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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

東京藝術大学 藝祭2022

2022年09月07日 | pocknのコンサート感想録2022
藝祭2022
ふ れ る

藝祭が3年ぶりに現地でリアル開催され、3年ぶりに3日間上野に通った。
今年の藝祭テーマは「ふ れ る」の3文字。「触れる」ことが極端に制限され、私達の心にもバリアが出来てしまっている状況に風穴を空け、芸術にとって欠かすことのできない様々な「触れる」を見つめ、取り戻そうという意思が伝わるテーマだ。

藝祭の伝統行事で登場するオリジナル御輿も復活した。雨模様のなかで行われた御輿パレード、3年ぶりに学生が協力し合って作り上げた個性溢れる圧巻の御輿が4騎、それぞれオリジナルの法被を纏った学生たちが牽き回し、熱狂のサンバ隊がパレードを先導。多くの見物客の間を練り歩いた。御輿・法被パフォーマンスでは土砂降りの雨のなか、学生逹は渾身のパフォーマンスを披露。ずぶ濡れになっても表情は輝いていた。

上野公園内では学生の作品を即売するアートマーケットのテントが並び、通りは品定めする人達で連日ごった返した。キャンパスへ入ると、音校キャンパスでは複数会場で演奏会が次々と開催され、美校キャンパスでは学生の作品展示と、屋外ステージで演奏やパフォーマンスが繰り広げられた。

僕は3日間で6つの演奏会を聴き、ほぼ全ての展示を見学し、ステージのパフォーマンスや藝×コレを観て、アトマ歩きを楽しみ、公園広場でのこもごも展にも足を運び、学生の創造のエネルギーを浴びまくり、鋭気と刺激をもらった。

その一方で、今年の藝祭は多くの制約の下での開催となった。演奏会はすべて事前の抽選による予約制。抽選は大激戦だったそうだ。それもそのはず。客席は一人置きにしか座れず、キャパの半分しか使われなかった。落選したらキャンセル待ちもなく、キャンパスへ入ることもできない。そんな状況でも、僕が毎回訴えている奏楽堂の日曜日の利用はできないまま。大学は制約を求めるなら、それに代わる措置を講じるべきではなかったか。

美校キャンパスへの入場も事前の先着順予約制が敷かれ、キャンパスに入れる人数は極端に制限された。入場枠は予約開始後短時間で一杯になったが、予約できた人が全員来るわけではないので、キャンパス内は学園祭とは思えないほど閑散としていた。藝祭の来訪者は年々増え続け、直近の2019年は、キャンパスは身動きとるのも大変なぐらいの来訪者でひしめいていたのは困りものだったが、ここまで少ないのは寂しい。

更にキャンパス内の模擬店の出店も禁止された。食堂もやってないうえに学内に食べ物を持ち込んで食べることも禁止。いつも楽しみにしていた大浦食堂はコロナの間に閉店してしまい、模擬店の「犬浦食堂」の角煮丼にもありつけなかった。音校のピロティで行われていた催しもなく、Manto Vivoの飲食付きライブや歌科のLa Voceもなし。

今年は過去2年間できなかったリアル藝祭をとにかく実現することが第一目標だっただろうから仕方ないのかも知れない。けれど、今後もコロナは波を繰り返し無くなることはなく、「コロナが収束したら」なんて言い続けていては、元の世界は永久に戻ってこない。今回の対策の効果を検証したうえで、次回は極力通常モードで開催すべきだと思う。もうコロナを特別扱いしなくなった国の状況も見るべきだろう。そうでないと、4年間本来の藝祭を体験することなく卒業してしまう学生を出すことになってしまう。若い才能が芸術を育む貴重な非日常体験ができないのは大きな損失だ。

とはいえ、とにもかくにもリアル藝祭が再開してくれて嬉しかった。沢山の収穫もあった。「観て」「聴いて」「ふれた」藝祭2022を、写真と、演奏会の感想で振り返ってみたい。

神輿パレード!









神輿を担ぐシーンはなかったが、ここで担ぎ上げ!


アートマーケット


Kaya 天竺の風 南インド古典舞踊


展示より
「芸術とは、理解するものではなく、感じるものである。」展示を観ながら自分にこう言い聞かせながらも、自分とは全く異なる「感じ方」の世界に棲む学生のなんと多いことか!
















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金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
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「子守歌」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
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金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美

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