3月25日(火)
MS:小泉詠子 /Pf:ジョルディ・パロマレス


~小泉詠子 スペインを歌う~
ムジカーザ
【曲目】
♪ ファリャ/7つのスペイン民謡~モーロ人の織物、アストゥリアス地方の歌、ホタ
♪ トルドラ/6つの歌~母さん、瞳に魅せられた、誰も幸せな者など、お前のことを知ってから
♪ トルドラ/五月
♪ モンポウ/子供の情景~庭の乙女たち(ピアノソロ)
♪ ロドリーゴ/4つの愛のマドリガル~何で洗いましょう、お前は私を殺めた、母さん、僕はポプラの林から
♪ グリーディ/6つのカスティージャの歌
♪ トゥーリナ/幻想的舞曲~饗宴(ピアノソロ)
♪ トゥーリナ/セビージャに寄する歌~幽霊
♪ チャピ/セベデオの娘たち~囚われ人の歌
【アンコール】
♪ ロ・スパーニャ・ベンゴ(?)
このところ、オペラでもコンサートでも引っ張りだこのメゾソプラノの小泉詠子さんが、スペイン歌曲だけのリサイタルを開いた。小泉さんとスペイン歌曲と云えば、藝大大学院でのロドリーゴとの取り組みを思い出すが、スペイン音楽のスペシャリスト、ジョルディ・パロマレス氏との最近の出逢いがきっかけで、このリサイタルを開催する運びになったという。あまり名前を聞かない作曲家達も入ったスペインの歌曲が集められ、通好みとも云えるプログラムだが、ピュアで真っ直ぐな熱い歌に酔いしれた。
小泉さんは作品と徹底的に向き合い、核心を極め、磨き抜かれた瑞々しい声で、それぞれの歌の魅力を伝える。ファリャの「アストゥーリアス地方の歌」では哀愁を、「ホタ」では胸の底にたぎる熱い血を伝え、トルドラの「お前のことを知ってから」では物憂げな心地を優美に歌い、ロドリーゴの「母さん僕はポプラの林から」ではコントロールの行き届いた跳躍の妙技で躍動感を高めた。
小泉さんの歌には、作品を真っ直ぐに射抜くリアリティがある。無駄なものを廃して作品の真の輝きを聴かせてくれる。奔放で開けっぴろげな歌い方もあるだろうが、小泉さんは思いつきのパフォーマンスではない、常に冷静な真剣勝負で聴き手の心の一番敏感なところに響かせる名役者のように歌う。これは、昔聴いたベルガンサの歌を思わせる。プログラムの最後、チャピの「囚われ人の歌」では情熱が炸裂して、張りのある高音がテンションを最高潮に高め、会場は熱い空気に包まれた。久しく疎遠になっていたというスペインの歌でリサイタルを組んで、こんな高みにまで持って行ってしまうことに驚きを禁じ得ない。
リサイタルでは、ピアノのパロマレス氏の存在も大きかった。ギターを爪弾くようなパリッとしたタッチで心の琴線を震わせるピアノには、歌があり、語りがあり、熱い吐息が伝わる。フラメンコギターのような瞬時に空気を変える颯爽としたパフォーマンスにも痺れた。ソロで聴かせた2曲ではそんなパロマレスさんの魂の独壇場となった。2人のインスピレーションが響き合ったようなリサイタルだった。
小泉詠子 メゾソプラノリサイタル 2023.6.2 ムジカーザ
東京二期会オペラ劇場「コジ・ファン・トゥッテ」(ドラベッラ:小泉詠子) 2024.9.6 新国立劇場
東京二期会オペラ劇場「蝶々夫人」(スズキ:小泉詠子) 2024.7.19 東京文化会館
小泉詠子 メゾソプラノリサイタル 2023.6.2 ムジカーザ
第22回演奏会 新作歌曲の会(MS:小泉詠子) 2022.7.16 東京文化会館(小)
おととおととVol.4 小泉詠子(MS)/初鹿野剛(Bar)/朴令鈴(Pf) 2013.12.25 やなか音楽ホール
おととおととVol.2 小泉詠子(MS)/初鹿野剛(Bar)/朴令鈴(Pf) 2012.5.4 やなか音楽ホール
小泉詠子 博士リサイタル 2011.1.11 東京藝術大学第6ホール
「鯨法会」(詩:金子みすゞ)~NHK-FM「リサイタル・パッシオ」~(MS:小泉詠子/Pf:朴令鈴)
「鯨法会」をYouTubeで聴く。(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
CD さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
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最新アップロード:アンレーデのための五重奏曲「花から花へ」
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やめよう!エスカレーターの片側空け
MS:小泉詠子 /Pf:ジョルディ・パロマレス



~小泉詠子 スペインを歌う~
ムジカーザ
【曲目】
♪ ファリャ/7つのスペイン民謡~モーロ人の織物、アストゥリアス地方の歌、ホタ
♪ トルドラ/6つの歌~母さん、瞳に魅せられた、誰も幸せな者など、お前のことを知ってから
♪ トルドラ/五月
♪ モンポウ/子供の情景~庭の乙女たち(ピアノソロ)
♪ ロドリーゴ/4つの愛のマドリガル~何で洗いましょう、お前は私を殺めた、母さん、僕はポプラの林から
♪ グリーディ/6つのカスティージャの歌
♪ トゥーリナ/幻想的舞曲~饗宴(ピアノソロ)
♪ トゥーリナ/セビージャに寄する歌~幽霊
♪ チャピ/セベデオの娘たち~囚われ人の歌
【アンコール】
♪ ロ・スパーニャ・ベンゴ(?)
