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人形劇団プーク劇団員による自主公演「pat!」◆2010/3/6-7◆@プーク人形劇場◆満員御礼にて終了!!◆

PAT!…さよなら、パペット de show ぶ

2010年03月27日 | ひとりごつ
公演タイトルのPAT!と、美術家フィーチュア(使いなれないこの言葉)について。

そもそもプークでは、座内発表会から始まり、さらに実験的な公演として
「プーク劇団員による自主公演 パペット de SHOW ぶ」という公演が
不定期に、しかし継続して行われてきた(以下パペぶと表記)。
私が入団した年にパペぶ2002(8回目)、その4年後にパペぶ9(9回目)が開催された。
そこで途切れていた“自主公演”を、そろそろやる頃じゃなかろうか…とモゾモゾし始めた時

「やりましょう!」 と児玉が口火を切った。

「お、じゃあどんな公演にしようか?」
と、相談する隙もなく、とっくに児玉は、植松氏はじめ野田牧史氏から星野毅氏から、
そうそうたる美術家に声をかけまくっており、すでに『美術家』がキーになるための素地が作られていた。

え~、じゃあ美術家が企画運営すればいいじゃん、面白そうな作品企画作って出演させてよ。あたし人形役者だし。
―などと思っても言わず(このへんが私のアレなとこ)、結局実行委員長やることにした経緯は、鬱陶しいので割愛いたす。


実行委員を組織して、なかなか噛み合わない話し合いを重ねていくうちに、それでも「人形劇は人形美術が大事なのだ!」
というところに関しては、ほとんどみんな一致できた(ニュアンスはそれぞれ違ったかもしれないけど。)ので、
やっぱり「美術家とその仕事」に焦点を当てる……「美術家フィーチュア」のイベントとして、進めることにしたのだった。
普段、劇団で作品を作る際には、まず台本ありきで、演出が決まり、美術などスタッフが決まり…という進め方になることがほとんど。
だけど、台本(文字)じゃなくて人形(もの)から作品を作り上げてみようじゃないかと。
まず人形、人形美術ありき。
だって人形劇だもの!



さて、美術家。
っていったって、いつになったらそう名乗ってよいのか?
「その程度の実力で美術家を名乗ろうなんざ●●年早い!!」
なんてことを言うような人もいるかもしれないけど、これは「名乗ったもん勝ち!」
むしろ、名乗ることで責任もって気合い入れて仕事しようぜ、という意味あいも込めて、
入団1年目の新人まで「美術家」として取り上げることにしちゃいました。

これは良かったと思っている。

1年目は1年目なりの、「美術家」として自分の仕事に意地もプライドもあるとおもうが、
今回それをより強く意識したんじゃなかろうか…と、新人二人の仕事ぶりをみていて思った。
結果はどうあれ。
善し悪しもどうあれ。
これについては、また作品について書く時に触れたいと思います。



話を公演タイトルにもどすと。

公演名を、「パペット de SHOW ぶ」から改めたのは、
単純に、ネーミングがもう古すぎると思ったことが第一。最後の「ぶ」ってなんだよ、と。
もっとキャッチ―なネーミングにしたいよ、とあれこれ考えた。

児玉の提案 PUK @ ART   → 語呂はいいけど、文法間違ってるだろ。
小原提案  ぴあっと(p-a-t) → pukとartからの展開だけど、とりあえずださい。
植松提案  pukart      → pukとartからの展開1
      P-ART       → 同上2
      pat!        → 同上3

と、植松氏の提案は、ロゴマークつき。さすが美術家。ビジュアルで攻めてきたプレゼンは説得力があった。
「pat」は、実は小原も考えたが、その時はあまり字面が良いと思えなかった。
しかしながら、植松氏からロゴマークと一緒に提案されると、これがカチっとはまったのだ。
あー、ビジュアルの力は偉大だ。大事だ。

こうして、「パペット de SHOW ぶ」ではなく、
「puppet art party PAT!」として、新に立ちあがったのだが、
タイトルを変えたことによって、今までの「自主公演」ではなく、新しい「自主公演」にする…ということを改めて意識することになったのだった。

何かひとつに特化した(今回は美術家)公演。これを、新しい「自主公演」として作り上げていくことにした。
今回の「美術家フィーチュア」ということをいかに実践していくか、そこが大事だぞと肝に命じつつ。



ちょっと長々振り返ってみている実委長でした。次は展示のこと。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
振り返ったな、またずいぶん。 (◎じ)
2010-03-27 04:06:24
そうだったっけ。「Pat!」、俺?
1年前だぜ。忘れるら普通に。
あ、じゃあついでにアレも振り返って、エクソシストのリーガンばりに90度以上振り返って。
「春待ちかわらばん」!

