
ichikawaichiza
落語の登場人物~与太郎
写真㊤:春風亭柳昇師 ←clickすると柳昇の落語『雑俳』が聴けます。
え~落語の方に登場する人物はと申しますと、熊さんに八っあん、横丁のご隠居さん、人の良いのが甚兵衛さん、バカで与太郎と相場が決まっております。
隠居さんてぇのは、どういうわけか大概横丁に住んでいますナ。あまり銀座通りの隠居なんてぇのは聞いたことがない・・。
これは噺家が噺の冒頭でよく振る「落語の登場人物紹介」だ。
登場人物としては、他にも大勢出てくる。若旦那、頭(かしら)、男前だが嫌味な半公、本屋の善公………などなどきりがない。
また、大家さん、若旦那、頭には具体的な○○さんという名前がない。あくまでも、ただ大家さん、若旦那、頭 に過ぎないのだ。
ところで落語では、なぜ‘頭の足りない’人物を与太郎と呼ぶのか? イヤ、落語の世界だけでなく社会生活でも、よく我々は「あいつは、与太郎だ」なんてことを言う。
なぜか?
これは「与太」という言葉が…
1.知恵の足りない者。役に立たない者。おろかもの。
2.でたらめ。ふざけた、くだらないことば。(例)「与太を飛ばす」
…という意味を持つからだと思いこんでいた。いまでも、そう思っている。
ところが、異説に出逢ったのだ。異説の大意は次の通りだ。
商家の跡取りは若旦那と呼ばれ、大旦那(主人)を継いだときに備え、謂わば帝王学を学ばされる。しかしこれが放蕩息子で手に負えず、倒々勘当になり、後を婿養子なり番頭が継ぐことになれば、若旦那は家を追い出されてしまう。
こうなればもう若旦那とは呼ばれないで「与太郎」と呼ばれる。「与太郎」は「不要太郎」が訛ったもので、嫡男が不要になったということです。(杉浦 日向子)←click
杉浦氏は、これ以上の根拠を示していないので、説の当否は判断しかねる。正直に言って、俄には信じがたい気がする。
どなたか、ご教示いただけないだろうか。
11.08.09 (06.03.28)