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N響 2019年2月B定期(パーヴォ・ヤルヴィ指揮)

2019年02月25日 | pocknのコンサート感想録2019
2月21日(木)パーヴォ・ヤルヴィ指揮 NHK交響楽団
《2019年2月Bプロ》 サントリーホール

【曲目】
1. ストラヴィンスキー/幻想曲「花火」Op.4
2. ストラヴィンスキー/幻想的スケルツォ Op.3
3. ストラヴィンスキー/ロシア風スケルツォ
4. ストラヴィンスキー/葬送の歌 Op.5
5.ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

2月のN響Bプロは、パーヴォの指揮でストラヴィンスキー特集。後半のハルサイは特に楽しみ。前半は小品が4つ。僕にとってはどれも馴染みはなく、みんな新鮮だった。最初の「花火」は、まさに夜空に上がる花火のよう。あるいは、勢いよく飛び散った水しぶきに光がキラキラ反射するシーン。まばゆく鮮やかな音楽と演奏。

次の「幻想的スケルツォ」もキラキラした音楽。穏やかな場面があったり、戯れる場面もあったり、ドビュッシーの管弦楽曲を想わせる色彩を感じた。N響の瑞々しい響き、ほとばしる勢いが、極上のディヴェルティメントを奏でた。

次の「ロシア風スケルツォ」は映画のために書かれた曲。「ペトルーシュカ」とか「妖精の口づけ」のような屈託のないリズムが、踊り、揺れ、弾けて心が踊った。4曲目の「葬送の歌」は、初演以来100年ぶりに2015年に譜面が発見されたという代物。師のR.コルサコフの死を悼んで作曲されたという曲はオーソドックスが主流。師匠への敬意を表したのかも知れないが、あまり面白くなかった。

そして「春の祭典」。冒頭、パーヴォは指揮棒を下したまま。演奏を任された水谷さんのファゴットは思いきったルバートで陰影に富んだ歌を奏でた。続くイングリッシュホルン、クラ、オーボエの演奏も自由な感情表現が濃く、 息を呑んだ。そして繰り広げられたのは、底知れぬエネルギーを蓄え、熱い息吹が炸裂する生身の人間による祭典だった。

パーヴォのハルサイということでイメージしていたのは、ドライで颯爽とした統制の取れた演奏。平野昭氏もプログラムに「デジタル的精緻さ」が期待できる旨を書いていたが、それとは正反対の人間味溢れる演奏に、どんどん体がアツくなった。

フレーズというフレーズがそれぞれのやり方で立体的に目の前に飛びかかってくるようなリアルな迫力。それらが壮大な一つの音絵巻を作り出す。これはスゴい!と、思わず前のめりに聞き入り、動けなくなった。細かい音の動きまでリアルに軌跡を描く。普段は意識になかった音の動きが随所で聴こえてきて、違うエディション?と思うことがあったほどで、これがまた効果的で新鮮。パーヴォは、ハルサイの初演時に聴衆が受けた衝撃を再現するかのように、この音楽に新鮮で熱い息吹を送り込んだ。終始熱く、手に汗握り、のめり込む圧倒的な名演!

トイレに行きたかったので最後まで拍手できなかったが、トイレから出ても、もう誰もいないステージに拍手が続いていた。その時はパーヴォは出てこなかったが、一般参賀が起きた?あってもおかしくない。レコーディング用のマイクがセットされていたのでCD化されるのかな?これは楽しみだ!

♪ブログ管理人の作曲♪
合唱曲「野ばら」(YouTube)
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」(YouTube)
金子みすゞ作詞「鯨法会」(YouTube)
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~(YouTube)
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美

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