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集まれ スピーカー好き!

スピーカーやオーディオに興味がある方に、いろいろな情報を発信していきたいと思っています。

中国出張レポート5

2008年05月27日 23時53分19秒 | その他

こんばんは。

今日はネットワークパーツの続きのお話です。そうです、コンデンサについてです。

最初に言っておきますが、今回のコンデンサの件は前回の珪素鋼板コイル以上に実現化のハードルは非常に高いので、ひょっとしたらこのブログだけの話で終わってしまう可能性も大いにあるので、ご理解よろしくお願いいたします。

前にも少し書いたように現状のクラフトスピーカー市場ではコンデンサはフィルムタイプが圧倒的に主流で、ほぼ全数と言ってもいいくらいではないかとも感じます。これに反してメーカー製のスピーカーはと言うと、状況は全く異なり、少なくともウーファー用では私の知る限り、ほとんどが電解コンデンサ(バイポーラ)を使用しているようです。

現在PARC Audioが中国ベンダーとのビジネスを行う際、一番メインでお世話になっているメーカーは実はネットワーク関連パーツでは業界で有名なところで、ここはソニーをはじめヨーロッパで超有名なB○○社、スピーカーで知らない人はいないJ○○社やB○○○社等、非常にメジャーなスピーカーメーカーと取引をしているところです。特にB○○社のネットワークは数百万円もするトップモデルを含めほぼ全数を製造しています。

そこで今回の出張時に彼らに、現在量産しているネットワークでウーファー用で使われているコンデンサについて聞いてみたところ、「ほとんど電解タイプですね」と予想どおりの回答でした。では何故クラフト用はこのような状況になっているのか? 販売店様にもどうしてユーザーの皆さんが電解を使わないのか聞いてみましたが、クラフト市場で電解を使わず、フィルムが主流になっている理由は下記のような感じでした。

1)一般的にフィルムの方が高性能と言われている。これが最大の理由という感じ。
2)電解タイプは、定数の公差(バラツキ)が多いため、クロス周波数がずれることがある。
3)電解タイプは、時間が経つと容量が抜けてくるリスクがある。
4)電解は価格が安いので、販売店であまり商材としてメリットが無い。
 (これは私の推測です)


ここで、1)については確かにフィルムは、損失が少なく周波数特性も良好で、少なくともスペック面では反論の余地はありません。

また2)についても事実であり、確かにフィルムの方が一般的に公差は少ないようです。

3)については確かにフィルムより不利なことは事実ですが、実用上問題になるレベルかと言われれば、長年メーカーで勤務した経験でこれが問題になったことは記憶にありません。

ここまで書くと、やっぱりフィルムが一番だねということになりそうですが、そう簡単にいかないところが音の世界のやっかいなところです。では何故かというと、音質(音色)というちょっとデーターでは表せない部分があるからです。代表的な例を一つ言うと、MPコンデンサというものがあります。MPのPは紙(Paper)のPで、これもフィルムに比べて耐圧が低く、その価格は非常に高いのですが、その独特の厚みのある音を求めてヤマハやソニーがかなりの高級モデルに使用していました。

では電解の良さは何かといえば、やはりその音色にあると私は思っています。一言で言って電解は良い意味で音が甘く(悪く言えばボケることも)、厚い音になる傾向があり、逆にフィルムはSNは良いものの音がどちらかと言うと細め(良く言えば繊細)になってしまう傾向があります。そのため私はWF用でフィルムを使うことは好きではありません。ソニー時代も、ウーファー用でフィルムを使ったモデルは私の知る限りSS-A5等のAシリーズくらいだったのではと記憶しています。(最近のモデルは知りません) ちなみにこのAシリーズでも使ったフィルムは、ERO(エロ)というPPタイプの非常に特殊なもので、フィルムとは思えない甘い音色が特徴でした。このEROは高価ながら今でも秋葉の一部の販売店で販売されているのを見かけることがありますね。もちろんメーカーが電解を使う理由には、そのコストの安さということもあるかとは思いますが、電解でもオーディオ用の高価なタイプもあり、必ずしもコストだけということではなさそうです。

そこでPARC Audioとしてこの流れを少し変えたいと思い、今回上記2)の公差だけでもフィルムなみかそれ以上に改善したものを新規に商品化しようと現在検討中です。まだコストが確定していないので何とも言えないのですが、気持ちとしてはフィルムよりは安価で、なおかつ精度的にはそれ以上のものを製品化できればかなり面白いのではと考えています。

