
カフェ。
トチョル「ココにいるって、どうしてわかった?」
ホンギ 「ジムを辞めたんだって?どうやってやっていくんだ?
昨日オレが言ったコト、考えてみてくれたか?
頼みごとをするのはコレで最後だから、助けてくれよ!!」
トチョル「もう、たくさんだ!!失せな!!」
ホンギ 「ダチにそんなコト言うのか?ヒドイぜ!!」
トチョル「行けよ!!」
ホンギ 「わかったよ…こんなコトやめろよ!!」
トチョル「行け!!」


ミミが来る。
ミミ 「外で話せる?ゴメンね、約束があって…」
トチョル「少しの時間もないの?」
ミミ 「大事な約束なの。明日、会わない?ジムに電話するわ。」
トチョル「辞めたんだ。」
ミミ 「そうなの…もう行くね。」


雨が降る路上を走るトチョル。 車でついて行くホンギ。
ホンギ「トチョル!!乗れよ!!乗れってば!!ガンコなヤツだ。
カゼひくぞ!!もう、やめろよ…
イ・トチョル選手!!右に続いて左、強烈なパンチです!!
対戦相手はフラフラです!!
イ・トチョル選手!!タイトル獲得はもうすぐです!!
ココで、相手の猛烈なパンチ!!
イ選手の顔面をとらえ、鼻が折れました!!
勝利は目前だったのに、次のラウンドまで待たなければなりません…」
思わず笑いながら、立ち止まるトチョル。
ホンギ 「乗れよ!!オレの言ったコトは忘れてくれ。」
トチョル「やるよ。」



果物店。 取立てのため、店内を窺う2人。
ホンギ「客は帰ったか?」
ビルの屋上。
ホンギ「17で家を出てから何でもやった。」
店に入り、店主を脅す2人。
主人「誰の使いだ?」
車内。
社長 「アイツはオレたちに借金があるのに、返さない。
ヤツみたいなヤローは、痛い目にあわせて、わからせてやらないとな。」
屋上。
ホンギ「100万あったら、何でもできるのに…」
車内。
社長 「トチョル、よく聞け。利口なヤツはチャンスをつかむものだ。」



屋上。
トチョル「夢だけで食っていけないコトはわかるさ。生活のためにも生きないと…」
ホンギ 「ウソつけ!!バカ!!」
店内を荒らす2人。
ホンギ 「借金しておいて、踏み倒すのか?」
車内。
社長 「(ホンギに)ピョングクがオマエの話をしていたが、オレは何も言っていない。
余計な心配せずに、この仕事に集中しろ!!」
屋上。
ホンギ「見てろ!!あと6年で成功してやる。」
車内。
社長 「仕事が終わったら金をやる。さっさと片付けろ!!」
店内。 2人が脅しているところに、主人の母親が来る。
母 「どこにいるの?」
主人「ココだよ!!」
屋上。
トチョル「金持ちになれば、皆オマエを尊敬してバカにはしない。」
ホンギ 「去年、競馬で100万儲けたんだ。今までのを合わせると1200万だ。
ビルを買ってりゃ金持ちになれたのに…」
店内。
ホンギ「(入ってきた母親を見て)トチョル!!もうやめろ!!終わりだ!!」
屋上。
トチョル「そんなに金が大事か?」
ホンギ 「もしこのビルを買ったら、500万の賃貸料だぜ。
金さえあれば、人生が楽しめる。
毎日が思い通りだ。オマエはどう思う?」


店内。
トチョル「行こう!!はやく!!」
ホンギ 「金を取らないのか?」
トチョル「そんなモノいるか!!クソッ!!」
屋上。
トチョル「母さんは2年前に死んだ…今夜はジムで寝るよ。」
ホンギ 「オレは行くところがある。また明日な!!」


ジムの前で、トチョルを待つミミ。
ミミ 「さっきはゴメンね!!」
トチョル「うまくいったの?」
ミミ「いいえ、私ってバカよね?女優になりたいだなんて…そう思わない?」
トチョル 「何かあったの?」
ミミ 「化粧品のCMのオーディション、受かると思ったんだけど…
ガッカリはしてないわ。自分のコトは、よくわかってるから。」



