古 知 谷 阿 弥 陀 寺 ( 2 )
阿弥陀寺は弾誓上人が慶長14年(1609年)に開いた寺である。
宋朝様式の山門をぬけると、
その先に長い参道が延びる。
焼杉山の山肌を切り開いて造られた参道は、谿を右に左に幾重に
も折れ、勾配も次第に険しくなる。
歩き疲れて息が上がりそうになる頃、やっと前方に苔むした石垣と
伽藍らしきものが姿を見せる。
ここで一息つけ、
と言わんばかりに実相の滝が迎えてくれる。
その向こうに広がるのはまさに仙境、ともいうべき世界である。
上がった息をとり鎮め石段を登る。
階段脇に樹齢800年を越えるといわれる古知谷カエデ。
京都市指定の天然記念物の老樹である。
古知谷はタカオカエデの名所である。
苔の石垣の上に本堂がある。
堂内の正面には弾誓上人自ら刻み、自らの髪を植毛した弾誓仏
ともいうべき像が安置され、奥の石廟には上人のミイラ像が祀ら
れている。
上人は開基4年後の慶長18年に食を断って自ら石窟に入り、即身
仏としとなって入定したと伝えられる。
浄土宗の寺であるが、
念仏道場というよりは、
仏凡一如の神秘の聖域といった感をいだかせる寺である。
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