ただこの件を販売店様にちょっと話しした感じでは、「それはかな~りハードル高いですよ、冨宅さん。 日本のユーザーのフィルム信仰はかなりすごいですから・・・」と言われてしまい、正直ちょっと戦意消失気味ではあります。そんなわけでこれについては先にも書いたようにアイデアだけで断念という可能性もかなり高く、最初少量だけテスト販売なんていうことになるかも知れませんが、機会があれば是非お試しください。

では今日はこの辺で。


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中国出張レポート4

2008年05月25日 00時43分32秒 | その他


          含浸固定前の珪素鋼板タイプコイル


こんばんは。

お待ちかねの出張レポート続編です。2日目は、朝からユニット関連のラップアップ(まとめ)を手短に行い、予定通りパーツベンダーの訪問に出発。今回もユニット関連のパーツをたっぷりと持ち帰る予定です。

同じ地区と言ってもやはりそこは中国。ちょっと移動と言ってもすぐに1時間くらいはかかるので1日で数社も回ると本当にハードスケジュールになります。今回は今までの中でも本当に一番ハードなスケジュールだったかも知れません。車での長時間の移動って、腰痛持ちには結構つらいです。

さて前置きはそれくらいにして、今回の訪問はいつものユニット関連パーツに加えて、ちょっと違うテーマもありました。ユニット関連のパーツについては社外秘の内容がほとんどなので、今日はそれ以外を中心にお話したいと思います。最初に言っときますが、2日目は初日のような笑い話は無しです。

じゃあそれ以外って何かと言うと、具体的にはユニットとは非常に関係の深いスピーカーターミナルとネットワーク関連パーツです。先ずスピーカーターミナルですが、これはPARC Audioでも既に1機種発売中ですが、今回さらに改良を行いバナナプラグケーブル線に加えてYラグ端子も接続できる万能タイプを検討中です。シャフト長も長くし、BOXでも楽に使えますので是非ご期待ください。ただ肝心の価格はまだ見積りが出ていないので、場合によっては企画ボツなんていうこともあるかも知れませんがその時はご勘弁を。

次が今回の本命のテーマのネットワークパーツです。ちょっと出張レポートからは話がそれますが、私はクラフトスピーカーの業界をPARC Audioを立ち上げてから知ったのですが、正直いろいろな点で驚くことが結構ありました。その中でも一番違和感を感じていたのが、ネットワークパーツについてです。具体的には、コイルは殆どが空芯タイプが中心で、コンデンサーについてはどこを見てもフィルムタイプばかり。もちろんこれらのタイプも良い点はあり、決してダメと言うつもりは無いのですが、何でもかんでも妄信的に空芯コイルとフィルムコンデンサーというにはさすがに抵抗がありました。

先ずコイルについてですが、現在主流の空芯コイルはコア(芯)が無いためSNは一番優れており、この点ではベストと言えます。ただウーファー用として使用する場合、非常に大きな欠点も持っています。それはコア材が無いため非常にDCR(直流抵抗)が大きくなってしまう事です。DCRが大きいと何故問題かと言うと、皆さんもご存知のようにスピーカーユニットというのは非常にDCRが低く、PARC Audioのユニットの例で言えば殆どのユニットがインピーダンス(6オーム)でDCRはたった5オームしかありません。で空芯コイルのDCRはと言えば、代表的なΦ1.0mm/1.0mHで見てみると0.49オームもあります。これってユニットのDCRのほぼ10%にもなってしまうのです。これに比べてコア入りタイプは、今回採用予定の珪素鋼板タイプだと同じΦ1.0mm/1.0mHで半分以下の0.21オームとなります。その差はたかが0.28オーム、されどこの差は大きいのです。ここで私の独断と偏見を言わせていただくと、ウーファー用に限定すれば珪素鋼板タイプの方が圧倒的に馬力感があり、ユニットの良さを素直に出しやすいという印象を持っています。空芯コイルも決して質が悪いということでは無いのですが、良く言えばお上品で、やはり音に鮮度が少ないという印象を受けてしまいます。特に線径の細いタイプはその傾向が強く、それを避けるために線径の大きなものにすると価格も高額になり、ユニットの価格とのバランスが非常に悪くなってしまいます。コイル1個で2,000円前後、-18dB/oct.で2個使えば3,000円を超えてしまいます。さらにDCRの低い太い線材だとコストはもっと上がります。それを使うユニット代が8,000円~10,000円くらいだとすると、ユニット屋の私としてはやっぱりこれって結構変では?と思います。

