2010年7月20日(火)、一関市立山目公民館(青葉1丁目)から100mほどしか離れていない民家の庭に植えられたメマツヨイグサ(雌待宵草)と思われる植物が花を咲かせていました。
メマツヨイグサ(雌待宵草) アカバナ科 マツヨイグサ属 Oenothera biennis
北アメリカ原産の多年草。明治時代中期に入ってきて、いつの間にかこの仲間では最も普通に見られるようになっている。高さは50~150㎝。葉は細めで、尖る。花期は6~9月。花は夕方咲きはじめ、翌朝しぼむ。花は黄色の4弁花で、オオマツヨイグサより小さく、直径4㎝前後。花弁と花弁の間に隙間があるものをアレチマツヨイグサと呼ぶこともある。
マツヨイグサの仲間:には、マツヨイグサ(待宵草)、オオマツヨイグサ(大待宵草)、アレチマツヨイグサ(荒地待宵草)/メマツヨイグサ(雌待宵草)、コマツヨイグサ(小待宵草)などが良く知られているが、いずれも北米か南米産で、黄色い花を夜に咲かせる。
マツヨイグサ Oenothera strictaは、江戸時代末期に南米のチリから渡来。大正から昭和初期にかけて本州南部の河原や海岸に大繁殖したが、その後急激に減少した。高さは30~90㎝。5~8月、直径3~5㎝の黄色の花が咲き、しぼむと赤くなる。葉は細い。
続いて北米原産でヨーロッパで品種改良されたものが日本に入ってきたと考えられているのがオオマツヨイグサ Oenothera erythrosepala。明治時代初期のことで、一時は各地に広がり、河原や海辺などに広く野生化していたが、最近はめっきり少なくなってしまった。この仲間では花が最も大きく、直径8㎝近くもある大輪の4弁花。高さは1~1.5mになる。葉は互生し、幅広く、葉先は鈍い。花期は7~9月。
次にアレチマツヨイグサ(メマツヨイグサ)が北米から明治時代中期に渡来。現在各地に最も広がる。
最後に、コマツヨイグサ(小待宵草)が、大正末期から昭和初めにやってきた。この種は高さ20~50㎝ほどで、海辺に野生化している。茎は立たずに這うことが多い。葉に波形の鋸歯。黄色の4弁花で、花は中形。
なお、多くの図鑑などでは「2年草とか1年草」とされているが、栽培すると多年草であることが分かる。また、オオマツヨイグサとかマツヨイグサなどの黄花種を”月見草”ということもあるが、これは誤り。太宰治が「富士には月見草がよく似合う」と述べた。この月見草はオオマツヨイグサで、月見草といったのは誤りであった。
ツキミソウ(月見草)、別名:ツキミグサ。Oenothera tetraptera:北アメリカ原産の多年草。花は白色の直径4㎝ほどの4弁花。中心に雌しべがあり、先が4裂している。その周囲に8本の雄しべがある。夜のうちに開いて、翌朝しぼんで赤くなる”一夜花”。葉のへりには大きな鋸歯があり、葉先は鋭く尖る。葉は茎に互生。花期:6~8月。
[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑2・夏の花」&同「山渓名前図鑑・野草の名前(夏)」より]