大地産笑~畑は笑顔を育てる~

新しいスタートラインに立っている今。いろいろなところに目を向けて未来につなげたい。

“死に方用意”(男たちのYAMATO)

2005-12-23 12:20:05 | 平和なひととき
この言葉が書かれた黒板を見たらどんなことを思うのか…。戦争中でしかも15・16歳の年齢でどう思うのか。死ぬ準備をしろっていうことなんだが。親の顔、家族の顔、好きな人の顔、友達の顔、思い出を思い浮かべるのか…。

今という時代に生きている自分にとってはわからない。想像もできない。平和だからなのか。もう戦争はないと思っているからなのか。

“死に方用意”と黒板に書かれた。無言で沈黙の中で。死ぬ準備をしとけという意味もあると思うが、「生きろ」ということが本当の意味だったのように思える。生きなければならない。

昨日、『男たちのYAMATO』を見てきた。一人で。一人で来ている中年の男の人も多かったように思えた。自分の親の時代、自分の子供時代の人もいたかもしれない。思い出してなのか、それとも平和な時代になってよかったと思ってなのか、どこからともなくすすり泣く音が聞こえた。おれも泣いた。今、平和な時代に「生きている」というか、彼らに「生かされている」というように感じとった。

リアルな戦艦大和は6億円の投資による原寸大のセットらしい。しかしそのわりに紋章がプラスチックみたいでちゃちかった気がしてはならない。輝きがあまりなかった。しかし、原寸大のセットを使っての撮影だったからこそできた迫力というものもあった。敵の砲弾に打たれ飛ぶ兵士、爆風により壁に打ち付けられる兵士、手足が打ちちぎられる姿…。リアルに感じた。

奥さんも有名な2大俳優。反町隆史(奥さん:松嶋菜々子)と中村獅童(同:竹内結子)のビッグなコラボ。そのわりには演技はあまりよくなかった気もする。他のシーンがあまりにも迫力ありすぎて、そことのギャップがありすぎた。『今、会いにゆきます』の中村獅童の方がよかった。なんかずっと同じような緊張しっぱなしの顔立ちだった。反町隆史のほうはGTOの印象が強くて、渋すぎた。主題歌は長淵剛。これもまたまた渋すぎ。長渕はやっぱりかっこいい。あの声。映画に合っていた。キャスト重視というよりは内容重視の作品だった。

この映画、今の時代に生きている自分たちへの「生きろ」というメッセージなのかもしれない。「生きている」のではなく、「生かされている」ということ。そしてもう2度と繰り返してはならないということ。戦争が起きてもお国のためにだなんて言っても戦地には行きたくない。個人が尊重される時代だから、天皇制でないから。そんなことじゃない。ただ、怖いから。死にたくないから。他人を殺したくないから。これだけだ。

日本は戦争しないと言っているが自衛隊のことのかいてある9条も変わり、いつ戦争してもおかしくない状態。平和に慣れてしまっている自分たちはもしそのような状態になってしまったらどうするのか。反対はするだろうが。渋々行ってしまうのか。考えられない。けれど、近い時代そういう日がきてもおかしくない。今は考えないようにしたい。というか、考えたくない。戦争は反対だ。といっても世界のどこかでは戦争を現在進行形で行なっている。考えたくないと思っていても、映像が流れたら考えずにはいられない。他国のことだからというわけにはいかない。

上司の命令には絶対服従しなければならない。もし歯向かった場合は体罰を与えられる。この影響が伝統のように残っている。悪い伝統。今の日本にはふさわしくない。若い人たちがどんどん世界へ飛び立っている時代。若い世代の考えがこれからの日本を変えていく。政治の世界でも農業の世界でも、年寄りが頑張ってしまっている。若い人の考えはあまり反映されない。だから若い人たちの活躍する場が消えていく。新しい時代にしていくためにも、新しい農業体系にしていくためにも、この伝統は変えていかなければならない。よい伝統は残しておく。悪い伝統は変えていく。それを今しなければならないだろう。

男の背中はかっこいいというが、今はそんな時代じゃない。面と面を向かって接していく時代だ。かっこいいのではなく、悲しいだけだ。“生きろ”。


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1 コメント

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君のお父さんから、 (佐藤K(KAZZ Satoh))
2005-12-30 13:17:22
君のお父さんから、このブログを教えてもらいました。ここ1、2年ほど、お父さんにお世話になっている者です。



たまたま、ぼくの妹が「マットデザイナー」として大和の映画に関わったので観ました。でも小3と年少の息子たちを連れて行きました。



おそらく戦争をいうものは、あの映画で描写されていたようなものなのでしょう。それを見せたいと思いました。

 なぜなら、このままだとぼくの息子達は戦争に行くことになるだろうと思うからです。



君のブログをぼくの妹に紹介します。喜ぶと思います。どうもありがとう。
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