カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

オニオンスープ

2011年05月25日 | Food

 

お料理を作る事が好きな方、そうではない方、お仕事として料理をなさる方、料理が趣味の方。。。。。

色々な方が居られることと思います。

私について申し上げれば、好きなのか?そうでも無いのか?仕事なのか?そうでもないのか?

時々考えてみたりもするのですが、どれも非常に曖昧。よく判りません。

はっきりしているのは、私は自分の作る料理がとても好きだという事と、

もしも私の料理を好んでくれる人が居るのなら、何をおいても料理を作り、

その笑顔を見たいという事でございます。


このように申し上げると、料理自慢に聞こえるかもしれませんが、違います。

味覚というのは非常に主観的かつ流動的なものですから、絶対等という味はありません。

例えば超一流レストランのシェフが作る洗練された一皿よりも、

愛する人が不器用な手さばきで作ってくれた素朴な一品が心に沁みることがあります。

だから料理は面白いのです。「絶対価値」など存在しません。

料理を作る事に情熱を燃やせる自分である事は、自慢する事ではなく、

そのような事が許される今に感謝し、幸せに思うべき事だと思っております。


ずいぶん気温が上昇して来て、もう暖かい食べ物が恋しくなる事もしばらく無いのかな?

などと思っておりましたら、グッと気温が下がりまして、

私が『報われないスープ』と呼んでいる、オニオンスープを作る事にしました。

何故そのように不名誉な冠を付けるかと申しますと、

ものすごく時間がかかるのに、メインディッシュとなり得ない一品だからです。

全般的にスープはメインとはなり難いですが、ササッと出来るレシピも多いです。

それに反して、大変な時間がかかるこのオニオンスープは、

本当にオニオンスープが好きな人の為にしか、私は作りたくない一品です。

 

タマネギを泣きながら刻んで刻んでまた刻み・・・・・

あんなに沢山のタマネギが、こんなに減って飴色になるまでひたすら炒め続ける。

ここまでで、既に小一時間でございますよ。

炒めている間にコトコト煮込んでおいたビーフストックをようやく投入。

私はお料理に固形コンソメやスープの素のようなものを使いません。

野菜ストック、チキンストック、ビーフストックなど、

くず野菜や骨付き肉等を大鍋で茹でて取ったスープ・ストックを使います。

ちょっと手間はかかりますが、出来たものは製氷皿でキューブ状に冷凍しておきますと、

分量調節も簡単ですし、急いでいてスープを取っている時間がない時等に、

大変に便利ですので、時間のある時や野菜くずが出た時に作っておきます。

それはそれで、私の味になるので良いのですが、ちょっとコク不足を感じることも有ります。

なのでオニオンスープを作る際には、ちょっとした秘密の材料があります。

それがこちら。

私の場合ゴルゴンゾーラ又はブルーチーズを隠し味に少々入れます。

チーズを感じる程沢山でなくていいのです。あくまでもコクを出す為に使います。

お好みですが、奥深い、フレンチレストランの味を出すことが出来ると思っております。

ここでローリエを加えますが、私はその後直ぐに火を止めてしまいます。

ローリエのスパイシーな香りを、火を通さずにフレッシュなままスープに移したいからです。

そのまま蓋をして、ディナーまでゆっくり休んで頂きます。

時間になったら、薄く切ったバゲットとグリュエルチーズをたっぷり乗せてオーブンで焼きます。

あっ、私はちょっと焦げ目が好きです。


ここまで、長い長い道のりでございました~。

先ほど報われないスープなどと言いましたが、ホントはね・・・・・

テーブルの皆様の笑顔が私にとって大きなご褒美です。


" What's for the main dish ? " とは言わないでねっ!


 



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