着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

着物が着られるという定義と着付け教室の選び方

2019-10-19 16:55:45 | 着付け教室
多くの着付け教室で「うちの教室では○回のお稽古で着物が着られるようになります」とか「着物が着られるようになるまで無料とか△円(お値打ち価格)で何回でも通っていただけます」とかいうお教室の宣伝を見ることがあります。

因みに私のお教室では一回一時間半のお稽古を10回前後していただくと、自信を持って着られるようになる方が多いです(勿論ご自宅などでの復習は不可欠です)。

さてこの10回前後というお稽古の回数ですが、私の教室では、次のようなことができる回数として設定しています。
1.TPOに応じてご自身が適切に着物や帯、小物を選ぶことが出来る。
2.着物を着るための下準備(半襟や伊達衿をつけたり衿芯を通すなど)が出来る。
3.ご自身の体型にふさわしい補整をして普段着から礼装の着物が着られる。
4.半幅帯、名古屋帯、袋帯で、帯の柄の出方を意識しての、基本的な帯結び(手結び)が出来る。
5.着た後のメンテナンスの方法を知っている。
6.着物、長襦袢、帯を畳むことが出来る。
7.着物や帯、小物などを賢く手に入れる方法(リユース品、インターネットでの買い方の注意点なども含めます)が分かる。

正直私の教室では、自分が着るお稽古についてはマンツーマンの形態を取っているので、集団講習の形態を取っているお教室よりは一回のお稽古内容が濃く進みが早いのだと自負しています。
色々なお教室で公表されているカリキュラムを見ると、私の想定する「着られる」レベルに達成するには、一回2~4時間のお稽古で24回とかそれ以上とか、随分と時間も費用もかかっているところが多いことが分かり、改めてびっくりしました。

洋服を着てお出かけするとき、大抵の方は何を選んでどんな着方をして出かけるのかは自分一人で決める方が多いと思います。
私は普段着の着物であれ礼装の着物であれ、
「自分でTPOに応じて適切に着るものを選び、自分一人で着て自信を持ってお出かけできる、洋服の着用と同じように出来る」、
そういうレベルを「着物が着られる」ということに設定しているのですが、そのあたりが他教室の考え方と随分異なっていると感じます。

着物が着られるということが「浴衣が着られるレベル」を指すこともあれば、「小紋に名古屋帯のお太鼓が締められる」レベルを指すこと、お太鼓の作り方も、器具を用いたやり方に限定される場合を指すこと…と、教室によって考え方も実に様々です。
私の想定する「着られる」レベルに達していないと着物を着てお出かけ出来ないということではありませんが、着物初心者さんが着付けの教室を選ぶときは、教室ごとに「着物を着られるようになること」をどのように設定しているのか、自分が求めるレベルに達成するまで何回位通うのか、それまでにどの位費用がかかるのか、を考えられると良いのではないかと思います。

勿論お教室に通う目的が、お仲間を作ることとか息抜きであるとか、着物を買う環境が整っているところであるとか、その目指すところによってそれらがメリットにもデメリットにもなりうると思いますので、様々な点からお教室選びをされると良いと思います。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko



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