「ネットワーク素子にそんなコストをかけるなら、もっとユニットにコストをかけてくれ~!」

これはソニー時代に私がよくシステム屋と議論(喧嘩?)したことです。何事もバランスって重要です。それに何回も言いますが、

「スピーカーにとってスピーカーユニットは最重要パーツです!」

販売店様とも話をしてみましたが、ユーザーの皆様の定説(常識 or 思い込み?)みたいなものが結構強いので、なかなか今からそれを変えていくのはしんどいのではとの事でしたが、私はあえてこれにトライしたいと思ってます。私、こう見えても結構頑固で偏屈者です。ハイ。

ちなみに容量の大きいものではさすがに珪素鋼板タイプでも販売されているようですが、私がやりたいのは普通の小型スピーカーで使うクロス1kHz~5kHzくらいに使う定数つまり2.2mH以下くらいの小さい定数です。この辺が一番使用頻度が高いと思うのです。

それとついでに言うと、同じコアタイプでフェライトコアのタイプもあり、こちらはかなり安価なものが市販でありますが、私はこのタイプはあまり好きではありません。今までの経験で言うと、珪素鋼板に比べてどうしても音が甘くなり、グレードとしては価格なりという感じがしています。

さらにもう一つ重要なことがあります。コイルは巻き線をしっかり固定していないと音質がかなり悪化するということです。特に空芯タイプでは顕著で、珪素鋼板タイプでも巻き線の固定は非常に効きます。そのためPARC Audioではコイル全体をケースに入れて熱硬化タイプ樹脂でしっかりと含浸固定をする予定です。経験で言えば、コイル全体をしっかり含浸固定するかどうかでグレード差は2ランクくらい向上します。まだ最終サンプルや価格が決まってないのであまり大きな事は言えないのですが、出来るだけ皆様に喜んでいただけるような価格で発売にこぎつけたいと考えていますので、是非発売しましたらお試しください。

ただこれについては、販売店様が取り扱いをしていただけるかどうかという関門もあり、まだまだ紆余曲折があるかも知れませんが、是非皆様の力強いバックアップをお願いしたいところです。つまり、販売店様へ「珪素鋼板タイプのコイルが欲しい~!」というリクエストを出してもらえると、すごっくうれしいです。価格等が見えてきましたらまたご報告しますので、是非バックアップよろしくお願いいたします。

さて今日はコイルの話が長くなったので、続きは続編でということで。

 

 

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中国出張レポート3

2008年05月22日 23時28分20秒 | その他



こんばんは。

今日は出張レポートの初日の続きです。午前中は予想外の価格交渉の会議となり、かなり時間がかかってしまい、遅めの昼食になりました。言い忘れましたが、会議で議論がヒートアップしてくると、中国語、英語、日本語が飛び交いそれはすさまじいものとなります。通常は日本語が話せる営業の方を通して日本語での会話なのですが、やはりややこしい話になってくると本当に自分の考えが正しく伝わっているのか不安になってきて、ついつい下手な英語でまくし立てることになってしまいます。相手も何とか私に直接話をした方が良いのではと私よりさらに下手な英語で話してくることにあり、もうしっちゃかめっちゃか。最後はいつもの様にホワイトボードで筆談が・・・。

昼食はいつものように近所の餃子屋さんへ。例の餃子事件が脳裏をかすめる中、「いやぁこれはおいしいですね。」と出されたものはほぼ完食。午後から大丈夫かなぁ・・・。

さて気を持ち直して午後からは新機種関連を中心にいろいろと協議をしたのですが、ここでも想定外のことがありました。実は今回の出張は実質2日間の強行日程だったため、事前にこれから開発するモデルの競合モデルを、比較試聴するために中国に送っておきました。日本でもよく売れている皆さんもよくご存知のユニットです。

ちょっと話はそれますが、私はユニットの試聴をする時、競合する他社ユニットとの比較試聴をよく行います。設計者によってはあまり比較試聴は行わず、自分のモデルだけをずっと聴いていき完成度を上げていくタイプのエンジニアもおり、私の印象ではアンプやスピーカーシステムの設計者にはこのタイプの方が多いかと思います。

