11月17日（木）新国立劇場オペラ公演
新国立劇場
【演目】
ムソルグスキー／「ボリス・ゴドゥノフ」
【配役】
ボリス・ゴドゥノフ：ギド・イェンティンス／フョードル：小泉詠子／クセニア：九嶋香奈枝／乳母：金子美香／ヴァシリー・シュイスキー公：アーノルド・ベズイエン／アンドレイ・シチェルカーロフ：秋谷直之／ピーメン：ゴデルジ・ジャネリーゼ／グリゴリー・オトレピエフ（偽ドミトリー）：工藤和真／ヴァルラーム：河野鉄平／ミサイール：青地英幸／女主人：清水華澄／聖愚者の声：清水徹太郎／ニキーティチ／役人：駒田敏章／ミチューハ：大塚博章／侍従：濱松孝行
【演 出】マリウシュ・トレリンスキ【美 術】ボリス・クドルチカ【衣 裳】ヴォイチェフ・ジエジッツ【照 明】マルク・ハインツ【映 像】バルテック・マシス【ドラマトゥルク】マルチン・チェコ【振 付】マチコ・プルサク【ヘアメイクデザイン】ヴァルデマル・ポクロムスキ【舞台監督】髙橋尚史
【演奏】
大野和士 指揮 東京都交響楽団／新国立劇場合唱団、TOKYO FM 少年合唱団
「ボリス・ゴドゥノフ」は全く初めて接するオペラだったので、新国のサイトに上がっていた大野和士らのオペラトーク動画を見るなど多少の予習をした。ロシア動乱期に皇帝となった実在の人物の苦悩が描かれたオペラだそうだが、その上であらすじを読んでもよくわからないし、登場人物が多いのも不安要因だった。そして3時間半を越えるオペラを観て、やっぱり良くわからなかった。今出ている歌手が誰のどんな役かも殆どわからないし、日本語字幕の歌詞も理解するまで至らず、雲を掴むような気分のまま上演が進んでいった。
そんなわけで感想を述べるレベルには全く達していないが、4幕の終盤、ボリスと息子フョードルとのシーンから幕切れに至るまでは上演に引き込まれていった。ボリスの悲哀と我が子への屈折した愛情が、迫りくる不穏な空気のなかで切なく不気味に疼いているようだった。これはボリス役のイェンティンスの迫真の歌と、大野／都響の緻密で雄弁な演奏、随所で存在感を示した新国の合唱、それに終始奇抜なトレリンスキの血みどろでグロテスクな演出など、様々な要素が総動員されてクライマックスが築かれたためだろう。あとは、第1幕序盤のボリスの戴冠を合唱とオケがパワフルに輝かしく称える場面は、このオペラで唯一素直に感動できたところだった。
トレリンスキの演出は色々と目を引くシーンには事欠かなかった。電光仕掛けのいくつもの立方体が様々な意味付けをしているように見えたり、色っぽいねえちゃんが何人も登場してオペラグラスが離せなくなったり、登場人物をカメラで捉えた映像をリアルタイムでモノクロで大写ししたり、大きな頭の子供？や動物の被り物のキャラが沢山登場したり…、何を意味するかはわからなかったが、他のブログやTwitterなどではこれらを的確に解釈したコメントが出ているのには感心するばかり。僕にはそういう想像力が欠けているのだろう。ただ、全幕を通して出て来た障害を抱えたフョードルのリアルなパフォーマンスは心に重くのしかかってきた。
オペラの筋も、演出も、このオペラを今この状況（戦争）下でやることに大きな意味があるということも正しく受け取ることは出来なかったが、この演出にはそれなりに統一感があり、ただならぬ大切なメッセージを伝えようとしているのは感じられた…かな？
コロナ騒ぎが始まってから新国は上演で徹底した感染対策を実施し、最初の頃はその尽力を称賛していたが、この頃は「いつまでやるの？」とうんざりしてブログでもさんざん書いて来たが、今回は、これまでは合唱が歌うときにちりぢりに広がって距離を取っていたのが密集のまま大合唱を聴かせ、登場人物の接触シーンもごく普通に行われ、終演後のカーテンコールではみんなが手を繋いだ。完全に通常の上演に戻ったことを心から歓迎したい。あとは聴衆への感染対策の強制も早く止めてもらいたい。どこのホールや劇場もそうだが、個々のレベルで感染対策を行えばいいというスタンスにしてもらいたいものだ。
新国立劇場オペラ公演「ペレアスとメリザンド」 2022.7.6
新国立劇場オペラ公演「オルフェオとエウリディーチェ」 2022.5.19
新国立劇場オペラ公演「魔笛」 2022.4.18
♪フョードル役で出演 小泉詠子の歌を聴く♪
金子みすゞ作詞「鯨法会」(MS:小泉詠子/Pf:田中梢）（YouTube）
「森の詩」～ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ～（YouTube）
一年前のブログでの訴えが何も変わっていないことに愕然。。その感染対策、本気？？？
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード：「村の英雄」（詩：西條八十）
