UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 9

2024-06-24 19:53:38 | 日記
「くっやられた!」
 
 どうやらこいつは自身のゲソを仲間へと託してたみたいだ。まあゲソというか先端だけだけど。そこにきっとポニ子を収納してるんだろう。確かにこいつの目玉の部分に入ってたら嫌だな……とかは思ってたよ? でもまさかそんなところに……だってゲソの先端部分ってこいつらのメイン火力なんですけど。そんなところに……
 
「いやまさか……」
 
 私は今視界に映ってる敵をまとめてG-01でスキャンした。するとなるほどど……とおもった。やつらがほぼ同じような見た目してるから勘違いしちゃったよ。そうだ……そもそも奴らはとても組織的に運用されてる。つまりは攻撃を請け負う部隊、遊撃を請け負う部隊、そして補給を請け負う部隊と別れてておかしくない。
 そしてそれならそれに対応するように自身の装備が変わってたとしてもおかしくない。だって補給部隊が攻撃部隊よりも強力な武器を持ってたらおかしい。
 そして事実、奴らはちゃんと見ないとわからないが、その役割を忠実に果たしながら行動をしてる。やっぱり私達……向こう側からしたら敵側には攻撃をする部隊が矢面に立つ。つまりは私たちからはそいつらばっかりを見ることになる。だって攻撃をしてくるんだ。
 そいつらから目を離す……なんてできるわけはない。だからどいつもこいつも攻撃をしてきてる……と思ってしまう。だって同じ見た目をしてるんだからね。でもそうじゃない。奴らは同じような見た目だけど、とても組織的に運用されてる。
 それは攻め込む前の布陣でわかってたことだ。もっとちゃんとスキャンしておくべきだったと後悔する。
 
「もうG-01!」
 
 私はそんな風にG-01に文句を言うが……もちろんG-01から返答はない。AIであるアイが中にいたら「あなたのせいでしょう」とかえすだろうけどね。けどそれはそうなんだよね。この怒りはただの八つ当たりである。
 だってきっと、最初のスキャンでG-01はこの情報だって表示してたと思う。ただそこまで見てなかったのは私だ。これだよね。いくら道具が優秀でも、それを使う人……まあつまりは私だが……がその優秀な道具の力を引き出せないとこういうことが起こってしまうといういい例だ。
 
「これは早急にどうにかしないと……」
 
 でも解決策があるだろうか? なかなかに難しい問題だ。だって私は機械じゃない。人……でもないが私はどうしてもミスを犯してしまう生命体なんだよね。
 だから完璧なんて無理なんだ。それはきっといくら脳を拡張してもそうだと思う。ならばどうするか……やっぱりアイの様な補助AIが必要なのか? でもだからってアイを戻すなんてのは論外だ。
 とりあえず今は、私は自分のミスをカバーするために動く。どうやらポニ子を含んだ先端は巨大な眼球の元へと運ばれてるようだ。ならばいっそ、その運び込む先をなくせば? 私はG-01のエネルギーを高めつつ、照準を一番デカい眼球に合わせる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