松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆定住外国人活躍施策・発表会(本郷台)

2018-02-02 | 1.研究活動

 県下市町村職員による共同研究会の最終発表会があった。

 テーマは、定住外国人の活躍施策である。現在の自治体政策では、定住外国人に対する政策は、外国人は摩擦の原因と考えて、その摩擦をどのように少なくするかという切り口でつくられている。それに対して、この研究会では、外国人を「地域資源」と考えて、その外国人人材を活かす道を探るものである。ただ、外国人人材を活かすとなると、すぐにどう「活用」するのかとなるが、この研究会では、そうした上から目線ではなく、「活躍」と捉えて、定住外国人が、その力をまちのために存分に発揮すること=活躍のために、市町村が考えるべきこと、あるいは活躍を後押しするための仕組みを考えた。

 まず、発表のパワーポイントであるが、とてもいいものになった。1月の半ばに、リハーサルをしたときは、報告書をコピーしたようなパワポで、多くの研究員は顔を一度も上げられなかったが、今回は見違えるようなパワポになり、また参加者を見ながらの発表となった。80分と長い報告であったが、飽きの来ないものとなった(後で聞くと、お風呂でそらで話せるように何度の練習したとのこと。そうだと思う)。

 特筆すべきは、途中、受講者も参加する(せざるを得ない)場面が何回かあった。それは、今回の定住外国人施策のコンセプトを、ひとことで「トライ・アクション」と名付けたが、その「トライ・アクション」を受講者も唱和する場面もあり、油断のならない発表会となった。これは、当日参加してない人にはうまく伝わらないが、報告の途中で、発表者が、それでは皆さん、一緒にご唱和くださいと呼びかけ、「トライ・アクション!」と言うのである。受講者の多くは、いろいろな研究会に参加したが、報告の途中で手をあげることはあっても、決め言葉を一緒に唱えるという経験は初めてだろう。これを何回かやったが、そのうち、受講生も席をたって下さい。左手を腰に当てて、右手を差し出し、「トライアクション!」を声を出す、研究報告会となった。

 私が担当する委員会や研究会は、自由な議論や本質から考えるために、型破りなこともやるが、それにしても、今回のようなことは初体験である。役所の報告会としては、そうはないだろう。本来は、こうした自由さのなかから、新しい政策課題への気づきや、新たな対応策が生まれてくるが、今日の公務員を取り巻く規制の厳しさのなかで、みな、その自由さを押し込めて枠の中に無理に収めようとしている。

 それが100ある力を50くらいしか出せていない元凶となっているが、もったいない話である。これからの職員政策は、この100の力をどう引き出すかを考えるものであるが、今回の研究会のメンバーをはじめ、ずっと一緒にやってきて、自治体職員一人ひとりのなかに、熱いマグマのようなもののがくすぶっていて、それを引き出すのが、研修の役割、私の役割であることを、このトライ・アクション!を見て感じたところである。

 とてもうれしいことがあった。この研究会は、諸々の理由で、今年でいったん休止になるが、その意味でも最終の発表会となった。そんなことで、これまでの研究会のメンバーや一緒に仕事をした人たちが、たくさん来てくれた。それだけでもうれしかったが、研究員のみんなが、最後に、予想もしないうれしいハプニングを用意してくれた。

 研究員の報告会の後、長い質疑になるのが、この研究会の恒例である。私が、その司会を私が担当するが、今回も、やや時間超過で終えようと思ったら、事務局から、最後に少しお時間をいただいてということだった。何が始まるのかと思ったら、最後なので、この研究会を振り振り返ったアルバムを作ったということである。結婚式の途中にやる、出会いから思い出の場面の写真を写す、あれである。思い出感を盛り上げる、音楽つきなので、ウルっと来る。

 そのあと、花束贈呈と記念品をいただいた。新婦の父親のような花束授与だった。いずれも想定もしていなかったことなので、涙が出そうになった。照れ隠しに、こうした準備をしてくれるのはとてもうれしいが、その分、研究発表のほうにも注力してほしいというところであるが、研究発表のほうは、冒頭に述べたような良い出来なので、こうした軽口も言えずじまいで、率直に、研究員や事務局、これまで一緒にやってきたメンバーに、率直に感謝の言葉を申し上げた。

 

 この研究会には、遠く、福岡県や宮城県など、県外からも来ているが、いきなり「トライ・アクション!」といわされたり、結婚式・卒業式の思い出写真が上映され、花束贈呈があったりと、なんという研究報告会なのかと思っただろう。でも、きっと、強く印象に残った報告会になったのだと思う。

 終了後、大船で定例の打ち上げ懇親会となった。ここには仕事の関係で、報告会には来れなかった人も集まり、総勢30名にもなる大宴会となった。ここでも、旧交を温め、地方自治や仕事のあり方を大いに論じ、そして大いに笑った(その時の記念写真はそのうち張ります)。

 

 私にとっては、忘れることができない一日となった。改めて、多くの研究員、事務局、関係の自治体や職員の方たちに支えられたことに、厚く感謝申し上げるとともに、みんなの今後の奮闘に、大いに期待したいと思う。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ★合同研修発表会(茅ヶ崎市) | トップ | ☆市民まちづくり集会(新城市) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

1.研究活動」カテゴリの最新記事