私が比較試聴をやる理由は、このやり方の方が試聴環境の変化に強いということがあります。中国の試聴環境は決して良いとは言えず、試聴室のSNも悪く、日ごろ自分が聴いている環境とは大きく違うため、絶対評価をしていると、中国で聴いた時はすごく良く感じたのだが日本で聴いたら全くダメだったなんていうことも結構あったりします。

それともう一つの理由は、私は商品である以上やはり他社の売れている商品との比較で絶対に自分のモデルが優れているとの確信を持った上で発売していきたいからです。

ところが、午後からのミーティングで出されたものを見た私は・・・・・。
何と事前に送っておいた他社ユニットがみごとにバラバラに分解されていたのです!

「冨宅さん、ちゃんと分解して調べておきましたよ。」と自信ありげに話す中国側のスタッフを見ながら私は、

「誰が分解なんかするように頼んだ? 俺はコピーモデルなんか作るつもりなんか無いっつ~の!」

と心の中で叫びながら、「いやぁ、そうじゃないんですよ~。」と優しく、でもちょっと引きつった表情でその分解されたユニットをそっとダンボールの中に戻したのでした。あ~あ、これでユニット購入代とDHL代金が全てパァか、やれやれ。

ということで結局中国での試聴は止めて、日本に帰ってから評価をすることになりましたが、皆様からのご希望が多い小口径モデルでも魅力的なモデルが出せるかも知れません。まぁこれはもう少し先のお楽しみです。

ここから先は、あんなものやこんなもの、まだここで書けないものばかりですが、これらの中から一部は皆さんにご紹介できるモデルも出てくるかと思いますので、是非楽しみにしていてください。ユニットの開発をしていて、実はこの時期が一番楽しくまた重要です。前にも書きましたが、開発初期のユニット(特に中国からの提案ユニット)の中にはとんでもないようなレベルのものもあり、いろんなネタの中からどれがものになるかを見抜いて、それをうまく育てていくというのは設計者にとって最高の腕の見せ所なのです。でもこれから量産が近づくにつれ、コストや品質等いろいろと頭の痛い問題が出てくるので、徐々に苦しみの方が増えてきます。



上の写真は、夕食で出たお酢で出来た中国の飲み物です。価格は安く、かなり庶民的なもののようでした。私は下戸で全く酒が飲めないため、このような飲み物はうれしいです。これの味はお酢がベースなのですが、炭酸が入っていて非常に飲みやすく結構クセになりそうでした。お土産に買って帰ろうと思ったのですが、炭酸が入っているので空港では売ってないと言ってました。ほんまかいな。

では今日はこの辺で。続編に続く。

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中国出張レポート2

2008年05月20日 23時12分50秒 | その他



こんばんは。

出張前の残務がテンコ盛りで、ブログの更新が進まず気ばかりあせってます。さて今日はいよいよ中国出張の初日レポートです。

朝一番の会議で中国側から出てきたのは、昨年からの原材料の異常な価格高騰についての報告。これはもう報告というより悲鳴に近いものがあり、今年に入ってからでも既に2回の価格アップがあり、来月から更にアップするとの通告を材料メーカーから受けているとのことでした。いやぁ朝一番からいきなりカウンターパンチを食らった感じでまいりました。ただこの現象は中国全体で起きているようで、ベンダー1社が何とか交渉して抑えることが出来るようなレベルでは到底ないようです。情報では、夏の北京オリンピックの期間中北京郊外にある中国大手の鉄鋼所が大気汚染防止のため操業停止を行うことや、今回の大地震の影響で鋼材関連の需要急増もあり、少なくとも今年いっぱいはこの上げ基調は続きそうです。本当にこれから製造業はどうなるんだろう、と心配になりました。ただ、一応ベンダー側でも現在量産している現行モデルについては当面は価格は維持してもらうように何とか交渉をしましたが、問題はこれから発売する新機種です。これらは今の材料費ベースで計算されるので、驚くような見積りが提示されました。さすがに一部のモデルでは現行モデルとの関係であまりに矛盾が多いものもあったので、もう一度再考してもらうよう保留としましたが、どうなることやら。ほんと初日から予想外の展開となっちゃいました。

