１０月の花の日

娘へ

元気にしていますか？

虹の橋の生活にもすっかり慣れて
お兄ちゃんとも毎日それなりに仲良く生活していることと思います。

あなたのお誕生日だった日
昼間お花屋さんのお母さんが
”お父さん（ボス）から娘ちゃんに、って”
ときれいな花束を届けてくれました。





ママは玄関先でボスが手配した花束を受け取りました。
あなたの話しをしながらボロボロ泣いてしまうと

「一人だと思うから悲しくなる。
一人じゃないよ？
一人じゃない。」

ってお母さんが言ってくれましたよ。
あの日は１０年前から楽しみにしていた特別な日だったので
ママは少し辛い１日を過ごしてしまいました。
いっぱい泣いてしまって、ごめんなさいね。



あなたがこの向こうにいると思うとたまらなくなって





気がつくと手を伸ばして
捕まえようとしていることがあります。
どんなに頑張っても掴めない。
すぐそこにあるのに掴めない。
あなたがいる世界は
こんなに近くにあるのに
感じることしか出来ない。





たくさんのママの思いはあなたに届いていることを信じて
ママは毎日
虹色の光の向こうに思いを馳せています。




昨日ママの具合が悪かったこと察知しましたか？
久しぶりにベランダに
入れ替わり立ち代りちょうちょが来ました。
”ママだいじょうぶ…？”
って心配そうに言うあなたの声が聞こえた気がして嬉しかった。
お陰でママはもうすっかりよくなりました。

大丈夫。
ボスもママも仲良くしてるしちゃんと笑ってるし
こちらは何も心配ないからね。








あなたがいなくなってしばらくしてから
ボスと一緒に見た映画の最後で
主人公がBilly Joelのララバイという曲を歌っていました。
ママの知らない曲でしたが
字幕で出てくる歌詞はママの心をたくさん揺さぶり、散々泣きました。
あなたに毎日言い続けた言葉が
そのままそっくり歌詞に表れていたからです。


お家に帰ってから気になって調べて
今でもときどき聴いています。
気持ちは随分落ち着いてきたけれど
最後まで泣かないように歌うのはまだ難しいようです。







だいじょうぶ。


それでもママは
げんきにしているよ。