ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね

2007年02月26日 17時30分06秒 | 読んだ本
岡崎京子は1996年5月に交通事故にあって、すべての活動を休止した。
これは、その岡崎京子が事故直前まで「PR誌ちくま」に連載してた唯一の物語集
物語集は、短編で、とってもすいすいと読めるけど
すいすいと読みながら、心の中にぐさぐさと棘がたまっていく

岡崎京子の痛さって透明すぎて棘になる

ただ、読み進めてて思ったのは。それは、やはり、1980年代の空気だった
マンガにおいてトコトン深間までいっちまってた彼女だけど
その骨子にあるのは、どうしようもなく1680年代の、あの、「空気」

その空気がなんなのかと問われても、説明は今は不能だ。
もしくは説明しようとすれば、ものすごく長くなってしまう
あの頃。あの時。あのファッション。あの時代的な。。。
バブルなんてものが始まる、多分、少し以前に
一瞬、時代はピンとトンガッタ。

最後の連作的な「チルチルミチル」の冒険譚に、特にその想いは強かった。
うん。敢えて言うなら、橋本治に似てるよ。

ミチルは風に飛ばされて、チルチルは船着場に取り残された。

もしかして、あたしも、あの時代に今も取り残されているんだろうかと、ふと思う。
岡崎京子は時を取り戻してくださるだろうか。。。




コメントを投稿