あれ振り返らないと「アパートメント」オチないじゃん。

さっき禁断の「アパ」の劇評ながなが書いてたら実委長が割り込み記事書いたからPCがフリーズして飛んだ。消えた。
やる気なくなった。
でも、それに先鞭をつけるのは俺にしよう。スタッフ紹介も今更ながら始めて見たよ(星から)。
じゃあ実委長は周辺から(ちんたらにも程がある)。

そう、こういうふうな「あ、うん」の住み分けで(幻想だろ)実行して来たんだよな1年。最後は役割偏ったけど(怨)。
何にせよ俺も忘れてるようなことだから振り返りは粘着質の委員長に任せる。期待。
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Unknown (実委長)
2010-04-02 04:18:39
かわらばん。

展示のことと一緒に振り返ろうとしたら、
あまりに遠かったので首が回りませんでした。

PAT!よりずっと振り返らないと届きません。

しつこくやりますよー。
返信する
春待ちかわらばん? (◎じ)
2010-04-03 05:36:21
あまたのスタッフの中から美術家をピックアップして公演を打とう!と聞いた時に「あ、美術は流行のメイキングものの花形だもんね」と思った。
これほど「作る過程」が面白いジャンルもないかと常々他人事の様に見ていたので、なんとか人形劇ファンにも一般の人にも伝えたいな、と。

ただ、どっかにも強調して書いておいたけど基本俺、「創る過程ばっか好きそうなヤツ」は大嫌い。「思い出づくり症候群」。出来たもの、創ったものでちゃんと勝負できてりゃ語らないでもいいとこだと本当は思う、プロセスなんか。

なあんて。でも…面白いんだよ、美術は特に。仕事のウラ側が。ヘンなキャラも揃ってるし。絶対条件、公演にちゃんとしたもの用意できるならメイキング系は絶対一般の人にアピールできるはず、と踏んだ。お得情報として。
じゃあ、当日上演作品の製作行程を、美術中心に時間を追って小出しに見せていき、興味を引きつけてアオリも入れて、最終的に動員につなげるやり方はないか、と考えた。

まずブログ。早いし。
で、かわら版。定期刊行物だな。

徐々に現れていく公演の全貌。人形を作っていく過程や関係スタッフの心中、美術そのものの変遷…絵、字。できそう。
ちょうど1年前。公演は春に決まった。このところパっとしない小原が目の前にいた。公演名は「Pat!」…パっと咲く。花。春。桜…咲く時を待つ女。お披露目を待つ人形たち。春待ち…
「春待ちかわら版」!

連想が繋がると快感をもたらす。
それでいこう!アレもコレも紙面にブチ込んでさ、期待値上げてさ、動員もバッチリ…紙は桜色ね!……

…実際は、紙面ダサダサだし、レイアウト素人だし、情報の重複バリバリ、完結しないのにフッちゃった企画あるし、刊行ペースがイベントの制作ペースとまるで合ってないなどなど、盛り上がらないことこの上ないショッパい出来。
期待のグラフィックも集まらない、字も書かないやつばっか、俺と小原の向いてるとこいつまでも違う…数え上げたらきりがない失敗の数々。情けない…

だけど、当初目論んだ「創造のプロセスをてらいなく見せる刊行物」としてだけは、そこのみは達成かと負け惜しみ。こんなもんだったんだよ、俺達のウラ話なんて…

しかも春を待って、咲く!はずがフタを開けてみたらオープニングからいきなり散ってたよな、花…アレ?

「皆様が目にしたもの、それが真実」By.春輔師匠。

俺たちは春を待ってた。春になったらもう散ってた。
この公演、咲いたのは誰だ?
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