「病の吾子に寄り添いて」の歌集の作者から
今日、新しい歌14首をいただきました。
この前から、「吾子」である作者の息子さんがお仕事に就かれたと聞いており、
お仕事は無事に続けておられる様子だったので
そのことを詠んだ歌をぜひ聞かせてもらいたいと願っていました。
ですから今日いただいた14首はとてもうれしい贈り物でした。
前に頂いた歌集にもまだまだここに書きとめたいものがありますが
お仕事を頑張っておられる様子を詠った今日のものを
さきに紹介したい気持ちが止められません。
この14首には吾子が勤めに出る喜びがあふれていて
読む者の気持ちを思わず幸せなものにします。
ああ長き 籠れる日々に 分かれ告げ 働きたしと吾子が 呟く
呟いたその言葉が現実になり、しばらくの実習期間を経て
本採用になった時のご両親の喜びがほとばしる歌になっています。
本採用 決まりて吾子が 吐露をせり 「父さんのように勤め上げたい」
ひねもすを 他者と語らう 吾子がいた 今日はわれとの 語らいがあり
出勤す 吾子を送りし 妻の顔 不安は溶けて 明るさはじける
初めての 子が稼ぎたる 給料で ご馳走されし 寿司のうまかり
明るさはじけるご両親の気持ちが手に取るように感じられます。
そしてこう願っておられます。
雪道を 踏みしめ吾子は 出勤す この日常の 続けと願う
本当にこの日常が1年2年と、そしてもっと長く「父さんのように」続くなら
どれほどうれしいことでしょうか。
精神障害のある者が、社会生活で一番難しいのは
一般の人間からの差別が原因だと言われています。
多くの当事者はこの差別の為に、せっかく得た勤めをあきらめてしまいます。
障害を乗り越えて、こうして真摯に働き始めた若者が
そんなことが理由で挫折しないように、
この社会を変えていかねばなりません。
どうかこの若者が、再び閉じこもることの無いよう
心から祈ってやみません。
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