このところ、オペラでもコンサートでも引っ張りだこのメゾソプラノの小泉詠子さんが、スペイン歌曲だけのリサイタルを開いた。小泉さんとスペイン歌曲と云えば、藝大大学院でのロドリーゴとの取り組みを思い出すが、スペイン音楽のスペシャリスト、ジョルディ・パロマレス氏との最近の出逢いがきっかけで、このリサイタルを開催する運びになったという。あまり名前を聞かない作曲家達も入ったスペインの歌曲が集められ、通好みとも云えるプログラムだが、ピュアで真っ直ぐな熱い歌に酔いしれた。
小泉さんは作品と徹底的に向き合い、核心を極め、磨き抜かれた瑞々しい声で、それぞれの歌の魅力を伝える。ファリャの「アストゥーリアス地方の歌」では哀愁を、「ホタ」では胸の底にたぎる熱い血を伝え、トルドラの「お前のことを知ってから」では物憂げな心地を優美に歌い、ロドリーゴの「母さん僕はポプラの林から」ではコントロールの行き届いた跳躍の妙技で躍動感を高めた。
小泉さんの歌には、作品を真っ直ぐに射抜くリアリティがある。無駄なものを廃して作品の真の輝きを聴かせてくれる。奔放で開けっぴろげな歌い方もあるだろうが、小泉さんは思いつきのパフォーマンスではない、常に冷静な真剣勝負で聴き手の心の一番敏感なところに響かせる名役者のように歌う。これは、昔聴いたベルガンサの歌を思わせる。プログラムの最後、チャピの「囚われ人の歌」では情熱が炸裂して、張りのある高音がテンションを最高潮に高め、会場は熱い空気に包まれた。久しく疎遠になっていたというスペインの歌でリサイタルを組んで、こんな高みにまで持って行ってしまうことに驚きを禁じ得ない。
リサイタルでは、ピアノのパロマレス氏の存在も大きかった。ギターを爪弾くようなパリッとしたタッチで心の琴線を震わせるピアノには、歌があり、語りがあり、熱い吐息が伝わる。フラメンコギターのような瞬時に空気を変える颯爽としたパフォーマンスにも痺れた。ソロで聴かせた2曲ではそんなパロマレスさんの魂の独壇場となった。2人のインスピレーションが響き合ったようなリサイタルだった。
小泉詠子 メゾソプラノリサイタル 2023.6.2 ムジカーザ
東京二期会オペラ劇場「コジ・ファン・トゥッテ」(ドラベッラ:小泉詠子) 2024.9.6 新国立劇場
東京二期会オペラ劇場「蝶々夫人」(スズキ:小泉詠子) 2024.7.19 東京文化会館
小泉詠子 メゾソプラノリサイタル 2023.6.2 ムジカーザ
第22回演奏会 新作歌曲の会(MS:小泉詠子) 2022.7.16 東京文化会館(小)
おととおととVol.4 小泉詠子(MS)/初鹿野剛(Bar)/朴令鈴(Pf) 2013.12.25 やなか音楽ホール
おととおととVol.2 小泉詠子(MS)/初鹿野剛(Bar)/朴令鈴(Pf) 2012.5.4 やなか音楽ホール
小泉詠子 博士リサイタル 2011.1.11 東京藝術大学第6ホール
「鯨法会」(詩:金子みすゞ)~NHK-FM「リサイタル・パッシオ」~(MS:小泉詠子/Pf:朴令鈴)
「鯨法会」をYouTubeで聴く。(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
CD さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
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