正直なところ、このような場合はPARC Audioのような小ロットで生産をしているメーカーは影響を受けやすく、また新機種が多いほどその影響も深刻です。何とか皆さんに喜んでいただける価格になるよう最大限の努力をしていこうとあらためて気を引き締めた次第です。

さていやな話はこれぐらいにして、お楽しみの新機種関係です。今回はこの点でも予想外の展開がありました。まだ社外秘のレベルが多いのですが、今回の協議で新素材や面白いネタもいろいろとあり、この中の一部は近い将来皆様にご紹介できるものもあるかと思います。昔は日本の部品メーカーを訪問してこのようなサプライズを見つけたものですが、今や中国でこんな話をするとは、ほんと時代も変わったもんです。でもどんな素晴らしい材料でもそれをどう料理するかで勝負は決まるんですよね。是非これらのネタもPARC Audioらしい音造りをして皆さんにご紹介できればと考えています。いやぁ、やることいっぱいだぁ!

その中で今回発表できるのは、前回ペンディングとなっていた17cmアルミコーンウーファー(DCU-171A)と、同じく17cmケブラーコーンウーファー(DCU-171K2)の2モデル。これらは来月発売させていただきます。アルミコーンは前回ちょっとトラブルがあって発売延期した因縁のモデルですが、今回の出張で最後の確認を行い無事発売ということになりました。このアルミの件については別途詳しく書きたいと思いますので、楽しみにしていてください。ちょっとだけ書いておくと、最終的にはオリジナルより今回の量産モデルの方が更に完成度が上がっており、非常に魅力的なモデルに仕上がりました。是非御期待ください。従来のアルミコーンよりはかなり魅力的な出来となっていると思いますよ。

ケブラーについては、先日のハイエンドショーでも好評だった13cmケブラーコーンの(DCU-131K2)よりもさらにウーファーらしく非常に高SNの正統派ウーファーという感じに仕上がりました。おそらくPARC Audioのユニットの中では最もウーファーらしいモデルではと思います。これでPARC Audioのウーファーラインは一応そろえることができたので、これらのウーファーモデルが今後どれくらい人気が出るのか今から非常に楽しみです。

では今日はこの辺で。続編に続く・・・・。
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中国出張レポート

2008年05月16日 23時45分20秒 | その他


中国でもサムスンの広告は目立ちます。(広州空港)


ホンダも結構頑張ってますね。(広州空港)



こんばんは。

無事日本に帰国しました。ただ帰ってくるなり緊急案件の連絡が入り、完全休養の土日とはならないようです。

今回の出張では、多くの想定外のこと(良いことも悪いことも)があり、いろいろ書きたいこともあるのですが今日は取り合えず初日のことだけを書きたいと思います。残りは来週に書きますので、お楽しみに。

が取引しているベンダーは中国の東莞(トンガン)という地区にあり、日本からは香港経由で行くのが一般的ですが、香港ルートは観光客が多くチケットがなかなか取れないことと、一度フェリーに乗り換えの必要があるため、荷物の搬出入がそのまま車で直結できる広州空港からのルートを私はよく使っています。広州には、車の広州ホンダやフォスターの工場があります。高速道路でも広州ホンダの車を沢山見かけます。同時にトヨタはもちろんのこと、レクサスやBMW、アウディ等も見かけ中国も本当に豊かになってきたなぁとつくずく思います。

目的地の東莞エリアは中国の中でスピーカー関連のいろいろな製造メーカーが多く集結している地区で、たいがいのパーツはこの周辺で手に入ります。日系のパーツメーカーでこちらに工場を展開しているところもあります。

さていよいよ中国へ入国です。自宅を出た時の気温は5月というのに8度。それに比べて広州の気温は30度で、その差なんと22度!結構きついです。今回は空港の荷物検査でいきなり中身を見せるように言われ、冷や汗をかきました。最近中国は空港での検査が厳しくなっており、ほんと疲れます。この国はよく法律やルールが変わることで有名で、中でも最近一番困るのはスピーカーを持ち出せなくなったこと。これは機内持ち込みはもちろん、預けてもNGです。理由はマグネット等の磁気を発生するものは航空機に影響を与えるのでダメなんだそうです。今回の検査でもどうやらスピーカーユニットが気になったようですが、既に飛行機を降りてから言われてもねぇ。でも成田で聞いてみたところ「何ですか、それ? 日本ではマグネット(スピーカー)なんてチェックしてませんよ。」とのこと。

