大地産笑~畑は笑顔を育てる~

新しいスタートラインに立っている今。いろいろなところに目を向けて未来につなげたい。

アジア学院卒業式

2005-12-10 21:24:29 | 非現実世界アジア学院
 本日12月10日第33回卒業式が行なわれた。2005年度は4月4日から34名の学生を14カ国より迎えて研修を開始したのだが、3名が諸事情により中途退学してしまい、本日13カ国31名が卒業生となった。退学した3名を思うとき、祖国を長期間離れてこの研修を貫徹することが、決して単純なことではないことを改めて認識した。(教務報告参照)

 祝辞として、(社)国際農林業協力・交流協会の方や駐日ザンビア共和国大使からお祝いの言葉をいただいた。(社)国際農林業協力・交流協会の方の祝辞はもうなんていったらいいか。誰かに書いてもらったのを読み上げているような感じだったし。しかも学生らを見下してるように思えた話し方。ほんとやめてほしい。隣のスタッフと耳打ちで話したがそこでも、「なんでああいう人ってああいう話し方しかできないんだかね」って。

 祝辞の最後にボランティアからお祝いの言葉。その担当は4月からずっといるEriiさん。お祝いの言葉のあと、ボランティア・学生一同でマイケルジャクソン『Heal The World』の大熱唱。ホント楽しかった。みんな揃って大声で歌うことも今日で最後か…。歌ってやっぱいいね。みんなをひとつにさせる。

 自分もあと少しでアジア学院を去る。ここでの約半年間、振り返ってみて思い出すといろんなことがあった。7月初めにボランティアとして来てから今まで。最初は右も左も上も下も、そして言葉もわからなかった。英語という世界共通語であるにも関わらず、英語をまともに話したのは高校の修学旅行でイギリスに行ったっきりだった。自分には勇気がないということを改めて認識した。外国人と話す時、文法を間違えないようにしようだとか、単語がわからないだとか…。でもそれは次第に慣れてきて学生から英語で話しかけられたときの対処法を発見した。それは笑顔だ。笑顔で接していくうちに何を話しているかを聞き取れるようになり、今は簡単なコミュニケーションくらいはできるようになった。もっと話したい。もっと自分のことを相手に伝えたい。世界中に友達を作りたい。世界を見てみたい。そしてもっと語学を好きになりたい。そう思えるようになってきた今日この頃。本日まで何を見て、何を発見して、何を考え、何を得たのか、それは一言じゃ表せない。日記を振り返ってみて見つめなおしたい。

 学生はアジア学院で、栃木県西那須野で、日本で、何を学べたのか。そして故郷に帰ってどう活かしたいのか。それはこの前のファイナル・プレゼンテーション(卒論発表会)で明らかになった。自分の地域に有機農業の研修施設を作りたいだとか、化学肥料に頼らないで地域間でボカシ作りを徹底したいだとか、直売所を設けたいだとか、技術力の向上を見計らって技術力の高い農家に経済的に乏しい農家を積極的に行かせるだとか、アジア学院のような地位が高くても低くても平等だということを広めたいだとか、たくさんの夢を話してくれた。中にはアジア学院で学んだことが活かしきれていないような人もいたが。スタッフではないのですべての学生の発表を聞くことはできなかったが、たぶん4月に来た時には考えることもしなかったことを発表したと思う。ここでの経験を活かして故郷の農業の発展につながるようにしてもらいたい。日本人など青年海外協力隊で現地に行って農業指導するよりは、自国の人から日本での体験をふまえて直接話して指導した方が効果はあると思われる。自分もそうだが、日本人ってボランティアなどをして途上国に貢献していると自分自身で思っているように、少し思い上がってしまうところがあると思う。ここでの経験・思い出は一生残っていくだろう。自分もここでのことはこの先忘れることができない。今年度の学生たちとの思い出は深く心に刻んでおこうと思う。

 最後に、学生たちには心から「おめでとう」と言いたい。そして約半年間一緒に生活してくれて「ありがとう」とも言いたい。また、お世話になったスタッフの方、他のボランティア、たくさんのワーキングビジター、充実した約半年間が送れたことに感謝の気持ちを差し上げたい。ここでの生活は自分にとってもこれから生きていくう上で何らかに活かされていくだろう。忘れることのできない約半年間になった。本当に感謝している。でもまだ終わってはないけどね。


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