先日、女紋についてのブログを書きましたが、そこで私が分からずにモヤモヤしていることについて何とか解決したいと思い、思い切って「女紋」の研究家に直接ホームページからメールで問い合わせてみました。すると、
「こちらまで電話をしてください」
と、電話番号が書かれたメールを頂戴することができ、早速電話してみました。
私のモヤモヤの内容は大きく次のとおりです。
1 私は女紋というものの存在を知らない状態で結婚した(結婚後、女紋という考えがあることを知る)。
実母に結婚前に着物の喪服を誂えてもらったが、その紋(丸に剣酢漿…実家と婚家は偶然にも同じ家紋)を見た義母(京都人)に、
「男紋がついていておかしい」
という趣旨のことを言われたので京都ではこちらの着物を着用出来ないでいる。やはりこの着物を京都で着ることはおかしいことなのか?
2 関西の知人に
「女紋というのは代々女性に継がれていく紋だ」
と聞いた。しかし義母の紋が付いている着物にはそれぞれの着物で紋に統一性がない(アゲハ蝶、蔦、中陰桐胡蝶)。これはどういう考え方からなのか?
③私が義母から譲り受けた黒留袖には「中陰桐胡蝶紋」がついている。
黒留袖は必ず五つの染め抜き日向紋を付けるものだと思っている(着付け教室でそう教わったし、テキストにもそのように書いてある)。何故「中陰紋」をつけているのか?
何か意味があるのか?
④私自身の母(島根県出身)も女紋を持たない。そして、そういうものの存在についても知らない。
私が今後紋付きの着物を誂えるならどんな紋を付けたら良いのか?
研究家の解答
まず、私の色々なモヤモヤについて最後まで聞いてくださり、
「あなたも、着物を誂えてくださったお母さまも嫌な思いをされましたね。折角誂えた着物にケチをつけられて、着られない状況にさせられているということですからね。女紋なんて、ほぼ一部の地域だけの習慣で、その習慣を知らない人の方が多いくらいのもんですよ。その女紋にもこれといった定義は無くて、色々な考え方があります。
話しを聞くに、恐らくあなたのお義母さまの考える女紋というのは、女性ならどなたでも着ることが許されている…通紋(五三桐、アゲハ蝶、蔦)という考え方なんでしょうね。誰でも女性なら着られるという考え方から、この紋が付いているからあなたに譲るよ、と他の親戚やら知人やらから譲り受けたりして、結果こちらの紋が付いている着物が沢山集まっているといった家は多いと思います」
とのこと。
また、女性が着るレンタルの紋付きの着物には無難に「五三桐」がついていることが多いが、レンタルのものと区別をしたいがためにこちらの紋にアレンジを加えた紋をつける考え方があることや、
『黒留袖には必ず染め抜き日向紋をつける』
というのは逆に関東の習慣で、関西では中陰紋を付けることもあることなどをお教えいただきました。
そして、私が関西で
「丸に剣酢漿の喪服を着るのはおかしいのか」
ということについても
「おかしくありません。あなたが京都の方と結婚したからって、あなたのお母様の、(女性であろうと)代々の家紋をつけるという考えは間違っていないので、もしも男紋がついていておかしいと言われるような人が居れば、あなたが色々な考え方があるということを教えてあげたら良いですよ。そしてそれでもうるさく言う方がいれば女紋の研究家の私が良いと言ったと言ったら良いですよ」
とも言われました。そして、今後私が紋付きの着物を誂えるならどんな紋をつけたら良いのかということについても、少しの迷いもないかの如く即座に
「『丸に剣酢漿』です。だって、あなたには女紋は無いのだから。誰でも着られるからと無難に五三桐をつけるなんていうのはやめておおた方が良いと思いますよ。あなたはきちんとあなたの家紋を知っているんだし、それを大切にするご実家の考えを継承したらいいんです」
とのこと。
長年モヤモヤしていたことが腑に落ちて凄くすっきりしました。
現代のように何でもインターネットで調べれば情報が取りに行ける時代でもわからないことがあって、専門の研究者がいらっしゃることが有り難く思えました。
そして、自分が当たり前だと思っている習慣を、それを当たり前だと思っていない人に「おかしい」と自分の考えを押し付けるのではなく、他者の考え方も理解し合うことは大切だと思いました。
「みんな違ってみんないい」
の精神で寛容な人間でありたいと思うと同時に、私は実母の誂えてくれた「丸に剣酢漿」がついた着物を大切にして然る場面が来たならば例え関西であろうと着用したいと思いました。
然る場面は喪服なだけに出来るだけ来て欲しくはないですけどね。
川口着付個人教室
http://www.wbcs.nir.jp/~yoko
「こちらまで電話をしてください」
と、電話番号が書かれたメールを頂戴することができ、早速電話してみました。
私のモヤモヤの内容は大きく次のとおりです。
1 私は女紋というものの存在を知らない状態で結婚した(結婚後、女紋という考えがあることを知る)。
実母に結婚前に着物の喪服を誂えてもらったが、その紋(丸に剣酢漿…実家と婚家は偶然にも同じ家紋)を見た義母(京都人)に、
「男紋がついていておかしい」
という趣旨のことを言われたので京都ではこちらの着物を着用出来ないでいる。やはりこの着物を京都で着ることはおかしいことなのか?
