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地中海の『美の島』 コルシカ島 38 < アジャクシゥ 8 > もう一回だけホテルのご紹介を

2021-11-17 00:46:05 | 素晴らしき世界/コルシカ島/ホテル
巻頭写真 : 「オテル・ポッツォ・ディ・ボルゴ」

地中海からいきなり屹立する高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残るゆえに「美の島」と呼ばれる



これまでリゾート型のホテルばかりをご紹介してきたので
あえて「シティー・ホテル」もご紹介しておこう

そもそも「コルシカ」は経済的に取り残されていた場所で
つい最近まで付加価値税も「離島特別優遇税率」が適用されていたくらい
したがってインフラ開発も遅れていて
しかも島民の排他的気質が外部資本の参入を嫌っていてこともあり
30年ほど前までは上質な観光ホテルは3〜5軒ほどしか無く
上級ビジネスマン向けのハイグレードなシティー・ホテルもなかった
EUの拡大が大きな契機になったと想像するが
近年やっと昔からの地味で何の特色もなく寒々とした印象の町中のホテルが
趣味の良い上質のホテルに生まれ変わりつつある

そんな中で「アジャクシゥ」中心地のホテルを一軒ご紹介しておこう
『オテル・ポッツォ・ディ・ボルゴ』


『Hôtel Pozzo di Borgo / ex-Hôtel Palazzu Domu』

このホテルは以前は「パラッジュ・ドム」といったが
ごく最近改装し改名した

「ポッツォ・ディ・ボルゴ」とは17世紀頃からコルシカ政界で台頭してきた
南仏プロヴァンス起源の貴族でピサやジェノヴァその他イタリアで権勢を誇り
対ジェノヴァ抵抗運動の時代はボナパルト家と共同歩調をとっていたが
「シャルル=アンドレ・ポッツオ=ディ=ボルゴ」の代になって
ナポレオンの親フランス路線に反対して袂を分かち
その流れで帝政以後はナポレオンに対抗する対仏大同盟の側にたって
英国とロシアの指導者たちに寵愛を受け
ナポレオン以後を決める「ウイーン会議」のイングランド代表の一員となり
駐仏ロシア大使なども歴任し
「シャルル・アンドレ」の次の世代には「公爵位」を賜った
ナポレオンとは対極にある独立派の「パスカル・パオリ」などと比肩される
コルシカの歴史上の有名家系である

ホテルの場所は旧市街の中でナポレオンの生家から徒歩2分
港まで徒歩1分



狭い旧市街の中なので壮麗な建物ではないが
中二階までの外壁の意匠といい白大理石の円柱に囲まれた門構えといい
17世紀イタリアのパラッツォと言っても通用する




かつてこのホテルは「パラッジュウ・ウ・ドム」という名前だった
レセプションもかつてはこんな雰囲気だったが


それが
かなり明るくなった




ロビーも



古色蒼然としていたが


すッカリ
モダンな雰囲気に変わった






手前の天井は変わっていない
階段そのものも


ただ壁の壁画が...すごい


    以前のレストラン



今の雰囲気


 客室ですが
以前のこのスイートが



最近はこうなった




普通の部屋も
このように全く没個性的だったのが


今や機能的なデザインで落ち着いた中間色でまとめられている



その他の客室も同じトーンでまとめてあるようだ



珍しく赤いソファーのジュニアスイートがあった


レストランに関しては
食事をしたことがないのでノーコメントにします

※  ※

最後にもう一軒ご紹介しておきます

全島で唯の4軒
「ポルト・ヴェッキオ」「ムルトーリ」「カルヴィ」「ルーモ」
の町にしかない星付きレストランに続いて5軒目候補のレストランを持つホテル
『オテル・レ・ムエット』


『Hôtel Les Mouettes』

実はこのホテルは先にご紹介した「ドルチェ・ヴィータ」が満室で取れないとき
仕方なく泊まったりしたホテルだったのです
ロケーションは「ドルチェ・ヴィータ」と同じように海ぎわで
プールも有り真下が波打際
ドルチェ・ヴィータは「サンギネール諸島」に臨む「パラタ岬」にかなり近い
「アジャクシゥ」市の西端にあるのに対して
「レ・ムエット(かもめ)」は「アジャクシゥ」の人家密集地帯のほぼ最後
かなり中心部に近い位置にあるのですが


以前はとにかく安普請もいいところだった
それが近年相当の設備投資を行ったらしく結構素敵なホテルになっているのです


海の前のホテルですから「当然」プールがあるのですが


寝椅子のある直近の周囲以外プール周辺はもちろん食事用のテラス特等席





玄関の感じは「ドルチェ・ヴィータ」と違って正統的



ロビーは明るく広々



そして


ロビー自体の質感も素晴らしく良い
奥はレストラン



ロビーの一角からはレストランも見えるが



やはり冬場以外は当然のように外のテラスでのお食事となる
横長の建物は
中央部は3回建てで左右が二階建て




3回建ての部分は
地上階は外に向かってもドアがありその前はプライヴェート・テラスになっている




外向きに紗のカーテンが取り付けられる


二階の客室は外側が「ロッジア」


「ロッジア」とは一方の壁がなくそのまま外に吹き抜けになっている部屋
ルネッサンス期のイタリアの宮殿で大流行した


「ロッジア」はテラスではなくて「部屋」である
一方向の壁が無いだけ



という意味はこれらの写真でお分かり頂けると思う


三階は部屋の前がテラス


部屋の中から見るとこんな感じ

ちなみに中央部の左右は二階建てで
そちらの地上階のテラスは中央部の二階のロッジアのようなアーチになっている


その上の二階もテラスがやや狭い


先に書いたように以前は安普請のホテルだったが
今や客室も「ハネムーン」に十分以上に耐えられる上級感が溢れている


肝心のお食事の例も挙げておかなければ

前菜









主菜







デザート








2年くらい頑張れば星が一つつくかもしれない
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