露天でビデオを売るホンギ。
子供 「おじさん、コレいくら?5千ウォンしかないんだけど…」
ホンギ「おい…5千で売ったら、オレが5千損しちまうよ。」
子供 「そんなにバカにしないでよ!!」
ホンギ「何だと?オマエいくつだ?」
子供 「アンタには関係ないでしょ!!ちがう?」
ホンギ「親は、オマエにこんなモノ見せるのか?」
子供 「親がイイって言ったら、アンタは子供にでも売るの?」
ホンギ「オマエは、コレを見るには若過ぎるよ。やめときな!!」
子供 「うるさいな!!」
ピョングクが追って来る。 駐車場の車の陰に隠れるホンギ。
ピョングク「ホンギ!!そうやって隠れてな!!
静かにしろ!!聞こえるぞ!!ホンギ!!
オマエ男だろ!!情けないヤツめ!!3日だけやる!!
それまでに来なければ、命はないぞ!!覚えとけ!!ホンギ!!」


ミミの家。 朝食を食べる2人。
トチョル「うまいよ!!」
ミミ 「おじさんがセールスマンなの。仕事を探してもらうわ。いや?」
トチョル「いいや、考えておくよ。」
ミミ 「なぜ?仕事が必要でしょ?」
ミミのケータイが鳴る。
ミミ「もしもし?あっ社長さん!!はい、何ですか?3時前?時間はあります!!」
出かけるミミ。
ミミ「行くね!!私を待たないでね!!」


ピョングクからの電話。
「ホンギ、3日経ったぞ!!オレから逃げられると思うか?カタをつけないとな…」
トチョルに電話するホンギ。 「オレだよ!!すぐに連絡してくれ!!」


宝石店の前。
ホンギ 「トチョル!!」
トチョル「誰の車だ?」
ホンギ 「盗んだんだ。運転してくれ。早く!!」
トチョル「どういうコトだ?」
ホンギ 「もう1度オレを助けてくれよ!!」
店に侵入して、宝石を奪おうとするホンギ。 アラームが鳴る。
トチョル「おい、逃げるぞ!!行こう!!このヤロー!!逃げるんだよ!!」
ホンギ 「放せよ!!コレを盗らなきゃ!!」
トチョル「正気か?ムショに行きたいのかよ?」
ホンギ 「ああ、オレはイカれてるさ。コワイならオマエ1人で逃げろよ!!クソッ!!
オレはやってやる!!このヤロー!!」



車ごと店に突入するトチョル。
ディスプレイのガラスが割れ、中の宝石を盗るホンギ。
トチョル「サツが来る!!逃げよう!!サツだぞ!!」
ホンギ 「待てよ!!」
トチョル「サツだってば!!」
ホンギ 「知るか!!もっと持ってくぞ!!」
トチョルが警官を殴り、2人は車で逃走。
海辺の2人。
ホンギ「ちぇっ、何も見えねえや!!」
酒を飲む2人。
ホンギ 「ミミとケンカしたのか?」
トチョル「オレとは合わないんだよ。」
ホンギ 「あの娘はいいコだから、大事にしてやれよ。」
トチョル「借金はいくらあるんだ?」
ホンギ 「聞くなよ、わかったか?オレには何もない…」


海の中に入り、泣くホンギ。 チャンピオンになる自分を夢見るトチョル。
海の中で叫ぶホンギ。
「ホンギ!!オマエならできる!!ピョングクのヤツ、見てるがいい!!」
沈みそうなホンギを助けるトチョル。
ホンギ「オマエ、オレを殺す気かよ?」
トチョル「オマエが自殺するのかと思ったんだよ!!何、泣いてるんだ?」


夜明け。
ホンギ 「オマエも、オレを腰抜けだと思うか?」
トチョル「いいや、腰抜けはオレさ。リングに上がるのがコワイんだ。」
日の出。
トチョル「キレイだな!!こんな日の出を見たのは初めてだ。」
ホンギ 「アホか!!でも、こんなキレイな日の出はドコにもない…
一生ココに住みたいな。」
トチョル「冗談だろ?1ヶ月ももたないさ。」
ホンギ「そうだな。」


海辺で、子供たちとサッカーをする2人。
ホンギ 「さあ、行こうか!!」


金も仕事もないけれど、これが青春なのダ!(少し年はイッテるけど…)

動画は


