facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ティエラ・クリオージャが奏でるフォルクローレ

2020年07月20日 | pocknのコンサート感想録2020
7月19日(日)ティエラ・クリオージャ(Tierra Criolla)
~哲学堂と民族芸能のひびき~
哲学堂公園 宇宙館
 
♪風とケーナのロマンス
♪3つのバイレシート
♪コンドルは飛んでいく
♪ウマウアカによせて
♪カルナバルのメドレー

♪ ♪ ♪

♪シクーリの歌
♪貴方のサンバ
♪プエンテ・カレテーロ
♪太陽の乙女たち
♪カルナバリートのメドレー
【アンコール】
♪ フク


【演奏】
ティエラ・クリオージャ(ギター:河野朗子/ケーナ、サンポーニャ:糸井美樹子/チャランゴ、ギター、マンドリン:飛田茂実/ケーナ、サンポーニャ、フルート:林龍生/バンドネオン:若林咲子/ボンボ:中村裕二/パーカッション:加清明子)


近所の哲学堂公園内の歴史建造物のひとつ、宇宙館で行われたフォルクローレの無料コンサートに家族で出かけた。宇宙館は哲学堂公園を創設した井上円了が講釈を行ったところだと公園スタッフさんが紹介してくれた。聖徳太子の大きな立像が据えられたそんな由緒ある場所がアンデスのタペストリーで飾られて、時空の繋がりを感じた。

ティエラ・クリオ―ジャは、中野区を拠点に活動する2006年結成のフォルクローレの演奏グループ。主にペルー、ボリビア、アルゼンチンのフォルクローレを演奏しているそうで、現地の衣装を羽織ったメンバーが様々な民族楽器を手に、多彩なフォルクローレの世界を堪能させてくれた。

オリジナルの民族楽器によるフォルクローレの生演奏は、ヨーロッパの街角でストリートミュージシャン達の演奏を通りすがりに聴いたことはあるが、じっくり腰を据えて聴くのは初めてかも。次々に奏でられる音楽からは、実際には見たことのないアンデスの大自然や、その中で育まれている人々の生活、喜びや哀しみ、神様への畏敬など、様々な情景や心象が伝わってくる。今まで何となく耳にしていたフォルクローレの印象は、哀愁やエキゾチックな香りだったが、今日のコンサートではそれだけではない強さや逞しさ、心の底から湧き上がってくる喜びやパッションといった感情が伝わってきた。「コンドルは飛んでいく」は、遠望するイメージだったコンドルが目の前で大きな翼を羽ばたかせて大空へ力強く飛び立つ様子を感じた。

様々な民族楽器を間近に体験できたのも楽しかった。特に珍しくて印象に残ったのは、ウクレレのようなチャランゴとパンフルートのようなサンポーニャ。チャランゴは澄んだ張り詰めた音が心地よく、アンサンブルに薬味の効果を与え、サンポーニャは、飛田さんが演奏した低音域用の楽器が、激しい息遣いでパーカッションのようなパンチを効かせていたのが鮮烈だった。ケーナの郷愁を誘う音色もいいし、バンドネオンがこんな味のある歌を聴かせることも発見。パーカスではズンと腹に響くボンボや、チャフチャスという羊爪を使った楽器の乾いた響きがエキゾチックな気分をかきたてた。

入口ではアンデス地方の写真展示も行われ、大きな壁のない建物なので会場外で聴く人もいて、久しぶりに広がった青空の下、辺りはアンデスの空気で満たされた。通常のコンサートでは歌の入る曲も多いそうだ。今回は感染予防の観点から実現しなかったが、次はボーカル付きでティエラ・クリオージャのコンサートを聴いてみたい。
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
第1行進曲「ジャンダルム」ほか

拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 上野星矢 フルート・リサイタル | トップ | 読響 特別演奏会:コバケンの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

pocknのコンサート感想録2020」カテゴリの最新記事