2 関西の知人に
「女紋というのは代々女性に継がれていく紋だ」
と聞いた。しかし義母の紋が付いている着物にはそれぞれの着物で紋に統一性がない(アゲハ蝶、蔦、中陰桐胡蝶)。これはどういう考え方からなのか?
③私が義母から譲り受けた黒留袖には「中陰桐胡蝶紋」がついている。
黒留袖は必ず五つの染め抜き日向紋を付けるものだと思っている(着付け教室でそう教わったし、テキストにもそのように書いてある)。何故「中陰紋」をつけているのか?
何か意味があるのか?
④私自身の母(島根県出身)も女紋を持たない。そして、そういうものの存在についても知らない。
私が今後紋付きの着物を誂えるならどんな紋を付けたら良いのか?
研究家の解答
まず、私の色々なモヤモヤについて最後まで聞いてくださり、
「あなたも、着物を誂えてくださったお母さまも嫌な思いをされましたね。折角誂えた着物にケチをつけられて、着られない状況にさせられているということですからね。女紋なんて、ほぼ一部の地域だけの習慣で、その習慣を知らない人の方が多いくらいのもんですよ。その女紋にもこれといった定義は無くて、色々な考え方があります。
話しを聞くに、恐らくあなたのお義母さまの考える女紋というのは、女性ならどなたでも着ることが許されている…通紋(五三桐、アゲハ蝶、蔦)という考え方なんでしょうね。誰でも女性なら着られるという考え方から、この紋が付いているからあなたに譲るよ、と他の親戚やら知人やらから譲り受けたりして、結果こちらの紋が付いている着物が沢山集まっているといった家は多いと思います」
とのこと。
また、女性が着るレンタルの紋付きの着物には無難に「五三桐」がついていることが多いが、レンタルのものと区別をしたいがためにこちらの紋にアレンジを加えた紋をつける考え方があることや、
『黒留袖には必ず染め抜き日向紋をつける』
というのは逆に関東の習慣で、関西では中陰紋を付けることもあることなどをお教えいただきました。
そして、私が関西で
「丸に剣酢漿の喪服を着るのはおかしいのか」
ということについても
「おかしくありません。あなたが京都の方と結婚したからって、あなたのお母様の、(女性であろうと)代々の家紋をつけるという考えは間違っていないので、もしも男紋がついていておかしいと言われるような人が居れば、あなたが色々な考え方があるということを教えてあげたら良いですよ。そしてそれでもうるさく言う方がいれば女紋の研究家の私が良いと言ったと言ったら良いですよ」
とも言われました。そして、今後私が紋付きの着物を誂えるならどんな紋をつけたら良いのかということについても、少しの迷いもないかの如く即座に
「『丸に剣酢漿』です。だって、あなたには女紋は無いのだから。誰でも着られるからと無難に五三桐をつけるなんていうのはやめておおた方が良いと思いますよ。あなたはきちんとあなたの家紋を知っているんだし、それを大切にするご実家の考えを継承したらいいんです」
とのこと。
長年モヤモヤしていたことが腑に落ちて凄くすっきりしました。
現代のように何でもインターネットで調べれば情報が取りに行ける時代でもわからないことがあって、専門の研究者がいらっしゃることが有り難く思えました。
そして、自分が当たり前だと思っている習慣を、それを当たり前だと思っていない人に「おかしい」と自分の考えを押し付けるのではなく、他者の考え方も理解し合うことは大切だと思いました。
「みんな違ってみんないい」
の精神で寛容な人間でありたいと思うと同時に、私は実母の誂えてくれた「丸に剣酢漿」がついた着物を大切にして然る場面が来たならば例え関西であろうと着用したいと思いました。
然る場面は喪服なだけに出来るだけ来て欲しくはないですけどね。
川口着付個人教室
http://www.wbcs.nir.jp/~yoko