日本を代表する文学者の作品って教科書以外であまり読むことはないのですが、この本は、以前からいろんな著名人が推薦していて、とても興味を持っていました。
人気作家が描く「日本の美」とはなんだろう、と。
テーマは
「陰翳礼讃」 「懶惰の説」 「恋愛及び色情」 「客ぎらい」 「旅のいろいろ」 「厠のいろいろ」
陰翳礼讃 (中公文庫) | |
谷崎 潤一郎 | |
中央公論社 |
谷崎潤一郎という人物は、ちょっと偏屈で、頑固。でも一本筋が通っている、そんな気がしました
ただ、共感&納得できる部分が多くて、自分でも驚き
例えば「陰翳~」。
日本の文化は、「陰影」によって生まれた、独特の美。それが、「電気製品」「便利さ」によって失われつつある。なるほどなぁ~と
例えば「旅の~」。
列車によるスピード化が、景色の良さ・地元の人との出会いなど、旅行の良さが失われつつある。納得
現代のような「車内でのマナーの悪さ」も当時からあったみたいで
驚くことに、この作品のほとんどが「戦前」に書かれたものなんですね。今読んでも遜色がない。
(まぁ、時代的に「男尊女卑」な表現もありますが…)
近代化に伴う「急激な生活の変化」に戸惑う様子など、現代の急激な「ネット社会」への変化にも通じるところはあると思いました。
昭和初期の人が、昔を懐かしむ。いつの時代もそういう「変化への戸惑い」ってあるんだなぁと。
意外に、戦争が始まるまでは、日本人はもっとおおらかで、オシャレで、貪欲だったんですね。
戦争が後の生活も、言動も変えてしまったのかしら…
その国の「文化」は、その国の「生活習慣」から生まれるんだなぁと、改めて感じました。
大人になった今、日本文化の良さ・大切さを学ぶといい機会となりました。
今の若者は席を譲らないとか、列に割り込むとか書かれていますからね。
ま、いつの時代も同じですね。
最近なんかお年寄りがシルバーシートで携帯使ってますから・・・
こんにちは。
若い頃譲らなかった人が、年を取って「今どきの若者は…」なんて言ってたりして(^_^;)
マナーって本人の心がけ次第なんでしょうけど、年齢関係なくなってきましたね。
この本でのマナーは、特に車内で大騒ぎする人たちのことをお怒りのようです。
確かに旅に出ると、ワイワイとしたくなる気持ちはわかりますが、寝たい人も多いでしょうから…