「おとなになれなかった弟たちに・・・」

その絵本の事は、たまたま聞いていたカーラジオの朗読で知った。
ほんとうにちらっと耳にしただけだったんだけど、なんだかきちんと読んでみたくなって、amazonで頼んだ。
俳優の米倉斉加年さんが自分自身のことを書いた絵本で、戦時中で出兵して父親がいない貧しい家族のお話。
読み終わったあとやっぱり涙が出てきた。
甘いものどころか、口にはいるものがない時代、かわいがっていた弟のミルクを盗み飲みしてしまう少年。とてもひどい事をしていると解っていても自分を止めることができず、泣きながらミルクを飲む少年。そしてミルクしか飲めない弟は栄養失調で死んでしまう。
「食べ物がない」という状況は本当に大変で残酷な事であると、つくづく感じた。淡々とした文面、簡単な言葉で表現してあるにもかかわらず、そこからものすごいやりきれない感情が伝わってくる。本能で行動してしまった事を、人間であるがために、理性、感情が責め立てる。この少年は一生後悔し続けるのだろう。
こういった感想はもてても、多分私は「ひもじい」なんて気持ちは絶対理解できていないと思う。想像しかできない。
それでも「想像」だけでも出来ればずいぶん違うと思う。今世間でめちゃくちゃやってる若者達、彼らにもうちょっと「想像力」があればな～と思う。我が子達には「想像力豊かな」子どもになって欲しい。

というわけで、さっそくケンにこの本を読ませてみた。（４年生のとき担任の先生が紹介してくれたらしく、すでに知っていたが・・）
やけに静かだな～と思ったら、やっぱり泣いていた。こういう本を読んで素直に泣ける子でうれしかった。

この絵本読んだ事ない人、数分で読めるのでぜひ読んでみて下さい。
絵もすごくいいです。
貸し出しますよ～。