スピーカーユニットなんて今まで腐るほどサンプルを海外出張で持って行ったり、また持ち帰ったりしましたが他の国でこんなことを言われたことはありません。まったく変なところで細かいんだから中国は・・・・。何とかならないですかねぇ、中国の関係部署の方・・・・。機内で使っているヘッドホンだって小さいもののマグネットは使ってますよ、なんちゃって。

今回は少し到着が遅れ現地に到着したのは既に18時ちかくなっていたため、逸る気持ちを抑えて初日はそのままホテルに直行となりました。サラリーマン時代は今までいろいろなところに海外出張し出張報告を書きましたが、まさかブログのような不特定多数の方への出張レポート(?)を書くことになるとは全く予想してませんでした。世の中ほんとおもしろくなってきたもんです。多分今まで書いたレポートの中で、このレポートを読まれる方の数が一番多いんだろうなぁ・・・・・。

では今日は疲れたのでこの辺で。

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PARC Audio の取扱販売店

2008年04月21日 23時09分09秒 | その他

こんばんは。

先日のブログでの質問で、PARC Audioを関西地区で販売していただいている販売店は無いとのことを書いてしまいましたが、
六本木工学研究所の京都店で販売されていることをすっかり忘れておりました。こんな基本的なことを忘れるとは、経営者としては失格だと猛省しています

具体的な展示内容は、ご来店前にTEL等でご確認していただければと思います。関西地区でPARC Audioの製品をご検討中の方は是非一度お立ち寄ください。

ちなみに東京地区でもPARC Audio製の標準箱をフルレンジモデルを中心に、順次販売店様の店頭に音出し展示していただくように準備を進めております。こちらの方も是非お聴きいただければ幸いです。現在8cmウッドコーンフルレンジスピーカーの
DCU-F101W用BOXはコイズミ無線様と麻布オーディオ(六本木工学研究所)様で展示中です。

中部地区では、ザ・キット屋様の方でオリジナルの
樽スピーカーおよび樽バックロードを商品展開中で、こちらの方へもお近くの方は是非一度お立ち寄ください。

新潟地区では皆さんよくご存知の
長谷弘工業様がフルレンジモデルを使用されてモデルを展開されていますので、こちらもお近くの方は是非お聴きいただければ幸いです。

あとPARC Audionoのユニットを使用されてオリジナルの木球システムを販売されている横浜の株式会社ドッグラン様も製品試聴が可能のようですので、ご興味のある方はお問い合わせください。

今後PARC Audioを取扱していただける販売店様を増やしていきたいと思っていますが、新機種の開発や現行モデルのフォローなどやる事がてんこ盛りでまだまだ時間がかかりそうなので、何卒なが~い目で見てやってくださいませ。本当は、営業活動を最優先でやるべきなのでしょうが、技術屋の性(さが)というか、どうしても次の製品開発の方に体が動いてしまうんですよね・・・・。

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お客様からのお便り

2008年04月17日 22時20分11秒 | その他



こんばんは。

今日はあるお客様からうれしいお電話をいただいたのですが、ブログなのでこのような話も書いてもいいかなぁと思い、ちょっと書かせていただきます。

そのお客様は長谷弘工業製のバックロードとPARC Audioの13cmフルレンジ
ウッドコーンDCU-F131Wの組合せを購入されてお使いとのことでした。何と自作スピーカーは始めてとのことで、良く分からないまま長谷弘工業の社長さんに進められウッドコーンを購入されたそうですが、ウッドコーンの音がすっかり気に入られて、今度はウッドコーンの2ウェイに挑戦すべくいろいろと技術的なご相談のお電話でした。

次のモデルは17cmウッドコーンウーファー(DCU-171W)と、アルミドームトゥイーター(DCU-T112A)をお考えのようで、自作スピーカー2モデル目で早くも2ウェイに挑戦されるその行動力に感服いたしました。

スピーカーのビジネスをしていて一番うれしいのは、やはりお客様が自分の商品を気に入って使っていただいていることを知った時ですが、それにもましてまた別のモデルを追加購入していただけるというのは本当に気に入っていただけないと出来ないことなので喜びもひとしおです。なんか今日はこの事だけで一日幸せな気持ちでいることができました。PARC Audioを始めて本当に良かったなぁとしみじみと思った瞬間でした。

