世の中がザワザワしている中、目にした訃報。
ショックでした。。。
視力が失われたことは存じていましたが、それでも、精力的に活動されていたし、地方公演では名作の再演が相次ぎ、去年の「凱旋門」再演もあったので、まだまだお元気だったのかと思っていました・・・
宝塚にはまったのは、間違いなく平成版「ベルサイユのばら」。
ただ、ファンになる前の幼い頃、テレビで見て印象的だったのが、月組「二都物語」と、柴田先生の星組「紫子」。
「派手さ」「豪華さ」はないけれど、「丁寧な心情表現」と「様式美」が印象に残る、そんな感じです。(こんな陳腐な言葉では足りませんけど)
若手に至るまで配役・セリフがあり、また、ファンの心をくすぐる見どころ満載の作品の数々。生徒にもファンに対しても「座付作者」を体現してくださっていたことを、今さらながら感じています。
平成初頭に本格的にファンになってから、貪欲に昔の作品をテレビやビデオで見まくり、ますます先生の作品に惹かれていきました。
特に印象的だった作品は・・・・
月組「川霧の橋」。しっとりと、大人の恋を描き、当時の月組にピッタリの作品だったな。
雪組「千太郎纏しぐれ」。粋でいなせな火消したちの江戸情緒たっぷりの物語。洋風がお似合いの麻実れいさんが町火消しがお似合いで・・
星組「紫子」。ホントになんと美しく切ない世界観なんだろう・・・と、幼いながらため息が。未だに当時の配役・出演者を思い出せるほど印象的で。
花組「琥珀色の雨にぬれて」。コメディの印象がある高汐さんが、若葉さんとしっとり大人のお芝居を見せてくれたことが斬新で・・・
雪組「忠臣蔵」。映画やテレビで何度も何度も見てきた作品を、宝塚仕様に、いや、杜けあきさん仕様に、逆に新鮮さを感じさせるような素敵な演出で・・・
月組「珈琲カルナバル」。確かお正月作品だったけど地味だな(^^ゞという印象でしたが、宝塚らしい、月組らしい佳作で、主題歌もまだ歌えます。
星組・花組「哀しみのコルドバ」。正直暗いのだけど、切なくて、宝塚らしい「男の色気」を感じさせる、代表作の一つですよね・・・
雪組「雪之丞変化」。舞台上で「屋台崩し」をやるなんて!時代劇でおなじみの作品を、これまた雪組らしく、一路さんに持って来いの作品に仕上げていただいて・・・
月組「黒い瞳」。演出は謝先生で、とてもスピーディーな展開が新鮮でしたが、ソ連になる前のロシアの時代背景と、物語の世界観が当時の月組にピッタリ。
・・・感想が薄いでも、すごく好きな作品たちなのです
「あかねさす紫の花」とか「炎のボレロ」とか「あの日薔薇一輪」とか「うたかたの恋」とか「凱旋門」とか・・・・・・まだまだ、山ほどあるのですが、書いているとキリがないので
今でも再演が多い名作ぞろいだなぁと、改めて感じます。
今回、この訃報で初めて知ったのですが、作曲の寺田先生と同期入団だったとか。思えば「耳に残る楽曲」が多いのも、寺田先生との共作が多いからなのでしょうね。
今でこそ、大劇場での一本物の大作が主流になりつつありますが、柴田先生は最後まで一貫して通常時間内でのお芝居にこだわってらした気がします。(旧大劇場最後の「忠臣蔵」だけが例外?)昔ながらのファンとしては、「お芝居とショー」という組み合わせが嬉しいんですよね。(もちろん一本物も名作ありますが)そして、外部の演出もお断りされていたとか。心から「宝塚歌劇」を愛されていたんだなぁと。
演出もとても厳しかったとお聞きします。でも、そういう「頑固な職人気質」の方だからこそ、多くの名作が生み出されたのかもしれませんね。
訃報に際し、手掛けた作品を調べて、改めて先生の存在の大きさを感じずにはいられません。何度も見直すような好きな作品の多くが、柴田先生のものだったことに驚きました。
新しいことにもチャレンジし続けられてましたが、「古き良き時代の宝塚」がまた遠くなったような・・・
遺された作品を見ながら、ご冥福をお祈りしたいと思います。
名作の数々を、本当にありがとうございました。