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植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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ホトケノザ・閉鎖花とヒメオドリコソウの存在

2025年04月14日 | 植物の生態

毎日ホトケノザの話題でごめん。

なにぶん、うちの庭はホトケノザが繁茂しているのですよ。それを見ていて不思議なことに気づいたのでした。それは特定の場所では閉鎖花ばかりだったことです。

ホトケノザは閉鎖花ばかり。近くにはヒメオドリコソウが生息していました。写真の背景はヒメオドリコソウの群落です。

位置関係はというと・・

映えない雑草写真でごめん。庭の雑草はどうにかしろ!という話でもありますが・・手前がヒメオドリコソウの群落、奥がホトケノザ群落にちらほらヒメオドリコソウが混じっている状態です。以前はヒメオドリコソウの個体数は少なかったのですが、うどんこ病がひどいホトケノザを率先して除去していったら相対的にヒメオドリコソウが増えてしまったという次第。この写真に居るホトケノザは全て閉鎖花で埋め尽くされていました。

一説によると、ヒメオドリコソウの近くに生息するホトケノザは閉鎖花ばかりになるということのようです。ネット上にある、2017年の科研費・成果概要 滋賀県立大学 高倉耕一氏「自家受粉依存を高める在来種:外来種からの繁殖干渉と遺伝的多様性低下の検証

興味深かったのでその内容を簡単にまとめてみますね

  1. ホトケノザの灌水を、ヒメオドリコソウが植えられたポットを通過した水で行うとホトケノザが閉鎖花ばかりになるそうです。ヒメオドリコソウが分泌する水溶性の物質をホトケノザが認識しているということらしい。
  2. ホトケノザの訪花昆虫は、主にケブカハナバチ、ニッポンヒゲナガハナバチ、シロスジヒゲナガハナバチですが、その訪花頻度は極めて低いとのこと
  3. 両者間で重大な繁殖干渉は見られなかったそうです。
  4. 両者を同一ポットで栽培するとホトケノザの身長が半分になってしまうそうです
  5. 在来種のオドリコソウの間でも弱いながら同様な影響があったとのことでした

その一方で・・

家の庭では、ヒメオドリコソウが近くにないのに閉鎖花ばかりの株もありました。また別の理由があるのかもしれませんね。この写真でホトケノザの近くにある植物は、ヘデラ、ニラ、タネツケバナ、カラスノエンドウ、ツルマンネングサ、モリムラマンネングサ、ヒメイワダレソウ。そしてシャインマスカットの根元にありました。

さらに・・

上の写真の中央奥でボケているのがヒメオドリコソウです。ということで、ヒメオドリコソウが近くにあっても開放花の株もありました。生物のことなので物理や数学と違って統計的に有意かどうかになりがちです。

【まとめ】

  1. ヒメオドリコソウの近くのホトケノザは閉鎖花になりやすいという報告があります
  2. しかし、ヒメオドリコソウの近くのホトケノザでも開放花になる場合もありました
  3. 反対に、ヒメオドリコソウが近くになくても閉鎖花ばかりになることもありました
  4. 閉鎖花の偏りには知られていない機序があるのかもしれません

【感想】

科研費の報告書で一番ショックだったのは訪花昆虫が極めて少ない、と書いてあったこと。前に「ホトケノザとヒメオドリコソウの花」の記事で両者の花筒の長さに違いがあることから、訪花昆虫の違いと行動様式を観察したいと思っていたのですよ。陽気の良い日に一日中ぼーっと見てようかな、と。でも無駄骨になりそうですね。


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