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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

レゼポペ Les Épopées ~夜のままで~

2022年11月24日 | pocknのコンサート感想録2022
11月18日(金)レゼポペ
〜北とぴあ国際音楽祭2022~
北とぴあ さくらホール

【曲目】
♪ ル・カミュ/夜のままで
♪ ド・ラ・バール/生まれくる火
♪ マレ/宝石
♪ ダングルベール/組曲ト長調
♪ ド・ラ・バール/羊飼いたちよ、草の上へ
♪ ダンブリュイ/私たちの森の甘い静けさ
♪ マレ/シャコンヌ
♪ ル・カミュ/私は平穏な日々を過ごした
♪ リュリ/岩よ、お前は耳が聞こえない
♪ クープラン/組曲ヘ長調
♪ リュリ/「町人貴族」~イタリア人の嘆き 
♪ ランベール/楽しもう、甘い安らぎを
(アンコール)
♪ シャルパンティエ/森の安らぎ

【演奏】
レゼポペ Les Épopées(Cem:ステファン・フュジェ/S:クレール・ルフィアートル/Gamba:エマニュエル・ジラール)

今年の北とぴあ国際音楽祭では、3度目の正直でとうとうリュリのオペラ「アルミード」が上演されることとなり、これにちなんで行われたソプラノ、ガンバ、クラブサンによるアンサンブル「レゼポペ」の演奏会でフランスバロックの世界を堪能した。

レセポペは、ドイツバロックともイタリアバロックとも異なるフランス特有のバロックの魅力を伝えてくれた。それは、フランス語の語感がそのまま音楽に反映されていると云ったらいいのだろうか。淡い色彩がグラデーションを織り成し、場面によって様々な芳香が漂い、音たちが軽やかに自由に舞い、飛び回っているよう。

アンサンブルの要はステファン・フュジェのクラブサン。羽毛のように柔らかく軽やかなタッチで優美に音楽を紡いで行く。曲の至るところに施される装飾音が、音楽をより軽やかに羽ばたかせて、レースのように繊細にたなびいていた。ソプラノのクレール・ルフィアートルは、上品で美しい声でしなやかで芯のある気高い歌唱を聴かせ、「アルミ―ド」での活躍が益々楽しみになった。エマニュエル・ジラールのヴィオラ・ダ・ガンバは、通奏低音では大きな包容力でアンサンブルをふくよかな潤いで満たし、旋律を奏でるときは雄弁な歌が詩情をかき立てた。通奏低音でのオクターブで上下行する単純なスケールが、音楽の表情をこんなにも豊かに広げることに気づかせてくれた。

演奏の合間に、ステファンさんのフランス語による解説を日本語堪能なエマニュエルさんの通訳で聴けたのも役立ったが、このコンサートでは、歌詞の対訳はおろか、和訳も、詩の大意さえプログラムに載っていなかったのは残念だった。歌曲では歌詞が大切だ。クレールさんが豊かな表情にジェスチャーも交えてどんな言葉を伝えようとしていたのかがわかれば、聴き手の感銘度は更に深まったはず。しっかりとしたコンセプトのもと各演奏会を企画する北とぴあ国際音楽祭には、そのぐらいの配慮が欲しい。

ラモー「アナクレオン」ほか(北とぴあ国際音楽祭2021)~2021.12.10 北とぴあさくらホール~
ヘンデル「リナルド」(北とぴあ国際音楽祭2021) ~2019.12.1 北とぴあさくらホール~

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