マトマイニ

ケニアの言葉で『希望』という意味 

私とC型肝炎(出会い)

2006-01-09 23:50:45 | Weblog
今から10年前、平成7年7月に
血液センターから私のもとに1枚のはがきが来ました。

その数ヶ月前に献血をしましたが、
「その結果肝炎の疑いがあるのでセンターに来てください。」

そんな内容でした。

センターの医師からは、
「エイズの関係でここ10年前ほどから血液をよく調べるようになり、
献血の血液も検査するようになりました。
あなたは肝炎の疑いがあるので専門医を受診してください。」
と言われました。

さらに、
「この病気に感染していることは人に話さないほうがいいですよ。
日本人は程度が低いですから。」
と念を押されました。

肝炎もショックでしたが、医師の最後の言葉が
やけに耳に残りました。
「程度が低いから話すな」

確かに当時はまだ職場等でまだまだ差別がありました。

当時の私は、人に口外できないような病気にかかったんだなと思うと同時に、
医者の言葉を実に的を得た表現だなあと感心したのもです。

C型肝炎。
この病気については告知された時にはすでによく知っていました。

なぜなら、わたしの実母も同じ病気にかかっていたからです。

長い慢性肝炎の時期を経て、肝硬変、そして肝癌に進行していく。
それはこの病気のお決まりのコースです。
当時の母は小さな肝癌が見つかった時期でした。
そして主治医からは余命3年と言い渡されました。

C型肝炎。
そう言われた時、自分の人生にもピリオドがあることを
はっきりと自覚しました。
でもそれは考えれば当たり前のこと。
死なない人はこの世に1人もいません。

自分の人生のピリオドを実感することは、
絶望ではなく、
ただ、「そうか私も必ず死ぬのだ」
とはっきり実感することです。

さらに命が有限だと実感出来ることは
毎日をしっかり生きる力のもとにもなるのです。