When I Dream

~気侭な戯言日記~

髪を切るなら・・・

2007-06-16 23:50:50 | ボクシリーズ(物語風/エッセイ風)
「やっぱり無いかぁ・・・」ボクは小さな声で呟いた。淡い期待を抱いて来てみたものの、これでこの街にある3軒の中古屋は全滅だ。この街にはもう行くあては無い。 ボクは、どうしたものかと考えながら、3軒目の中古屋の入口の方へゆっくりと歩いた。 店の中の照明は蛍光灯ではなくオレンジ色の光で、店の一角に並んでいるお香が、静かで落ち着いた不思議な雰囲気を醸し出していたが、一歩外へ出てみると、街の色々な音が複雑に絡んで耳に届き、夏の陽射しの強い光が、ボクの真上から降り注いで眩しかった。 右の手の平をおもわず額にあて、何の気なしに真上を見上げてみると、雑居ビルの背後は水色の空で、薄い白いすじ雲が一層暑い夏の到来を感じさせる。 . . . 本文を読む
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