2009年 タイ
原題 the meat grinder
監督 ティワ・モエイサイソン
えー。
久々に気合いの入ったものにお目にかかれましたよ。
かなりどぎつい映画です。
グロ耐性ない方は絶対見ちゃダメです。
そんで今回もネタバレ&グロ画像がっつりです。
ラーメン屋台を営む中年女・バス。
足の悪い娘と2人暮らし。
旦那は博打で借金こさえた挙げ句、住み込みで働いていた若い女性とできちゃって、借金をバスに押し付けて出て行っちゃった。
幸薄そうな彼女だけど、彼女の作るラーメンはそりゃ絶品なのよ。
食材は殆ど人間。
最初から最後までグロオンパレード!
手抜きなしです。
物語冒頭で、旦那と逃げた女の婚約者だと名乗る男性が女を捜しに来ます。
そやつの足を掻っ切り、斬り落とした足を男に投げつけて失神させ、指を釘で一本一本丁寧に床に打ちつけ、足の切断部分にママから教わった一族に伝わる秘伝の調合スパイスを擦り込む…。
ギリギリまで殺さない。
鮮度を保ったまま熟成!
うう…怖い…痛い…。
床に打ちつけられた指を、これでもか!ってくらい見せてくれます((( ;゜Д゜)))
実はバス、壮絶な過去があります。
もう書くのが憚られるくらいです。
母から虐待を受けて育ち、父に襲われ妊娠し、適当な男を充てがわれ、その男は博打で借金こさえ、若い女と浮気三昧。
現在と過去が入り乱れてますが、わかりにくくはなかったです。
白黒のシーンが過去かな。
ある日、屋台引いてる時に学生運動かなんかに巻き込まれそうになった所を、ある男性に助けられます。
彼の名はアンポンタン。
…じゃなかった、アタポン。
バスが娘の薬を買いに行く薬局の息子です。
アタポンはバスの店を手伝うようになり、バスも笑顔を見せるようになり…やっと本当の幸せ掴めるかぁ?
…と思ったら、後半に差し掛かった所で、色々な事実が判明。
実はバスの娘は殺されていたのです!
バスの旦那と若い女の浮気現場を見ちゃったバスの娘。
2人に見つかり、庭にある大きな水瓶に沈められてしまいます。
バスが気付き、旦那と浮気女に斬りつけます。このシーンもかなり凄惨。
しかし娘は時すでに遅し。死んでしまっていたのです。
この辺からきっとバスの中の何かが壊れたと思われ。
娘がいると思ってましたが、それはバスの幻覚。本当は娘が大事にしていた人形が娘に見えていたようです。
水瓶に入ったままの遺体を、アンポンタン…じゃなかった、アタポンが見つけ、バスは警察に連れていかれます。
しかし証拠不十分で釈放。
ここまでの間にも犠牲者は増え続けてます。
借金取りとその手下2人。
旦那とその浮気相手(実は逃げてなどいなかったのです。監禁されて、地下に閉じ込められていたのですよ。)。
それはもうがっつり解体シーンを見せてくれます。
胃がギリギリします。
旦那はあまりの恐怖に気がふれたようで、浮気相手の女の肉を貪るように食べまくる…((( ;゜Д゜)))
その後アタポンはあっさり別の若い女に乗り換えま~す!
その様子を陰から見つめ、ギリギリとなるバス…。
アンポンタンの新しい彼女な若い女性・ニドを騙して店に連れてきて薬を飲ませて眠らせます。
そのニドを血の溜めてある水槽に落とし、蓋をします。
この血溜めの水槽は何かに使ってるの?
それでもなんとかそこから脱出。
逃げようとしたニドに、バスの必殺技・アキレス腱斬りが炸裂!
絶体絶命!と思ったら、気付いたアンポンタンが助けにきます。
彼女は助かりますが、その間にバスは逃げ出します。
血塗れで裸足で包丁持って、市場をフラフラ歩くバス。
幻覚が彼女を襲い、その度に血塗れの包丁を振り回します。
線路に辿り着き、裸足のまま石が敷き詰められている線路を歩いていきます。
このシーンが凄かった。
なんていうんだろ…迫力?オーラがすごかった。
すごい女優さんだと思ったら、本業は歌手だそうです。
陸橋に辿り着き、幻覚に苛まれるバス。
アンポンタンが後を追ってきて、「すまなかった!今度こそ君を守るよ!」と謝りますが、(何を今更!ねぇ!)
娘?の幻覚が現れ、「彼は嘘つき」とバスに吹き込みます。
そうよ、みんなアンポンタンが悪いのよ!
警察も到着しましたが、捕まるより先にバスは陸橋から川へ飛び降ります。
遺体があがらない。
なんぼ捜しても見つからないまま夜に。
ニドが「バスとアンポンタンが共謀して自分を殺そうとした!」と証言した事と、
女1人ではこの犯行は無理なんじゃないか?との説のお陰で、アンポンタンが捕まります。
死んだと思ったバスは実は生きていて、懐かしの厨房に戻ってきます。
そこには慣れた手つきでテンポよく包丁をふるう母の姿が。(捌いてるのは多分人肉…)
バスを見て笑顔を見せます。
バスは子供の姿に戻り、
そしてエンド。
最後、バスがどうなったのかはわかりません。
どこまでが現実で、どこまでが幻覚なのか、わかりません。
現在と過去、それに実は幻覚も絡んでいたわけですが、混乱はしなかったです。
そしてグロオンパレードなのに、それを行っているバスに嫌悪感抱くどころか、共感し始める始末。
バスを演じたマイ・チャルンプラという方の素晴らしい演技力!
巨乳!
あたしは美人だと思うんだけど、見た方の大半は「ギリギリ美人」or「決して美人とは言えない」or「冴えない中年おばさん」etc…。
アジアンビューティー!
劇中に流れる切ない歌詞の歌謡曲は彼女の歌なのかな?まぁ、またこの曲が上手くバスの心情を顕してると思うのよ。
スプラッタなんだけど、ヒューマンドラマなような?
グロいんだけど、なんだろなぁ…ストーリーがしっかりしてるから?
重くて暗いんだけど、嫌な気分にはならなかったよ。
海外版ジャケット。
ちなみにこんなシーンはありません。
殺されるシーンがいちいち痛いので必見です。