ちなみにお電話のなかで、「私は本当に初心者で良く分からないので、ネットワークの情報等もあると本当にうれしいのですが・・・」とのお話があり、メーカーとしては今後このようなことに関してのフォローもやっていかないといけないかなぁと考えてしまいました。この辺をやるとなると、ネットワークの回路図の提供、各パーツの販売、BOXを含めたキット販売、システム完成といろいろなパターンがあるのですが、PARC Audioとしてどのレベルまでやるべきなのか結論を出すのが本当に難しいところです。でも他のユニットメーカーは大手でもこのようなサービスはあまりやっていないので、PARC Audioの独自性を出すという意味でもやるべきかなぁとも感じているところです。

この件については、是非皆さんの忌憚のないご意見やご要望を教えていただければ幸いです。では今日はこの辺で。

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有機溶剤について

2008年04月11日 23時00分41秒 | その他




前回、接着剤について書いたついでに、今日はちょっと有機溶剤について書いてみたいと思います。

出来上がったスピーカーを使う時にはあまり関係ないかも知れませんが、BOXの塗装などで有機溶剤系の塗料をお使いになることもあるかと思うので、お暇な方は見てください。詳しい話はネットで検索していただくとして、一般の接着剤や塗料などに含まれる有機溶剤に関連することを中心にまとめてみます。


有機溶剤とは樹脂、ゴム、塗料など水に溶けないものを溶かす有機化合物というのが定義ですが、これと違い水と油の混合物に分離を防ぐための乳化剤を加え安定させた混合物であるエマルジョンタイプというものもあります。このエマルジョンは水溶性のため非常に安全で、木工ボンドがその代表例です。最近は塗料でも水溶性タイプのものが多く見られますが、健康のことを考えるとこれらのものを使った方が安全です。ただ接着剤の場合、エマルジョンタイプは溶剤系に比べ性能が劣ることが多いため、簡単にはいかないのが現状です。

有機溶剤には沢山の種類がありますが、皆さんが日常目にされるものに使われている代表的なものは下記になります。有機溶剤の障害についてはここに詳しい表記があるので、参考にしてください。

1)エチルアルコール
 薬局などで販売されている消毒用のアルコールがこれです。お酒の中でアルコール分**%とか言っているのもこれになります。一般にアルコール、エタノールとも言われています。有機溶剤といっても毒性は無く、酒と同じで致酔性がありますが、消毒用にもよく使われています。

塗料や接着剤がちょっと手に付いたのをふき取るとか、塗装前の脱脂などには非常に安全で便利に使えるので重宝します。私は先ずこれを使ってみて、どうしてもダメな時に他の溶剤を使うようにしています。酒は全く飲めないのですが、アルコールは結構使っていたりします。

アルコールで気をつけないといけないのは、同じアルコールでもメチルアルコール(メタノール)は有毒だということです。メチルは視力障害が有名で、目がちる(メチル)と覚えておくと良いでしょう。キャンプや宴会の時に使うアルコール燃料は価格の安いメチルアルコール系が多いようなので要注意です。

2)アセトン(アセトン・ケトン)
 マニキュアの除光液でよく使われる溶剤で、毒性は比較的低いものです。皆さんがお使いの有機溶剤系の接着剤や塗料にもよく使われています。機会があれば、お使いのものの成分表を一度見てみてください。結構使われていることが多いものです。

3)酢酸エチル
 サクエチと呼ばれ、これも以前は接着剤などでよく使われていました。毒性も比較的低く、アセトンと同程度のものです。欠点はお酢系のちょっと独特の臭いがあることで、作業者には嫌われます。

4)酢酸イソプロピル
 酢酸エチルとほぼ同じクラスの毒性で、接着剤等によく使われています。

5)メチルエチルケトン
 
MEKもしくは2-ブタノンとも呼ばれ、揮発性が高いため非常に臭いはきつく、上記のものよりは若干毒性が強いですが、その強い臭いほどは強くないものです。これも接着剤ではよく使われています。

6)キシレン
トルエンよりは若干ましですが、かなり危険度の高い溶剤です。特に造血障害や脳障害が有名で、この障害が厄介なのは一度進行すると元には戻らないということです。そのため有機溶剤を使用する作業者は特殊検診というのをやって肝機能等をチェックするのですが、実は検査で分かっても治療は出来ないという困ったものです。キシレンが上記の溶剤と決定的に違うことは、皮膚吸収をするということです。つまりキシレンは皮膚からも体の中に入っていくので要注意です。

