木語:樽型回転は暴走か＝金子秀敏

毎日新聞　2014年08月28日　東京朝刊

　＜ｍｏｋｕ−ｇｏ＞

　「バレルロール」という飛行機の操縦法がある。機体を横向きに回転させながら旋回（せんかい）上昇すると、航跡がビア樽（だる）（バレル）のような、中ぶくれの三次元曲線を描くのでこの名があるらしい。空中戦で敵機の後ろに回り込むための高等技術だという。

　８月１９日、南シナ海上空で米軍の新鋭哨戒（しょうかい）機Ｐ８が中国軍のスホイ２７（中国名、「殲（せん）１１」）に異常接近された。最も接近したときは６メートル、体当たりと紙一重だった。

　中国機はもうひとつ異常行動をした。バレルロールで米機の頭上を飛び越したのだ。その瞬間、中国機の操縦席は真下の米機を向いた。衝突のリスクをかけた愚行だ。

　米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「中国軍はトップの統制がきかない。一線のパイロットが暴走している」という米軍筋の見方を伝えた。

　米軍の「アジア・リバランス」政策と中国軍の「海洋進出」政策で、東アジアでは米中軍事衝突の危険性が高まっている。軍事大国同士だから、戦争につながるので先月から両国軍の間で衝突回避の協議が始まった。そのさなかにバレルロールを中国軍上層部が命令するだろうか。

　最近、中国共産党中央軍事委員会の副主席だった大物軍人が捕まった。ワイロをとって役職を売っていた。しかし、ワイロを使って出世した将軍たちの地位はそのままだ。そんな上の言うことを聞けるかと部下が暴走したのか。

　そうではないという軍事評論家の意見もある。ウクライナの軍事危機を境に、ロシア軍と中国軍の合同演習が増えた。ロシア軍が米軍に対抗する戦術を中国軍に伝授しているふしがある。

　４月、オホーツク海上空でロシア軍のスホイ２７が米軍の偵察機ＲＣ１３５に異常接近した。６月には、東シナ海で中国軍のスホイ２７が自衛隊の情報収集機に異常接近した。

　異常接近は、ロシア軍が教えた戦法ではないのか。だとすれば一線部隊の暴走ではなく、軍上層部の指示だ。これから何度でも起きる。

　習近平国家主席は、「米帝国主義は張り子の虎である」「一切の反動派は張り子の虎である」という毛沢東思想で育った文革、紅衛兵（こうえいへい）世代だ。当時、国の外には「米帝」、国の内には「反動派」という脅威を作り、それとの戦いを名目に独裁政治を維持した。

　習主席のやっている反腐敗運動「虎狩り」は現代版の文革だ。国外の虎も目障りに違いない。中国軍の異常行動は、虎狩りの戦術と見える。（客員編集委員）

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つぶやき

　「ハエも虎も叩く」は国内向けと国外向けがあるようだ。　国内向けは内政問題だが国外に向けた異常状態の出来事は雲助なみである。　

中国戦闘機の異常接近は過っての海南島事件で得た米軍の機密が欲しくなったのかも？　米軍偵察機も海南島近辺の哨戒には十分　警戒をしなければまたやられる。　米軍の哨哨戒機の戒情報収集技術は中国に、とり喉から手がでるほど欲しいものであろう？　勿論　日本の哨戒機とて同じであろう。　

「欲しいものは取る」それが遺法かどうかは関係ない。手段を選ばないのが中国式である。

ぼやき

　急に寒く？なった。プールの水の冷たいこと・・・・。寝るときは下着もパジャマも長袖にしている。それでも肩が冷えて朝　起きた時に身体が異常にだるく感じる。夏は去ったようだ。

　プールも夏の名残りを惜しむかの如くここ数日　子供たちが多くなってきた。　夏休みもあと２～３日か？　

「あなたのパソコンのパーフォーマンスが落ちてきています」と言うメッセージが出るようになった。調べると何処かの詐欺グループの「釣り」らしい？　　取り除く方法もあるようだが私のスキルでは難しい。放置することにした。

還り見れば酔生夢死か？