カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

常備菜あれこれ

2011年12月21日 | Food

いよいよ今年も残すところ10日ほどとなりました。

日々を自分のペースでなどと思っておりましても、中々に難しい時期でございます。

追われるように雑事をこなしておりますと、ついつい注意が散漫になりまして、

思わぬアクシデントや病気を背負い込む季節でもありますので、

どちら様も、くれぐれもお気をつけ下さいます様。

 

かく言う私、昨年の暮れには大風邪をひきまして、

あわや年末年始を棒に振るところでございました。

そこはそれ、私の唯一の財産である根性で全てを滞り無く済ませ、

無事新年を迎えることが出来ましたが、

しんどかった。。。。。

振り返りますと、健康管理を怠ったと申しますより、心ここに有らず。

昨年末の私は地に足が付いていなかったのだと分析致しております。

 

複雑な人間関係から身体と心の健康に至るまで、

全ては食が解決してくれると信じて止まない私ですので、

今年こそは地に足をつけて年末を乗り切るべく、本日は常備菜作りを致しました。

単純に常備菜が直接健康管理をしてくれるという訳では有りませんが、

家庭料理の根底を支える常備菜を作るという行為自体が、

私の心を足元に向けさせ、日常の在るべき姿を再認識させてくれるのです。

まずは<ナメタケ>

長さを三等分にしたエノキを鍋に入れ、酒、みりん、醤油、酢を振りかけます。

味の濃さはお好みですが、酢はたっぷりとお使いください。

煮込むうちに酸味は消え、コクだけが残りますので、使い過ぎの心配はございません。

蓋をしてそのまま中火に掛けます。水を入れる必要はございません。

しばらく致しますと、このように水分が出てエノキに火が通ります。

この時に味を整え、更に10分程煮込んで完成です。

私の故郷はエノキの産地。瓶詰めのナメタケが作られております。

地場産業の発展に水を差すつもりはございませんが、

瓶詰めのものよりこちらの方が、遥かに美味でございます。

大根おろしを添えて、炊きたて御飯とともにそのまま頂くのは勿論、

ツナ缶と共に炊き込み御飯に致しますと大変美味しゅうございます。

次に<インゲンのナムル>

インゲンを柔らかめに茹でます。

保存容器に直接、ごま油、刻んだ赤唐辛子、出来る限り細かく刻んだニンニクを入れ、

茹で上がったインゲンを水切りし、熱いうちにこの中に入れ、塩をふって混ぜます。

これで出来上がり。

私は匂いの移り易い物はパイレックスの容器を使いますが、それでも蓋はプラスチック。

蓋にニンニクの匂いが着きますと、別のものに使えなくなってしまう恐れがございます。

それを防ぐ為に、サランラップで一旦覆ってから蓋を致します。

これで、蓋に匂いが着くのを防ぐことが出来ます。

<サツマイモと根昆布の炊き合わせ>

根昆布はだし昆布よりも肉厚で香りも高く、栄養価も優れております。

但しこちらで出汁を取りますと出汁が濁りますので、繊細なお料理には向きません。

サツマイモは半月切りに致しまして、最低でも20分程水にさらして灰汁抜きします。

出汁を取った後の根昆布を細切りにしたものと、サツマイモをだし汁に入れまして、


落としぶたをして、砂糖、酒、みりん、塩、しょうゆで煮込みます。

煮込む時間はサツマイモが柔らかくなるまで10分程度で充分です。

煮込み過ぎは煮崩れを起こすだけです。味を染み込ませてくれるのは時間でございます。

こちらは鍋に入れたまま冷まします。その間に味が染み込んでくれます。

もう一品、<きんぴらごぼう>なんぞ。

薄くを引いたフライパンで炒め、油が全体にからみましたらをふりかけ、

まずは酒だけで炒り付けます。次に砂糖を振込み、更に炒り付けます。

歯ごたえを残しつつ火が通りましたら、醤油を鍋肌から廻し入れます。

香ばしい香りが立ち上りましたら直ぐ火を止めて、ごま油と白ごまを加えて混ぜます。

この作り方ですと、水っぽくなったり、油っぽくなったりせず、

短時間でスッキリとした味わいのきんぴらごぼうが出来上がります。

きんぴらごぼうは、出来次第直ぐに容器に移します。

フライパンに入れたままですと、余熱でどんどん火が入り、

ニンジンとゴボウの煮物の様な、冴えない仕上がりになってしまいます。

常備菜、四品が整いました。

手際よく事が運びますと、所要時間一時間で片付けまで全て終了致します。

 

常備菜と申しますのは、派手な料理ではございません。

食卓の華となることは難しい地味なお料理と言えます。

でも不思議です。私にとりまして、この様な常備菜が冷蔵庫に何品か入っておりますと、

伊勢エビやズワイガニが鎮座している光景よりも頼もしく感じられるのです。

目の前の華やかな物に心を奪われ、つい見失ってしまいがちな縁の下の力持ち

食に限らず、この様な季節こそ目立たぬものに心を向けられる私でありたいと思います。

家庭料理の神髄とも言える常備菜を切らさない暮らしをする事で、

地に足の着いた年の瀬を過ごそうと思う今日この頃でございます。

 

では

 



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