*** Plaisir de voyager ***

非日常的な旅で遭遇する色々な体験のお話です。Various enconters in unusual travels.

アガーサ・クリスティを読んで (2) Novel of Agatha Christy (2) 

2015-09-12 | 読書感想

 

アガーサ・クリスティを読んで (2) Novel of Agatha Christy (2)

    凌ぎやすい時節となりましたが、今年の8月は猛暑の夏でした。暑さしのぎに、アガーサ・クリスティのミステリーを英語の原本で読みました。それは、名探偵ポアロシリーズの一冊で、タイトルは、“The Mystery of the Blue Train”(和訳名は「青列車の秘密」)となっていて、出版社はHarper Collinsです。

  この本は、400頁に近い分厚い本でした。しかし、私はフランスが舞台となって展開されるストーリに興味を惹かれ、この本を読んでみることにしました。

  ところでタイトルにあるBlue Train (フランス語ではTrain Bleu)ですが、それはイギリスから近いフランス北部の“カレー”が始発駅で、フランス南部の景勝地“フレンチ・リヴィエラ”まで走っていた長距離豪華寝台列車です。この列車の中で事件が起こることが予想されます。

主な登場人物は、次の通りです。

Mr. Rufus Van Aldin   ロンドンの豪華ホテル“サヴイ・ホテル”に事務所を構えているアメリカ人の大富豪。Heart of Fireと言う宝石をパリで購入する。

Major Knighton      2か月ほど前に雇われたMr. Aldinの秘書。

Ruth Kettering            Aldinの娘で、Mr.  Ketteringの妻。父からHeart of Fireをプレゼントされる。

Ada Mason        Ruthのメイド。  

Mr. Derak Kettering   Ruthの夫。英国貴族の息子で、ロンドンの高級住宅地、「カーゾン・ストリート」に住んでいる。定職がなく、経済的に困窮している。

Mireille                         Mr. Ketteringの愛人 。宝石が大好きなフランス人のダンサー。

Comte de la Roche         Ruthの元恋人 。“フレンチ・リヴィエラ”に住んでいる貴族出身のフランス人で、女たらし。

Mrs. Samuel Hartfield     英国の片田舎に住む老婦人。

Miss Katherine Grey      10年以上Mrs. Hartfieldに仕えた家政婦。その功績で、高額の財産の譲渡を受ける。

Lady Tanpolin            Mrs. Hartfieldのいとこ。”フレンチ・リヴィエラ”に住んでいる。 

その他、Lady Tanpolinの家族、Comte de la Rocheの使用人、ギリシャ人の宝石商、現地の警察署長、予審判事など、多数の人物が登場します。

   物語は、 大富豪Mr. Aldin、その娘のRuth、及びMiss Greyと彼らを取り巻く関係者を中心に描かれています。そして、案の定、Blue Trainの中で、殺人事件が発生します。Heart of Fireを携帯して列車に乗っていたRuth Ketteringが、リヨンに到着する前に殺され、高価な宝石が入っていたバッグが奪われます。同じ列車に乗っていたAda MasonやMiss Greyなどの証言や色々な状況証拠を根拠にして、捜査当局はMr. KetteringやComte de la Rocheを容疑者として取り調べを行います。 

  しかし、ポアロはその二人以外の真犯人がいることを確信し、あらゆる登場人物と面談し、旧友の情報も加味したうえで、いくつかの仮説を科学的に論証して絞り込みを行い、ついに犯人を突き止めます。犯人を特定するためのポアロの捜査がこの小説の神髄です。   

  真犯人は、この小説を読んで確かめて下さい。

 

  “The Mystery of the Blue Train”の翻訳版

青列車の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー
早川書房

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