「わらべはみたり」ではじまる文豪ゲーテの「野ばら」は、野に咲く小さなバラと少年の対話による小さな物語です。詩に込められた意味を巡って広がる様々なイメージが、多くの作曲家を魅了し、ゲーテの時代から今日にいたるまでたくさんの「野ばら」の歌が生まれてきました。 シューベルトやウェルナーが作曲した「野ばら」は誰でも口ずさめるほど有名ですが、ベートーヴェンやメンデルスゾーン、シューマン、ブラームスといった大作曲家たちも「野ばら」を創作しています。これに興味を持って世界中の「野ばら」を収集・研究した坂西八郎氏が、88曲の「野ばら」を集めて『わらべはみたり…「野ばら」88曲集』を刊行（1987,岩崎美術社）、「ひびけ野ばら88曲コンサート実行委員会」の発足につながりました。同委員会は、88曲に続く新たな「野ばら」を生み出すべく、1995年から10年間にわたり新しい「野ばら」の歌を公募し、選ばれた作品は既存の88曲とともに「ひびけ野ばら88曲コンサート」（松本市）と題するコンサートで発表されました。 本作は、1996年に優秀賞に選ばれて発表されたドイツ語の原詩に附曲した合唱曲です。このときの演奏を、作曲者の父のイラストとともにYouTubeにアップしました。演奏しているのは、松本市を中心に活発に演奏活動を続けているアマチュア合唱団「ベーレンコール」の皆さん、指揮は中村雅夫さんです。ベーレンコールによる清澄な歌声と繊細な表現で歌われる「野ばら」をお楽しみください。 |
《演奏》中村雅夫 指揮 ベーレンコール
《絵》 高島瑞夫
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ＣＤ「さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ～金子みすゞの詩による歌曲集～」
(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
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