蝶のゆくえ

2006年02月26日 18時41分37秒 | 読んだ本
美しい短編集だ。。。と、思う。
橋本治は、ど~~して、こんなに昔っから「女」なんだよと、思う。
あたしが橋本治を知ったのは、少女漫画の評論集だった。

花咲く乙女たちのきんぴらごぼう

で、それから、桃尻娘とか読んで、以来、四半世紀、付き合ってきた。

橋本治は60が近くなって、あたしは50が近くなった。なのに、何も変わってない。
変わったのは周囲だけだ。あたしは変わってない。橋本治も変わってない。
変わりようは。。。ない。

様々な年代の女たちの、
様々な状況の女たちの、
なにげないけど、実は本人には事件だったりする
事件だけど、実は本人には日常だったりする
時間と心を切り取った、短編集。

読み進みながら、何度かため息をついて
何度か、泣いた。
小説で泣くなんて、久しぶりだ。という以前に、最近小説を読んじゃいなかった。

卑怯だ。。。って、思う。
だって、あんた、歴然と男じゃないか。なんだって男に、60近い男に
こんな風に女が分かられなきゃなんないんだ。あたしには男は分からない。
いや。
分かろうとしてこなかっただけかもしれんなと、46も近くなって、今更思う。

あ、そ~なのか。なんだよ、それだけのことか。
分かろうとしなきゃ、何も分からない。
橋本治は、分かろうとしてきたんだっけか、ずっと。。。

桃尻娘に始まって、枕草子で、源氏物語で、
で、そうやって、この小説にたどり着く。。。。。。

今の、淋しい女たちが、うごめいて、もがいて、孵化したがってる。
ねェ、でも、人生は、蜉蝣のようにはかないだけなのにね。
どうして、それでも、人はあがいて生きようとする。。。。。。

それは、ただ、生きるために。