～限定公開中動画～
「マーチくん、ラストラン ～33年乗った日産マーチとのお別れシーン～」
拡散希望記事！やめよう！エスカレーターの片側空け
新国立劇場
【演目】
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【配役】
ボリス・ゴドゥノフ：ギド・イェンティンス／フョードル：小泉詠子／クセニア：九嶋香奈枝／乳母：金子美香／ヴァシリー・シュイスキー公：アーノルド・ベズイエン／アンドレイ・シチェルカーロフ：秋谷直之／ピーメン：ゴデルジ・ジャネリーゼ／グリゴリー・オトレピエフ（偽ドミトリー）：工藤和真／ヴァルラーム：河野鉄平／ミサイール：青地英幸／女主人：清水華澄／聖愚者の声：清水徹太郎／ニキーティチ／役人：駒田敏章／ミチューハ：大塚博章／侍従：濱松孝行
【演 出】マリウシュ・トレリンスキ【美 術】ボリス・クドルチカ【衣 裳】ヴォイチェフ・ジエジッツ【照 明】マルク・ハインツ【映 像】バルテック・マシス【ドラマトゥルク】マルチン・チェコ【振 付】マチコ・プルサク【ヘアメイクデザイン】ヴァルデマル・ポクロムスキ【舞台監督】髙橋尚史
【演奏】
大野和士 指揮 東京都交響楽団／新国立劇場合唱団、TOKYO FM 少年合唱団
「ボリス・ゴドゥノフ」は全く初めて接するオペラだったので、新国のサイトに上がっていた大野和士らのオペラトーク動画を見るなど多少の予習をした。ロシア動乱期に皇帝となった実在の人物の苦悩が描かれたオペラだそうだが、その上であらすじを読んでもよくわからないし、登場人物が多いのも不安要因だった。そして3時間半を越えるオペラを観て、やっぱり良くわからなかった。今出ている歌手が誰のどんな役かも殆どわからないし、日本語字幕の歌詞も理解するまで至らず、雲を掴むような気分のまま上演が進んでいった。
そんなわけで感想を述べるレベルには全く達していないが、4幕の終盤、ボリスと息子フョードルとのシーンから幕切れに至るまでは上演に引き込まれていった。ボリスの悲哀と我が子への屈折した愛情が、迫りくる不穏な空気のなかで切なく不気味に疼いているようだった。これはボリス役のイェンティンスの迫真の歌と、大野／都響の緻密で雄弁な演奏、随所で存在感を示した新国の合唱、それに終始奇抜なトレリンスキの血みどろでグロテスクな演出など、様々な要素が総動員されてクライマックスが築かれたためだろう。あとは、第1幕序盤のボリスの戴冠を合唱とオケがパワフルに輝かしく称える場面は、このオペラで唯一素直に感動できたところだった。
トレリンスキの演出は色々と目を引くシーンには事欠かなかった。電光仕掛けのいくつもの立方体が様々な意味付けをしているように見えたり、色っぽいねえちゃんが何人も登場してオペラグラスが離せなくなったり、登場人物をカメラで捉えた映像をリアルタイムでモノクロで大写ししたり、大きな頭の子供？や動物の被り物のキャラが沢山登場したり…、何を意味するかはわからなかったが、他のブログやTwitterなどではこれらを的確に解釈したコメントが出ているのには感心するばかり。僕にはそういう想像力が欠けているのだろう。ただ、全幕を通して出て来た障害を抱えたフョードルのリアルなパフォーマンスは心に重くのしかかってきた。
オペラの筋も、演出も、このオペラを今この状況（戦争）下でやることに大きな意味があるということも正しく受け取ることは出来なかったが、この演出にはそれなりに統一感があり、ただならぬ大切なメッセージを伝えようとしているのは感じられた…かな？
コロナ騒ぎが始まってから新国は上演で徹底した感染対策を実施し、最初の頃はその尽力を称賛していたが、この頃は「いつまでやるの？」とうんざりしてブログでもさんざん書いて来たが、今回は、これまでは合唱が歌うときにちりぢりに広がって距離を取っていたのが密集のまま大合唱を聴かせ、登場人物の接触シーンもごく普通に行われ、終演後のカーテンコールではみんなが手を繋いだ。完全に通常の上演に戻ったことを心から歓迎したい。あとは聴衆への感染対策の強制も早く止めてもらいたい。どこのホールや劇場もそうだが、個々のレベルで感染対策を行えばいいというスタンスにしてもらいたいものだ。
新国立劇場オペラ公演「ペレアスとメリザンド」 2022.7.6
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金子みすゞ作詞「鯨法会」(MS:小泉詠子/Pf:田中梢）（YouTube）
「森の詩」～ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ～（YouTube）
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