http://mainichi.jp/opinion/news/20150116ddf041070015000c.html
憂楽帳:リュックサック
毎日新聞 2015年01月16日 大阪夕刊
取材に出かける際、ノートやカメラを黒色のリュックサックに入れている。長年使っているため、日に焼け色ははげ落ちているが、今も背負っている。
買ったのは阪神大震災が発生した1995年1月、神戸・三宮 . . . 本文を読む
これはイソップ物語でもグリム童話でもない。私が作った小話である。
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ある山奥の猟師の家の犬小屋に鎖に繋がれた猟犬がいた。
近くに小利口な猫がいつも居眠りしていたが居眠りに飽きると時々鎖に繋がれた猟犬をからかっていた。
猫は鎖の長さをよく理解していた。
猟犬をからかう時は その鎖の外で「ニャ~オ・ニャ・ニャ・ニャオ~」と猟犬をからか . . . 本文を読む
フランスの文豪、バルザックは…
毎日新聞2015年12月22日 東京朝刊
フランスの文豪、バルザックはとんでもないコーヒー中毒だった。自分の創作力がコーヒーに依存していると信じ、際限もなく飲む量が増えていったのである。ついにはコーヒーの粉を飲むところまでいき、その結果を次のように記した
▲「と、一切が動き出す。ナポレオンの大軍団さながら観念が行動を起こし、 . . . 本文を読む
「古釘箱の中でひじきが喧嘩するよう」…
毎日新聞2015年12月26日 00時51分(最終更新 12月26日 00時53分)
「古釘箱(ふるくぎばこ)の中でひじきが喧嘩(けんか)するよう」というたとえがある。古釘やひじきをばらまいたような下手な文字へのけなし文句で、「ひじきの行列」という言い方もある。黒くて細長くて真ん中がちょっと膨らんだところが毛筆の手跡( . . . 本文を読む
余録:夜中に忍び込んだ泥棒の物音に家人が気づく。「猫…
毎日新聞 2015年11月03日 00時05分
夜中に忍び込んだ泥棒の物音に家人が気づく。「猫かしら」と家人がいうと泥棒は「ニャオ」と声色(こわいろ)でごまかす。だが次に家人が「犬かも」というので「ワン」、「牛では」で「モー」、ついには「虎かな?」……落語の「杭(くい)盗人(ぬすっと)」であ . . . 本文を読む
余録:米国の初代大統領ジョージ・ワシントンは人前で…
毎日新聞 2015年10月01日 00時20分(最終更新 10月01日 00時21分)
米国の初代大統領ジョージ・ワシントンは人前で笑わなかったという。それはスプリングをつけた入れ歯がうっかりすると飛び出す恐れがあったためらしい。1ドル札の肖像が口元をしっかりと引き締めているのもこの入れ歯のせいだという
▲横浜市の「歯 . . . 本文を読む
余録:「クッキング」とは自分に都合いいデータだけを…
毎日新聞 2015年10月16日 00時10分(最終更新 10月16日 00時11分)
「クッキング」とは自分に都合いいデータだけを取り上げることで、「トリミング」とは一定の範囲外のデータを書きかえることだという。当初は料理や犬の毛の手入れを思い浮かべたが、試験データの処理の不正にもいろいろあるらしい
▲で、こちらは地 . . . 本文を読む
余録:「鶴の恩返し」のように人間に助けられ…
毎日新聞 2015年09月30日 00時07分(最終更新 09月30日 00時08分)
「鶴の恩返し」のように人間に助けられた動物の恩返しの昔話は多い。その中には蜂の報恩譚(ほうおんたん)もある。鎌倉時代の説話集「十訓抄(じっきんしょう)」には、敵の攻撃で苦境に陥った武将がクモにつかまった蜂を助けたことで蜂の群れの加勢を得る話が . . . 本文を読む
余録:明治初めに来日した清の官人で、詩人として名高い…
毎日新聞 2015年10月02日 00時15分
明治初めに来日した清の官人で、詩人として名高い黄遵憲は、九州の農村でこう詠んだ。「夕陽 紅樹 鶏豚散じ/薺麦青青 また一村/茅屋数家 籬(まがき)に犬臥(ふ)す/知らず何処にか桃源あるを」
▲「あぜ道づたいにやってくると、夕日があかく染めたところに、麦の苗がまっ青にみえ . . . 本文を読む
余録:欧州に長く住む人によれば、ドライブ旅行では周囲…
毎日新聞 2015年09月29日 00時03分
欧州に長く住む人によれば、ドライブ旅行では周囲の車の運転マナーが格段に良くなることでドイツへの入国に気づくという。そこではよく前の車が急減速して驚くが、制限速度変更の標識のせいだ
▲このようにルールの徹底したドイツだが、対照的なイタリアに比べ事故が少ないわけではないとい . . . 本文を読む
余録:「歩道からすまして何気なく入って来る人…
毎日新聞 2015年09月16日 東京朝刊
「歩道からすまして何気なく入って来る人、怒ったような顔で入る人、笑顔で加わる人……傘を持ったサラリーマン、若い女性、主婦、高校生……勿論(もちろん)プラカードもなにもない」。国会デモだが、今のではない。55年前の60年安保の話だ . . . 本文を読む
余録:少女は入学した高校で激しいいじめに遭う。弁当や…
毎日新聞 2015年09月01日 02時30分(最終更新 09月01日 06時38分)
少女は入学した高校で激しいいじめに遭う。弁当や教科書が捨てられた。ゴミ箱の中を必死に捜す自分を同級生が笑って見ている。先生に相談しても取り合ってくれない。学校の最寄り駅の待合室で睡眠薬を一気に飲んだ
▲床に倒れた。見ず知らずのおば . . . 本文を読む
余録:ソ連軍の侵攻後、逃げ惑う満州開拓団の家族たち…
毎日新聞 2015年08月29日 00時10分
ソ連軍の侵攻後、逃げ惑う満州開拓団の家族たち。若い母親はこのままでは助けられないと悟ったのか、地面に赤ん坊を置く。親が去った後、泣き声に気づいた中国人女性が赤ん坊を見つけ、抱き上げる
▲26日に埼玉県所沢市で行われた中国帰国者戦後70周年記念公演会。永住帰国した中国残留孤 . . . 本文を読む
余録:江戸時代、庶民教育を支えた寺子屋の授業料は…
毎日新聞 2015年08月25日 00時28分(最終更新 08月25日 00時29分)
江戸時代、庶民教育を支えた寺子屋の授業料は必ずしも一律ではなかった。当時の事情に詳しい研究家、小泉吉永(こいずみ・よしなが)さんによると、家庭の経済力に応じて謝礼を受け取ることも多かった。貧しい家からはもらわなかったり、逆に文房具を支給 . . . 本文を読む
余録:流言の公式である。流言の強さや流量は…
毎日新聞 2015年08月19日 00時14分(最終更新 08月19日 00時15分)
流言(りゅうげん)の公式である。流言の強さや流量は、うわさの内容の重大さとその論拠のあいまいさの積(せき)に比例するという。米心理学者らが考えたこの公式によれば、証拠にもとづく正確な情報を流してあいまいさを除去すれば流言はなくなる
▲「雨は . . . 本文を読む