惹句の通りにラスト一行に瞠目した。。。噂@新潮文庫

2006年05月21日 19時14分32秒 | 読んだ本
町は様々な噂に満ちている。人は様々な噂を作り出す。
その昔、口裂け女だの、ナンチャッテオジサンだのというのが流行った。
誰が言い始めたのか、それはまことしやかに日本中に広まった。

この本は、その「うわさ」がいかにして作り出されるかを教えてくださった。
くださって、でも、それだけじゃなくって、こりゃ間違いなく面白い
読んでて、映像が目の前に浮かびまくって、あたしゃ困った。
これ、なんで誰も映画にしないんだろう???でも、逆に難しいかなァ。あまりにも映画的に完結してるって「噂」もあるし。あたしが、今、作った。

帯には「背筋が凍るサイコサスペンス」ってあるけど、ま、一種の警察小説でもあり~のォ
風俗小説でもあり~のォ
推理小説でもあり~のォ
で、確かに言われてみればサイコサスペンスだったのねでもあり~のォ
大人の淡いラブロマンスでもあり~のォ

主役の刑事と相棒になる警部補と、この二人が実に「絵」を描きたてる。

いいっすよ、これ。好き♪

最後の一行。。。
普通に読むと、普通に終わるけど、え?うそだろ?って思うと、妙に残って、確かにかなりやば~~~~~~~い気分になりまする。なったし


花よりも花の如く

2006年05月12日 17時21分33秒 | 読んだ本
前に、しねましねまで博士の愛した数式について書いたときに、この愛すべき「能楽漫画」に出てきたセリフを引用して
引用しながらパラパラやってたら、気がついたら3巻まで再読してた。。。

今現在、多分、4巻まで出てると思う。4巻も買って読んだ、当然の如く。。。

成田美名子というと、その昔は花とゆめかララかどっちかで
パートナーとかいう社交ダンスのマンガを描いてた人で
この能楽といい、社交ダンスといい
時代の先をいってるのか、単に趣味の方向がそっちなのか、よく分からないところがある。好きだけど。。。

(追記:ということを知ったかぶって書いてたら、パートナーは名香智子さんの作品であるというご指摘をいただきました。
訂正してお詫びしまくりますm(__)m)

少女漫画家としてはかなりのベテランのはずなのに、顔の書き分けとかが必ずしもうまいとはいえなくて
う~~~~~ん。。。。。。これは一体、誰だったか???と、悩むことも多いんだが
(なんか、昔の方が絵がうまかった気がするんだが。。。気のせいかなァ???)
とりあえず、しかし、ここまで言っといてなんだが、これは面白い!!!

若き能楽師の日常と、その周囲の能楽師もしくは能楽師未満たちの青春譚でもあり
能への畏敬に満ちた漫画でもあり
いわゆるひとつの成長物語でもあったりする。こういうの、好きなんだよ、昔から

能というと、イマヒトツ地味で、多分、今後100年経ってもブレイクはしないと思うんだが
能は年寄りの観るものでも、変に高尚でわけ分かんないものでもない
なんていうか、ひょっとするとオモテ(面)をつけて舞うことで
生身の姿をそぎ落としたことにより、逆に人間本来の姿を浮き彫りにする。。。
うっかりすると突きつけられるものを抱え込んだ鑑賞芸術であるんだろうと思う。。。
一度、観てみるといい。魂のどこかを揺り覚まされたら、そこから入っていけるから

しかし、この漫画は、青春物語の成長譚なので
コムズカシイわけじゃない。むしろ、ある意味で能楽初級編つ~か、能の世界へいらっしゃい本というか。。。
能に興味があってもなくても、多分、いろんな角度から面白く読めるんじゃないかという。。。気はする。ま、あたしが好きだから言ってるだけだけどね

個人的に天然茶髪の楽ちゃんは、今後、ど~なってくのかなってのに、かなり興味がある

  

 

白夜行・愚行録

2006年05月01日 04時12分55秒 | 読んだ本
ここんとこ「小説」というもの自体をなぜか読む気になれずいたんだが
あるとき、ふと手に取った、ま、タイトルが気に入った
貫井徳郎という人の、ま、これも一応、推理小説なんだろな。
読んで。。。
なんか、くどいし、それってありかぁ??
って部分がなくもなかったんだが
遅まきながら、あ。今って推理小説のほうが面白いのかもしれない
と思い、気がつけば白夜行に手を出していた。これ、文庫だけど800ページくらいある。重い。枕おーけー

最近、私生活で逆に話題になっちまった子がテレビでやる前に
関西の舞台でやってて、そのタイトルの美しさが、とても気になってたんだけど
東野圭吾はデビュー直後くらいになんか読んでて、あまり好きじゃなかった記憶があり
で、遠ざかってた。
ところが、百夜行。。。これ、ムチャクチャ面白い

愚行録も白夜行も、美人の女性っていうのが中心になってんだけど
性格か育ちか、気がつきゃ殺されても仕方ないようなことやってる愚行録の、文字通りのおろかさに引き比べて
白夜行の鮮やかな潔さというのは、コリャど~なん?という感じで
読み出すと止まらない。とまらないんだが、なんせ分厚い上に、ここ最近忙しくて、なかなかラストにたどり着けぬ
歯噛みしながら、ラストを先に読みたい誘惑を抑えて読み進んでる

これ、絶対おもしろい。

ところで愚行録読んでて気になったのは
慶応大学における「内部生」と「外部生」って話。
幼稚舎からあるあの大学じゃ、エレベーターで来たものと
大学で入ってきたものとの間に
きわめて分かりやすい一線があって、それがすべての悲劇の発端でもあるらしい。。。ということになってんだけど
ホントなんだろか???
ま、日本的構造の中じゃ、あったっておかしくはないと思うが。。。

誰か、慶応に詳しい人いたら教えていただきたいものだ