7)トルエン
 
今回紹介する溶剤のなかでは一番毒性の強いものです。、皮膚吸収をすることもキシレンと同じです。ところが揮発性が比較的低く、他の溶剤に比べると臭いもきつくないため、トルエンの方が安全だと勘違いしてこれで手についた汚れを拭いている人を時々見ますが、毒を体にすり込んでいるようで本当に怖いことです。
ちなみに皆さんがよくご存知のシンナー(英語の意味はうすめ液)には、上記のアセトンや複数の溶剤とともにこのトルエンが入っていることが結構あるので、本当に要注意です。
皆さんのなかで、市販のシンナーで手を拭いたりしたことはありませんか? 危険ですから、絶対に止めましょう! もちろん、シンナー遊びなどは論外です。

上の写真は、ホームセンターで普通に販売されている塗料や接着剤の成分表ですが、トルエンを使っているものもありますね。皆さんがお持ちのものでも、トルエン系があるかも知れませんね。

では今日はこの辺で。

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ウッドコーン量産2nd. lot が無事入荷しました。

2008年01月30日 23時17分53秒 | その他



今日はPARC Audioのウッドコーン量産2nd. lot が無事入荷した事をご報告したいと思います。実はこの2nd. lotは12月の商品発売前にオーダーをしたもので、本当に皆さんが喜んで買っていただけるかどうかも分からず不安を抱えたまま、自分としてはかなり重い決断をしての不安だらけのオーダーだったのです。

ありがたいことにそんな私の不安とは裏腹に、発売後温かいユーザーの皆様のご支援に支えられ、1st. lotのフルレンジ3モデルは全て完売となり、2nd. lotも8cmと10cmは入荷前に販売店様からのオーダーでメーカー在庫はゼロとなり、本当に感無量という感じです。(販売店様には在庫はありますので、ご安心ください。)

ただ、この2nd. lot分は2/23からのA&Vフェスタで一部展示販売しようかと考えていたので、8cmと10cmが全く無くなってしまったのは大誤算でした。今はその代わりに、出来るだけ皆様のご期待に副えるような参考出品を含めた出品サンプルを用意しようと検討中です。当日は出来るだけ皆様の生の声をお聞きしたいと考えていますので、お時間のある方は是非当社ブース(と言っても机一つだけのチョーミニブースですが)にお越しください。

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はじめまして

2008年01月24日 22時47分12秒 | その他



はじめまして。
PARC Audio 代表の冨宅です。

昨年末にPARC Audioを立ち上げてオリジナルのスピーカーを発売し1ヶ月程経ちましたが、あり がたいものでいろいろと応援していただいたユーザーの皆様のおかげで、何とか無事take off することができました。長年スピーカー設計に携わってきましたが、クラフトスピーカーの世界は始めての経験で、いろいろと勉強になることが多いです。それと同時に、始めてみて気がついたのですが、スピーカーに関して実用的な情報が意外に少ないなぁという印象も受けました。

そこでスピーカー好きの皆様に少しでもお役に立てればと、このブログを始める事にしました 。ブログなんて全く初めての経験で、全く五十の手習いではありますが、何卒温かい目で見てやってください。また何分ものぐさな正確なので、不定期になるかとは思いますが、出来るだけ実用的な情報や実体験で得られた興味深い話等をお届けできればと考えています。 初歩の方を含めて出来る限り分かりやすく進めていければと考えていますので、中には「そんな事を今更・・・」と感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、きつ~い突っ込みはご容赦ください。

またここに書かれる内容は、あくまで私個人のスピーカーや音に対する考え方が 中心なので、当然それと全く違う考え方をお持ちの方も多くいらっしゃると思いますが、それがオーディオという奥の深い世界の良いところであり、違うなぁとお感じの方はスルーしていただけると幸いです。


ちなみにPARC Audio(パークオーディオ)というのはブランド名で、ドリームクリエーション というのが正式な社名なのですが、ブランド名の方が何をやっている会社かが分かりやすいので、最近はこれを主に使っています。実は初めての取引先等に電話をした時に、ドリームクリエーションと言うと殆どの方が勧誘か 何かの怪しい会社と勘違いされてひかれることが多く、正直この社名は失敗したかなと感じています。

今日はこのくらいで・・・・。やぁ~疲れました。(^^;

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