚もヤギも羊も全て山中での放し飼い
道路の山側の急斜面の山林からいきなり道路に飛び降りてきて
道路を横切って谷川の開けた方に走り去る
などとおいうことも日常茶飯事
しかもそれが牛の群れd去ったりもする
ヤギは普通乳を絞るので放牧は期間が限定的だが
コルシカの豚には4種類ある
放牧中の豚
群れから逃げて野生化した豚
群れの豚が野生のイノシシと交配した家畜のイノブタ
野生化した豚と猪が交配した野生のイノブタ
野生のイノブタも野生のイノシシも捕獲されたら食肉用になる
レストランのメニューには上記のような豚と猪の区別も描かれている
これは猪の血が濃いイノブタ
尻尾がクルンと巻いていれば豚に近く
尻尾が垂れていたり毛深かったり顔が長いのは猪の血が濃い
どれも煮込み料理で出てくるが
ドライソーセージも非常に美味
島中の峠には屋台掛けでドライソーセーを売られている
『ピアーナ』という小さな集落が近づいてくると周りの光景が一変する
樹木がなくなり岩が侵食で荒々しい姿となり
色が赤く染まってゆく
一度人の運転で走っているとき居眠りをしてしまっていて
目が覚めたら周りが真っ赤になっていて吃驚した経験があります
ちょうど具合のよいRの大きなカーブで駐車スペースが作れ
数10m下に細い清流の谷川が流れる眺めの綺麗な場所に
「峠の茶屋」ばりのカフェ兼おみやげ屋があり
そこに車を止めて歩いて辺り一帯を撮影する観光客がとても多い
県道81号線は村の中は通らないが『ピアーナ』村がすぐそこにある
『piana』
可愛い鐘楼を持つ村の教会は『聖マリア被昇天教会』
『Ghjesgia Santa Maria Assunta』
近くに『カポ・ロッソ(赤い岬)』という壮絶に美しい岬がある
頂きに塔
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